英議席数予告受けてポンド急落
英下院選挙前の議席数予想で保守党単独過半数確保見込みも前回調査から
見込み議席数が大きく減り、ポンド売り。
ドル円はFOMCにらみ
【東京市場】小動き
ドル円は朝から11銭レンジと目立った動きなく、小動きに終始。ユーロドルも朝から8ポイントレンジに。
午前10時半の中国消費者物価指数は予想を大きく上回り、2012年以来の高水準と上回る強めの結果。豚肉価格が前年比110%の上昇となったことが押上げ要因に。ドル人民元相場は大きな反応を見せず比較的落ち着いた動きに。
メキシコペソは午前中に報じられたNAFTAに代わる米・加・墨3国の貿易協定USMCA修正案が10日にも署名されるとの報道で、ペソ買いに。ドルペソは19.237近辺から19.203まで値を落として(ドル安ペソ高)いる。USMCA自体は昨年合意済みであるが、米下院が労働規定などの問題で反対しており、議会承認が進まない状況が続いていた。ペソ高一服後は動きが落ち着いた。
【ロンドン市場】朝方しっかりも続かず
朝方は買いが入り108円70銭台まで上昇も、買いは続かずもみ合いに。
FOMCを前に突っ込んだ動きには慎重。
英ポンドは翌日東京朝にMRP方式の議席数予想が示されるとあって
様子見ムードが。いったん下げたものの値を戻した。
【NY市場】関税見送り報道なども
米紙が米国が15日に予定している対中関税引き上げの見送りを検討と報じたが
ドル高の影響は限定的に。
FOMCをにらむ展開で積極的なドル買いには慎重姿勢。
ポンドドルは1.3180近辺から1.3100台まで一時値を落とした。精度が高いとして注目されていたYougov社のMRP方式による調査で、保守党の議席数見込みが339議席と11月27日の調査から20議席の低下を示したことで、警戒感が広がっている。単独過半数の325(実際には議会に登壇しないシンフェイン党の分なども控えるので、322程度)は上回っているものの、誤差を考えると余裕がないとの懸念につながっている。
【本日の見通し】FOMCにらむ
ここ3会合連続で利下げを実施してきた米FOMCであるが
前回の会合時の声明でそれまでの「適切な対応をとる」との文言が削除され
「適切な道筋を探る」との文言が加わったことで当面の据え置き期待が広がり
今回に関しては据え置きで見通しがほぼ一致している。
声明も基本的には前回の踏襲が見込まれるが、
強めに出た雇用統計などを踏まえて、さらに前向き姿勢が示されるとドル買いに。
より注目は参加メンバーによるプロジェクションマテリアル。
特に年末時点での金利見通しをドットで示したドットプロットの動向次第で
来年の金利見通しに変化が生じる可能性がある。
来年一年を通しての金利据え置き期待が広がるとドル買いに。
FOMCまでは動きにくい展開に。
【本日の戦略】FOMC待ち
FOMCまでは無理は禁物。
FOMCでは前向きな見通しが示される可能性が高いとみられ
基本はドル買いの材料となると期待している。
ただ、あくまで出たところ勝負の面があり、
突っ込んだ買いは避けたい。
結果発表後の振幅をうまく拾いたい。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《12/10 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 108.56 1.1064 120.10
高値 108.77 1.1098 120.69
安値 108.51 1.1063 120.08
終値 108.72 1.1092 120.60
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《12/10 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23410.19 -20.51
DOW 27881.72 -27.88
S&P 3132.52 -3.44
Nasdaq 8616.18 -5.64
FTSE 7213.76 -20.14
DAX 13070.72 -34.89
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《12/10 火曜日の商品市場》
NY原油先物1月限(WTI)(終値)
1バレル=59.24(+0.22 +0.37%)
NY金先物2 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1468.10(+3.20 +0.22%)
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《12/10 火曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
マネーストックM2(11月)8:50
結果 2.8%
予想 2.5% 前回 2.5%(前年比)
【中国】
消費者物価指数(11月)10:30
結果 4.5%
予想 4.3% 前回 3.8%(前年比)
