今週のまとめ7日16日から7月20日の週

 16日からの週は、ドル買いが先行。ドル円は一時113円台に乗せた。ドル指数は一時約1年ぶりの高水準となった。ポンドドルは一時1.30台割れ、ユーロドルは1.15台後半までのドル高進行だった。
注目のパウエルFRB議長の議会証言ではこれまで通り、漸進的な利上げの方針が確認された。これまでと変化なく強い米経済を印象付ける内容に、市場では米中貿易戦争への警戒感を警戒したドル売りポジションが巻き返された。米地区連銀経済報告では、米国内の製造業は関税への懸念を表明したが、市場は反応薄だった。また、中国人民元が連日の下落となり、相対的にドル相場を押し上げた面も指摘される。一方で、週末にかけて連日、トランプ米大統領から利上げやドル高に不快感を示す発言が報じられ、週末調整とともに今週のドル買いポジションも吐き出された。強い米経済とトランプリスクの綱引きとなった。来週も米欧首脳会談や第2四半期の米GDP速報値と重要イベントが予定されている。

(16日)
 東京市場は「海の日」の祝日で休場。

 ロンドン市場は、ややドル安の動き。先週末はドル高が進んだが、NY終盤に調整売りが入っていた。週明けのロンドン市場でも調整の動きが再燃している。ユーロドルは1.17台前半、ポンドドルは1.32台後半へと水準を上げた。ドル円は112円台前半から半ばでの揉み合い。クロス円は欧州通貨買いで堅調。欧州株や原油先物は軟調と、各市場の値動きはまちまちだった。

 NY市場では、ややドル売りが優勢。ドル円は112円台前半に軟化する場面があったが、米債利回りは上昇しており、底堅さも。6月の米小売売上高は、ほぼ予想通りの結果だったが、前回値が上昇修正されており、米個人消費の力強さは健在。ただ、GDP算出に使用されるガソリンなど除いた前月比は横ばいと予想以下だった。NY連銀指数の上振れでドル高の反応がみられたが、すぐに収束した。ユーロドルは1.17台乗せ、ポンドドルは1.32台前半に反落。

(17日)
 東京市場では、NZドルが買われた。NZドルは朝方の消費者物価指数が弱めとなったが、反応薄。昼過ぎに消費者物価コア指数が2011年来の高水準と報じられたことをきっかけにNZドル買いが強まった。この動きが資源国通貨買いにつながり、南アランドなども対ドルで買われた。ユーロドルは1.1720近辺へと小高く推移。。ドル円は朝方に円売りが優勢となったが、112.57レベルまでの上昇にとどまった。その後は揉み合いに。

 ロンドン市場では、ドル相場が上下動。ドル売り先行も、ドル買い方向に転じている。パウエルFRB議長の上院銀行委員会での証言に注目が集まっており、ロンドン午前の取引では方向性が定まらない展開。ドル円は112円台前半から半ばで、ユーロドルは1.17台前半で振幅。ポンドドルは1.32台でやや振幅幅が大きめ。英雇用者数の伸びが予想を上回り買われたが、EU離脱修正案が議会通過もEU側には受け入れられない内容との観測が広がった。

 NY市場では、ドル円が113円台手前まで上昇。注目のパウエルFRB議長の議会証言では「当面は漸進的な利上げが最善」と従来通りの姿勢が強調された。新たな内容はみられなかったが、米中貿易戦争への警戒で形成されたドル円の売りポジションが巻き返されるきっかけとなったようだ。強い米経済への自信もみられ、米株が上昇。ドル円は112.95レベルまで買われた。ユーロドルは1.16台半ばへと下落、総じてドル買いに。

(18日)
 東京市場では、ドル円が113円台をつけた。前日NY市場からの流れ受けて、東京朝方に113.08レベルまで買われた。その後は112円台後半に下押しも、下値は堅く113円挟み水準に落ち着いた。ユーロドルは1.16台半ばから前半へ、ポンドドルは1.31台前半から1.31台後半へと軟化しており、総じてドル買いが優勢。

 ロンドン市場では、ポンドが下落。注目の英消費者物価指数が前年比+2.4%と事前予想ほどの伸びを示さなかったことが背景。8月の利上げ期待に冷水を浴びせる結果となり、ポンドドルは1.30台後半から1.30台前半へ、ポンド円は147円台後半から前半へと下落した。ドル買い圧力が波及し、ユーロドルは1.16ちょうど付近まで下落も、大台割れは回避。ドル円は朝方に113.10台まで買われたが、その後は大台を維持できず。

 NY市場で、ドル円は112円台に反落。一時112.70近辺まで下落。中国商務省が米国はWTOのルールを犯しており、制裁を止めるよう要請とのニュースが流れたことがきっかけ。全体的にきょうのNY市場はドル売りが優勢となり、ドル円も利益確定売りが優勢となった。ユーロドルは1.16台割れを回避すると1.16台後半まで一時反発。ポンドドルは1.30台後半へと下げ渋り。パウエルFRB議長の下院証言は前日の上院と同内容。米地区連銀経済報告では、米国内の製造業は関税への懸念を表明していることを明らかにした。ただ、市場は反応薄。

(19日)
 東京市場では、豪ドルが堅調。豪州雇用統計が予想を上回ったことが背景。雇用者数では正規雇用の伸びが目立った。豪ドル/ドルは0.7440近辺、豪ドル円は83.90台まで買われた。ただ、その後は買い一服に。ドル円は前日のNY市場での反落を受けて上値が重く、112.65近辺まで一時下落。日経平均は取引終盤に下げに転じた。

 ロンドン市場では、ドル買いの動きが広がった。ドル指数は約1年ぶりの高水準に。ドル円は再び113円台を回復。豪ドル/ドルは東京午前の豪雇用統計を受けた上昇を消し、0.73台半ばへと一段と下落。ユーロドルは一時1.16台割れ。ポンドドルは1.30台を割り込む場面があった。ポンドは6月の英小売売上高が予想を下振れしたことが売りを加速させた面も。欧州株は小安く、原油先物は反落。クロス円は円高方向に押されている。

 NY市場では、トランプ発言でドル売りが強まった。米CNBCとのインタビューで金利上昇、ドル高などに不快感を示したことが背景。ドル円112円台後半から一気に112.05近辺まで下落。その後、ホワイトハウスが「トランプ大統領はFRBの独立性を尊重しており、金融当局の決定に介入していない」との声明を発表したことで下げは一服。ユーロドルは1.16台割れ水準から一時1.1680近辺まで反発。ポンドドルは一時1.3040近辺まで反発も、対円や対ユーロでは軟調だった。

(20日)
 東京市場で、ドル円は112円台で上下動。朝方には112.62近辺まで買われた。しかし、中国人民銀行の人民元対ドル中心レートが元安方向に設定されたことをきっかけに、ドル買い・円買いの動きが広がった。ドル円は112.21近辺まで下落。ただ、当初急落した人民元相場が買い戻され、上海株も上昇に転じると、主要通貨も値動きは一服した。日経平均は一時200円超安も、大引けは66円安まで回復。

 ロンドン市場は、落ち着いた取引。ドル円は112円台前半、ユーロドルは1.16台半ば、ユーロ円は131円ちょうど付近での小動き。イタリアで財務相と副首相らの人事をめぐる意見対立が報じられ、イタリア株や債券が売られたが、ユーロ相場は反応薄。トランプ米大統領が、対中輸入関税は5000億ドルまで行く用意がある、としたとの報道で株安の反応も、円買いの動きは限定的。昨日のNY市場で短期筋のドル買いポジション整理が進み、目先はポジションが軽くなっているとみられる。

 NY市場はドル売りが強まった。トランプ大統領が米CNBCのインタビューで、中国製品5000億ドル相当の関税賦課を用意しているといった発言や、ツイッターで「中国やEU、自国通貨を操作してきた。引き締めはこれまでの努力全てを損なう。ドル高は競争力を奪う」などと、中国との貿易戦争へ強気な姿勢を示したことや、FRBの利上げとドル高に苦言を呈したことで、為替市場も敏感に反応せざるを得なかったようだ。ドル円は後半になってホワイトハウス高官の発言もあり、111.40近辺まで下げ幅を拡大。

出所: KlugFXニュース(株式会社みんかぶ)

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