米大手銀 来年は景気後退かもしれないが、米株式市場は上昇を期待
米大手銀が来年に向けての株式市場の展望レポートを公表し、「来年は景気後退が迫っているかもしれないが、米株式市場は上昇を見込んでいる」と述べた。
同銀のエコノミストはマクロ的観点から、2024年半ばの景気後退を予測。しかし、企業業績の後退は過去2年以内にすでに株式市場に織り込まれているとしている。重要な論点は、1年以上前から景気後退が注目されている中で、投資家や企業がどの程度暗黙のうちに期待値を下げているかという点だという。
また、同銀のストラテジストは企業業績見通しで、過去の景気後退期と比較すれば、企業業績は底堅い見ているという。S&P500は現在、2022年1月につけた終値ベースでの最高値から1%未満のところで取引されているが、同ストラテジストは2024年末の目標を5100とし、これを上回る可能性もあるとした。来年は生産性に関連した特異な影響に注目することがポイントで、それは株価の変動性をさらに高めるだろうとも述べている。
◆4つの留意点。
1、第4四半期の上昇後は、調整局面での押し目買いを推奨。
2、構造的に長期の魅力的な見通しを持つ企業は恐らく人工知能(AI)の可能性によってそれが強化され、経済低迷を乗り切る手段を提供すると同時に、いずれタカ派的でなくなるFRBからの恩恵を受ける。
3、景気敏感株は通常よりも緩和的な金融政策から恩恵を受けるやすいことから、成長株との魅力的なバーベル戦略を提供する。重量挙げのバーベルのように両方に重石を置く戦略のこと。
4、ディフェンシブ銘柄の高い成長率に注目。
◆各セクターの有望銘柄
銀行ではキーコープ<KEY>を最も好ましい銀行株の1つに選んだ。航空ではデルタ航空<DAL>とユナイテッド航空<UAL>を一押し銘柄に挙げている。航空宇宙・防衛部門ではボーイング<BA>とL3ハリス・テクノロジーズ<LHX>に注目。その他、自動車ではGM<GM>、運輸ではフェデックス<FDX>、そして、多角的産業のロックウェル・オートメーション<ROK>も有望銘柄に挙げた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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