生産者物価指数(11月)10:30
結果 -1.4%
予想 -1.5% 前回 -1.6%(前年比)
【英国】
鉱工業生産(10月)18:30
結果 0.1%
予想 0.2% 前回 -0.3%(前月比)
結果 -1.3%
予想 -1.2% 前回 -1.4%(前年比)
製造業生産高(10月)18:30
結果 0.2%
予想 0.0% 前回 -0.4%(前月比)
結果 -1.2%
予想 -1.4% 前回 -1.8%(前年比)
商品貿易収支(10月)18:30
結果 -144.86億ポンド
予想 -116.73億ポンド 前回 -115.21億ポンド(-125.41億ポンドから修正)
【ユーロ圏】
ドイツZWE景況感指数(12月)19:00
結果 10.7
予想 0.3 前回 -2.1
【南アフリカ】
製造業生産高(10月)20:00
結果 2.7%
予想 0.4% 前回 -2.4%(前月比)
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《12/10 火曜日のに発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*米国・カナダ・メキシコがUSMCAの修正案に10日にも署名する見込み。
*ロス米商務長官
(12月15日の対中輸入追加関税を発動するのかとの問いに対して)より重要なことは米国にとって良い合意を得ることだ。
米国が中国やUSMCAとの通商合意を達成したあとは、英国の協議に関心を向けるだろう。(米FOX)
*米10年債入札結果
最高落札利回り 1.842%(WI:1.843%)
応札倍率 2.43倍(前回2.49倍)
*米中交渉担当者
12月予定の関税発動見送りを計画。
(ウォールストリート・ジャーナル(WSJ))
*中国は15日予定の米関税見送りを想定
関税引き下げ協議で中国側は15日予定の関税発動見送りを想定。
(ブルームバーグ)
*トランプ大統領
USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)法案は良いように見える。
*クドローNEC委員長
15日の追加関税延期は確認できない。
何も決まっていない
USMCAはNAFTAりも良い。
USMCAは我々が経験したことのない投資を呼び込む。
USMCAは為替の安定を含む。
USMCAは他のお手本になる。
次のG7は世界経済の回復に時間を割く。
中銀は金利をコントロールすることに懸念すべきではない。
中銀は十分な流動性を供給すべき。
世界経済の減速は問題。しかし、米国は良好。
【メキシコ】
*メキシコのロペスオブラドール大統領
3ヵ国は本日、USMCAの署名で合意。
【北朝鮮】
*北朝鮮金英哲朝鮮アジア太平洋平和委員会委員長
トランプ氏は非常に無謀で一貫性のない老人である。
再びおいぼれと呼ぶしかない時代が来るかもしれない。
*韓国メディア中央日報
北朝鮮がICBMクラスの飛翔体の打ち上げを行う可能性があることを予想。
クリスマス前に打ち上げが行われる可能性。
【ユーロ圏】
*独ZEW
以前よりもドイツの輸出や個人消費に対する見方が改善してきている。
10月のドイツ貿易黒字が予想を上回ったことがセンチメント改善に寄与。
第3四半期のEUのGDPの伸びやドイツの安定た労働市場も寄与。
一方、鉱工業生産や受注をみると、経済に脆弱性が残っている。
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《本日予定されている主な経済指標》
【韓国】
失業率(11月)8:00
予想 3.5% 前回 3.5%
【豪州】
Westpac消費者信頼感指数(12月)8:30
予想 N/A 前回 4.5%(前月比)
【日本】
国内企業物価(11月)8:50
予想 0.1% 前回 1.1%(前月比)
予想 0.0% 前回 -0.4%(前年比)
【南アフリカ】
消費者物価指数(11月)17:00
予想 0.2% 前回 0.0%(前月比)
予想 3.6% 前回 3.7%(前年比)
実質小売売上高(10月)20:00
予想 0.8% 前回 0.2%(前年比)
【ブラジル】
小売売上高(10月)21:00
予想 3.6% 前回 2.1%(前年比)
ブラジル中銀政策金利 12日6:20
予想 4.50% 現行 5.00%
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(6日までの週)21:00
予想 N/A 前回 -9.2%(前週比)
消費者物価指数(11月)22:30
予想 0.2% 前回 0.4%(前月比)
予想 2.0% 前回 1.8%(前年比)
予想 0.2% 前回 0.2%(食品エネルギー除くコア・前月比)
予想 2.3% 前回 2.3%(食品エネルギー除くコア・前年比)
FRB政策金利 12日4:00
予想 1.50-1.75% 現行 1.50-1.70%
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員