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米中協議の難航警戒しドル売り円買い進む

見通し 

米中協議の難航警戒しドル売り円買い進む

豪ドル雇用統計がかなり弱く急落

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【東京市場】豪ドル急落

 ドル円は108円台後半での推移。前場引け後日経平均先物の下げが強まり、後場の日経平均が一時250円安を付けるなど、株安の動きが広がる中で、ドル円も昨日の安値を割り込み、今月5日以来の安値となる108円63銭を付ける動きが見られた。民主化デモの過激化懸念などから香港ハンセン指数が今日も大きく下げ、一時1%を超える下げとなったことも株安円高の動きに寄与。
 その後は日経平均が100ポイント以上戻し、香港株の下げも落ち着く中で、ドル円は少し値を戻し108円70銭台での推移となった。

 ユーロドルは1.1010近辺での動きから対円でのユーロ売りに1.10割れを付ける動き。リスク警戒感が円全面高を誘い、ユーロ円は119円80銭台から119円50銭台に。
 
 豪ドルは、9時半の雇用統計の弱さを受けて一気に値を落とし、その後も売りが続く展開。10月の豪雇用統計は、雇用者数が予想に反してマイナス。内訳を見ると、正規雇用、非正規雇用がともにマイナス圏と厳しい数字。失業率が予想外に悪化、労働参加率が低下と、かなり厳しい結果に。豪ドルは0.6840近辺から0.6800台まで下げた後、その後も続く豪ドル売りに0.68割れ。11時の中国小売売上高、鉱工業生産の弱い数字も豪ドル売りを誘った。

【ロンドン市場】豪ドル下げ基調続く

最初の動きはユーロ高ドル安となった。独第3四半期GDP速報値が予想に反して前期比プラス圏となり、リセッション入りが回避されたことがユーロ買いにつながった。
一方で東京午後から見られた米長期債利回りの低下が強まり、ドル全般の売りも見られた。ユーロドルは1.0990台から1.1016近辺までと大台を回復する動きに。
 ドル安の動き中でドル円は頭の重い展開も、序盤は108円70銭台でもみ合い。
その後は円高が優勢となった。寄り付きからマイナス圏推移となった欧州株が軟調な動き、特に独DAXでの自動車及び同関連分野の下げがきつく、ダイムラーが3%以上下げる場面などが見られる中で、リスク警戒の動きが広がった。
ドル円は東京市場の安値を割り込み108円50銭台を付ける動きに。
ユーロ円でのユーロ売り円買いが入ったこともあり、ユーロドルも朝の上昇が一変。上昇分を打ち消すだけでなく、1.0990割れを付けるなど、東京市場の安値を割り込む動きに。

 東京午前9時半に発表された豪雇用統計で雇用者が予想に反して減少したことに加え、
労働参加率が低下する中で失業率が悪化するなど厳しい状況が見られた豪ドルは、
ロンドン市場に入っても売りが優勢に。中国小売売上高、鉱工業生産などの弱い数字も重しとなった。
ロンドン市場に入っても来月の理事会での利下げ期待の高まりと、来年の5月以降とみられていた利下げ見通しの前倒し期待で豪ドル売りが継続し、
東京市場の安値を更新して対ドルで0.6781までと0.68台をしっかり割り込む動き。豪ドル円は73円60銭台と、東京朝から80銭近い下げに。

【NY市場】ドル円見切り売り

 ドル円が108円20銭台へ値を落とすなど、ドル安円高の動きが優勢に。
米10年債利回りの低下がドル売りを誘った。
米中協議の難航状況が懸念を誘い、リスク回避の動きが広がる展開に。

 ドル売りが主導でユーロドルは1.1020近辺に。ポンドドルも1.28台後半へ。

【本日の見通し】調整の意識も108円台での推移

 目先のポイントであった108.50を割り込んで108円20銭台まで値を落としたことでいったん調整ムード。
もっともあくまで調整の動きであり、動きが反転したという認識は薄いという印象。
ドル円は108円台でのレンジ取引が中心となりそう。
米中協議の動向を神経質にみる展開が続く中で
週末越えの積極的なポジション作成には慎重とみられ
売り買いともにやややりにくい面も。

【本日の戦略】押し目買い

 流れはまだ上方向とみている。スウィングは108円台前半の買い場探し
デイトレは108円台でのレンジ取引を意識して買いからの回転か。
いずれも107.80割れではストップという印象。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《11/14 木曜日》
   ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  108.82  1.1007  119.78
高値  108.86  1.1028  119.81
安値  108.24  1.0989  119.25
終値  108.42  1.1022  119.49
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《11/14 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  23141.55 -178.32
DOW   27781.96 -1.63
S&P    3096.63 +2.59
Nasdaq  8479.02 -3.08
FTSE   7292.76 -58.45
DAX   13180.23 -49.84
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《11/14 木曜日の商品市場》
NY原油先物12月限(WTI)(終値)
1バレル=56.77(-0.35 -0.61%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1473.40(+10.10 +0.69%)
–+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《11/14 木曜日に発表された主な経済指標》

【日本】
GDP・1次速報値(第3四半期)8:50
結果 0.1%
予想 0.2% 前回 0.3%(前期比)
結果 0.2%
予想 0.9% 前回 1.3%(前期比年率)

GDPデフレータ・1次速報値(第3四半期)8:50
結果 0.6%
予想 0.5% 前回 0.4%(前年比)

第3次産業活動指数(9月)13:30
予想 1.1% 前回 0.4%(前月比)

【英国】
RICS住宅価格指数(10月)9:01
結果 -5%
予想 -3% 前回 -3%

小売売上高(10月)18:30
予想 0.2% 前回 0.0%(前月比)
予想 3.7% 前回 3.1%(前年比)

【豪州】
失業率(10月)9:30
結果 5.3%
予想 5.2% 前回 5.2%

雇用者数(10月)9:30
結果 -1.90万人
予想 1.50万人 前回 1.47万人(1.47万人から修正)

【中国】
小売売上高(10月)11:00
結果 7.2%
予想 7.8% 前回 7.8%(前年比)
結果 8.1%
予想 8.1% 前回 8.2%(年初来・前年比)

鉱工業生産(10月)11:00
結果 4.7%
予想 5.4% 前回 5.8%(前年比)
結果 5.6%
予想 5.6% 前回 5.6%(年初来・前年比)

中国調査失業率(10月)11:00
結果 5.1%
予想 N/A 前回 5.2%(前月比)

固定資産投資(10月)11:00
結果 5.2%
予想 5.4% 前回 5.4%(年初来・前年比)

不動産投資(10月)11:00
結果 10.3%
予想 N/A 前回 10.5%(年初来・前年比)

【インド】
卸売物価指数(10月)15:30
結果 0.16%
予想 -0.24% 前回 0.33%(前年比)

【ユーロ圏】
ドイツGDP・速報値(第3四半期)16:00
結果 0.1%
予想 -0.1% 前回 -0.2%(-0.1%から修正)(前期比)
結果 0.5%
予想 0.5% 前回 0.3%(0.4%から修正)(前年比)

ユーロ圏GDP・改定値(第3四半期)19:00
予想 0.2% 前回 0.2%(前期比)
予想 1.1% 前回 1.1%(前年比)

【米国】
生産者物価指数(10月)22:30
結果 0.4%
予想 0.3% 前回 -0.3%(前月比)
結果 0.3%
予想 0.2% 前回 -0.3%(コア・前月比)
結果 1.1%
予想 0.9% 前回 1.4%(前年比)
結果 1.6%
予想 1.5% 前回 2.0%(コア・前年比)
 
新規失業保険申請件数(9日までの週)22:30
結果 22.5万件
予想 21.5万件 前回 21.1万件(前週比)
 
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《11/14 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【米国】
*ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
当面は現状を維持し、新たな行動に出る前には状況を見極めるべき。
今年の利下げも、私は基本的に同見解。
今年の投票権があれば据え置きに賛成していた。
米経済は良い状態で、インフレ率も徐々に加速し18-24カ月で目標の2%に達する。

*クラリダFRB副議長
米経済はFRBの2大責務を達成もしくは近い状況。
インフレが賃金上昇を引き起こしている証拠はない。
インフレは2%目標に近づいている。
3.6%の失業率は完全雇用より低い水準ではないのかもしれない。

*パウエルFRB議長
事前原稿は前日とほぼ同じ
低金利では利下げ余地が小さい。
米債務は経済より速く拡大しており持続不可能。
製造業の弱さの波及は確認していない。
貿易政策への発言は拒否。
労働参加率は米国の重要な問題。
米経済はスター経済でリセッションは予想していない。
他の景気サイクルに見られた警告シグナルはない。

*ウィリアムズNY連銀総裁
経済や金融政策は好位置にある。
見通しに具体的な変化があれば、政策を調整する。
設備投資は経済と伴に回復するだろう。

*ブラード・セントルイス連銀総裁
FRBは利下げの効果を見極める必要。
金融政策の決定には慎重なアプローチが必要。
米経済が力強いことからマイナス金利は使用しなかった。
米経済は欧州や日本よりも活力がある。

*カプラン・ダラス連銀総裁
米経済は来年、2%成長の可能性を持っている。
米個人消費は良好。労働市場は非常にタイト。

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《本日予定されている主な経済指標》

【日本】
鉱工業生産・確報値(9月)13:30
予想 N/A 前回 1.4%(前月比)
予想 N/A 前回 1.1%(前年比)

設備稼働率(9月)13:30
予想 N/A 前回 -2.9%(前月比)

【トルコ】
失業率(8月)16:00
予想 N/A 前回 13.9%

【ユーロ圏
ユーロ圏消費者物価指数・確報値(10月)19:00
予想 0.2% 前回 0.2%(前月比)
予想 0.7% 前回 0.7%(前年比)
予想 1.1% 前回 1.1%(コア・前年比)

ユーロ圏貿易収支(9月)19:00
予想 187億ユーロ 前回 203億ユーロ(季調済)
予想 N/A 前回 147億ユーロ(季調前)

【米国】
小売売上高(10月)22:30
予想 0.2% 前回 -0.3%(前月比)
予想 0.4% 前回 -0.1%(自動車除くコア・前月比)

輸入物価指数(10月)22:30
予想 -0.2% 前回 0.2%(前月比)
予想 -1.9% 前回 -1.6%(前年比)

NY連銀製造業景気指数(11月)22:30
予想 5.9 前回 4.0

鉱工業生産(10月)23:15
予想 -0.4% 前回 -0.4%(前月比)

設備稼働率(10月)23:15
予想 77.0% 前回 77.5%(前月比)

企業在庫(9月)16日0:00
予想 0.1% 前回 0.0%(前月比)

執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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