【通貨別まとめと見通し】スイスフラン円:201円台からの上値切り下げと200円大台の攻防、週明けのサポート割れ(199.814円)を経た神経質な下値模索
【通貨別まとめと見通し】スイスフラン円:201円台からの上値切り下げと200円大台の攻防、週明けのサポート割れ(199.814円)を経た神経質な下値模索
先週から週明け(7月20日〜7月27日)のまとめ
週初20日(月)に一時201.365円の戻り高値を記録した相場は、クロス円全体の過熱感と本邦当局による為替介入への警戒感が重石となり、ジリジリと上値を切り下げる調整含みの展開となった。週中盤にかけては心理的節目である200.00円の大台維持を巡る攻防となり、23日(木)には一時200.119円まで下押ししたものの、この時点では大台死守の意識が強く、週末にかけては200.20〜200.80円台のレンジ内で持ち直していた。
しかし、週明け27日(月)のロンドン時間に一時200.938円まで買い戻されたのを最後に潮目が悪化。NY時間にかけてこれまでの強力な防衛線であった200.00円の大台を明確に割り込むと、ロング勢の投げ売りを巻き込んで売り足が加速した。本日28日(火)の東京時間早朝には一時199.814円まで下値を拡張し、直近の主要サポートを完全に下抜けている。足元(28日昼現在)は200.00円台前半へ辛うじて買い戻されているものの、大台復帰をかけた非常に神経質な攻防戦(日柄調整)の様相を呈している。
詳細な値動きの振り返り
■ 201円台からのジリ安と200円大台割れの危機(7月20日〜7月21日)
20日(月)の東京・欧州時間には一時201.365円まで買い進まれ、底堅さを示したものの、年初来高値圏(202.60円台)からの距離もあり上値追いのエネルギーは続かなかった。日本の通貨当局による為替介入への恐怖心から戻り売りが断続的に流入すると、21日(火)にかけてジリジリと下値を切り下げる展開へ移行。21日深夜には一時200.492円まで押し込まれるなど、大台割れへの警戒感がじわりと高まる展開となった。
■ 200.119円での下値支持と週末のレンジもみ合い(7月22日〜7月24日)
22日(水)は200.60〜200.90円台の高値圏で粘り強さを見せていたが、23日(木)の欧州時間(ECB理事会前後)にクロス円全体が動意付くなか、スイスフラン円は独自の売り圧力に押され、20:00台に一時200.119円まで急落。200円大台割れ寸前まで追い込まれた。その後はスワップ狙いの実需買いやポジション調整の買い戻しに支えられ、24日(金)にかけて200.40〜200.80円台のレンジ内で日柄調整を行い、エネルギーを蓄積して週末を迎えた。
■ 週明けの200円割れ急落と直近最安値199.814円への到達(7月27日〜7月28日)
週明け27日(月)のロンドン時間(15:00台)には、クロス円の連れ高に乗る形で一時200.938円まで上昇し大台回復への期待が高まった。しかし、ここからの崩れ足は速かった。NY時間に入ると急激に売りが優勢となり、22:00台には200円の大台を明確に下抜けて一時199.947円まで急落。さらに本日28日(火)の東京時間(08:00台)には一時199.814円まで下値を拡張した。足元は200.00円付近まで買い戻されているものの、テクニカル的な形状悪化を伴う神経質なボックス相場へ移行している。
ファンダメンタルズ分析
欧州・スイス側:SNB(スイス国立銀行)の利下げスタンスとフラン高牽制意識
他主要クロス円が底堅く推移するなかでスイスフラン円が独歩安気味に下値を削った背景には、スイス中銀(SNB)の追加利下げ観測と、行き過ぎたフラン高に対する当局の牽制姿勢がある。市場では安全資産としてのフラン買いの魅力が一時的に低下しており、日スイス金利差メリットの縮小懸念から、他クロス円に比べてユーロやペソへの資金シフト(フラン売り)が起きやすい地合いが、上値を重くしている主因だ。
日本側:200円大台の心理的防衛線と押し目買いの熾烈な激突
市場にとって「200.00円」という大大台は極めて強力な心理的・テクニカル的節目である。為替介入警戒という「人為的な壁」が上値を抑える一方で、200円を割り込んだ水準では本邦キャリー勢や実需の「割安感」を意識した押し目買いのエネルギーが発動しやすい。構造的な円安バイアスが残るなか、200円を割り込んだ領域での「実需の買い需要」と、フラン安・介入警戒に伴う「短期勢のポジション調整売り」が一段と低いステージで真っ向から激突している。
テクニカル分析
トレンド判断
20日高値(201.365円)から27日高値(200.938円)へと明確に上値を切り下げ、さらに先週の生命線であった200.119円をも下抜けて28日に199.814円まで下値を拡張したことで、短期的なトレンドは「下降(調整トレンド)入り」したと判断せざるを得ない。
ただし、200.00円の大台から完全に下放れて売り崩されるまでには至っておらず、短期的には下値を28日早朝にサポートとなった199.80〜199.90円付近、上値を27日にレジスタンスとなった200.50〜200.70円付近とする「一段切り下がった新規の安値圏ボックス(保ち合い)」へ移行している。今週はこの200円の節目を完全に奪還できるか、あるいは定着に失敗して下値をさらに掘り下げるかが焦点となる。
【スイスフラン円 主要なレジスタンス・サポートライン】
(上値抵抗帯)
レジスタンス3: 201.365円 (7月20日に記録した直近の戻り高値。強気回帰への最重要障壁)
レジスタンス2: 200.85 - 200.938円 (27日ロンドン時間に上値を阻まれた、大台回復の分岐点)
レジスタンス1: 200.40 - 200.55円 (先週後半の保ち合い土台であり、現在はサポレジ転換した厚い抵抗帯)
(下値支持帯)
サポート1: 199.80 - 199.95円 (足元および28日早朝に死守している、目先の第一防衛線)
サポート2: 199.30 - 199.50円 (7月中旬にV字反発の起点となった、直近の生命線となる重要支持ゾーン)
サポート3: 198.80円 (ここを完全に割り込んだ場合、中期的な強気トレンドが完全に崩壊する最終防衛線)
今週のポイント・見通し
今週の最大の焦点は、200円大台を一時的に割り込んだ後の「大台復帰・維持能力」である。テクニカル的な形状悪化を嫌気した戻り売りと、大台割れでの割安感を狙った押し目買いが神経質に交錯する展開となる。
【メインシナリオ】200円割れでの押し目買いを支えに大台を奪還、200円台半ばのレンジへ回帰
構造的な日スイス金利差の残存や、他クロス円の底固さに牽引される形で、199.80円付近のサポート帯を死守する展開。高値圏からの調整売りをこなし、200.00円の大台をクリアに奪還した後は、再び200.50円超えを目指してレンジを切り上げる動きを見込む。
想定レンジ: 199.70 - 200.90円
根拠: 200円割れ水準での実需の押し目買い需要、他主要クロス円(ユーロ円など)の強気地合いの波及、過度な下値追いの警戒。
【対抗シナリオ】200円大台復帰に失敗し売りの連鎖、199円台前半の重要サポート力の再テスト
200.00円の大台回復に失敗し、戻りの重さを再確認して弱気派が勢いづく展開。あるいは本邦当局による為替介入が急襲的に発動されてクロス円全体が崩れた場合、199.80円を完全に割り込んで売り足が速まり、7月中旬の生命線である199.30〜199.50円水準を再テストする展開を想定。
想定レンジ: 199.20 - 200.50円
根拠: 上値切り下げパターンの定着、大台割れに伴うテクニカル的な投げ売りの連鎖、SNBの利下げスタンスに伴うフラン独自の弱さ。
総評
先週から週明けにかけての動きにより、スイスフラン円は他主要クロス円とは異なり、一足先に「200円大台割れ」という調整のフロンティアに足を踏み入れた。しかし、199.80円近辺での下値の底堅さも観測されており、マクロ的な円安構造が完全に瓦解したわけではない。今週前半にかけて相場が200円の大台を早期に奪還し、底固さを担保できるか、あるいは大台が厚い壁となって調整売りが深化するか、高値圏ゆえのボラティリティ急増への警戒を怠れない。
今週の主な予定
スイス
07/30 16:00 KOFスイス先行指数 (7月) 前回 101.2 (KOFスイス先行指数)
07/31 15:30 小売売上高 (6月) 前回 3.5% (前年比)
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。





