メイ首相が採決延期を決定し、ポンド急落
メイ首相が採決延期を決定し、ポンド急落
合意なきEU離脱に向けた動きが加速へ
ドル全面高となり、ドル円は113円台をしっかりと回復
【東京市場】株安受けたリスク警戒がドル安円高誘う
先週末の米株安の流れを受けて、週明けのアジア市場でも株安の動きが広がり、リスク警戒感が広がっている。ドル円は先週末終値に近い112円台後半で始まり、株安の動きを警戒して112円20銭台まで値を崩した。
大きく下げて始まった日経平均が下げ止まり、安値圏もみ合いとなったことで、ドル円もさらなる下値トライには慎重な動きが広がり、値を戻す格好に。午前中は中国本土株の下げが限定的なものにとどまったことも、ドル円の買い戻しを誘った。
ユーロドルは1.14台をしっかり回復して上昇。イタリアの予算問題に関して、本日修正案を閣議で検討し、水曜日にもユンケル欧州委員会委員長に提出し、会談予定。
ポンドドルは1.2760台まで上昇。英紙サンデータイムズが明日のEU離脱協定採決が延期される可能性と報じたことなどが買いを誘った。もっとも、EU離脱担当相は延期を否定している。
【ロンドン市場】ポンド売り
週末に英サンデータイムス紙が11日のEU離脱協定採決の延期を報じたことなどが重石となりポンド売りが広がっている。
EU離脱担当相が否定も、各メディアが延期を報じる状況でポンド売りが強まる格好に。
採決を強行した場合、惨敗が見込まれており、複数の閣僚が延期を進言している状況とみられる。
ドル円はもみ合い。東京市場での下げからの回復が目立っていた。
米債利回りも水準を切り返しドル買いに寄与。
【NY市場】ポンド急落
ロンドン市場から売りが強まっていたポンドが急落した。
メイ首相が11日のEU離脱協定採決の延期を決定。
政府は合意なきEU離脱の準備を加速すると言及し、市場のリスク警戒感を誘った。
ドル全面安になる形でドル円は113円台をしっかりと回復。
ユーロドルがポンドドルに連れ安となり、ドル全般の売りに。
米株の下げ止まりもドル買いを誘った。
【本日の見通し】
本日現地時間夜に予定されていた英下院でのEU離脱協定の採決について、メイ首相は延期を決断したと報じられている。週末時点で延期見通しを英メディアの一部が報じていてたが、EU離脱担当相などが否定していた。昨日午前までは首相は採決を実施する意向を示していたが、大敗見込みが濃厚となり、このままでは政権自体の継続が難しいとの情勢に、延期に向かったとみられる。この流れをうけて、ポンドは大きく値を崩し、昨日東京市場の1.27台半ばから1.25ちょうど近くまで一時値を落としている。
ドル全般の上昇となったことでドル円は買いが入っているが、リスク警戒の動きが広がっており、113円台をどこまで買いあげられるか。
もう一つの懸念材料である米株安については一服しており、プラス圏で引けている。もっとも上昇幅は小さく警戒感が継続。一時の円買いは一服も、昨日の安値から1円以上上昇した状況でさらにどこまで買い上げられるか。
113円台前半でのレンジを中心に、113円割れの展開も警戒。
【本日の戦略】113円台半ばの売りを確認
レンジ取引を基本に見ていきたいところ。
警戒感がみられるも目先はしっかりとしている。
113円台半ばトライの中で、売りがどれぐらい出てくるかを確認したい。
デイトレは戻り売りも意識。ただ113円台半ば超えではストップ。
スウィングは微妙で、112円台を待っての買い下がりも。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません