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リビアンとルーシッドの決算、EVメーカーの明暗分かれる

株式 

(NY時間08:43)時間外
リビアン<RIVN> 18.61(+1.19 +6.83%)
ルーシッド<LCID> 4.01(-0.29 -6.74%)

 前日引け後にリビアン<RIVN>とルーシッド<LCID>が7-9月期決算を発表していた。リビアンの株価はポジティブな反応を見せている半面、ルーシッドはネガティブな反応を見せている。両社とも収益性には苦戦しているものの、リビアンはより堅実なビジネスモデルを持っているようだ。マーケットウォッチがコラムで論じた。

 リビアンはアナリストとの電話会議でコスト削減努力に注力していることを示し、通期の車両販売台数の予想も引き上げた。同社のマクドナウCFOは「材料費が大幅に削減され、2024年には利益を大幅に改善できる」と述べた。また、アマゾン<AMZN>にEVバンを独占的に提供する契約は終了し、他の配送業者への販売も可能になるとも発表した。2030年までにバン10万台をアマゾンに納入するという当初の合意は履行する計画。

 対照的に、高級EVメーカーではるルーシッドは、減収と損失拡大を報告。今年の車両台数の予測を従来の1万台から8000-8500台に下方修正している。今年中に納入可能な車両を考慮したものだとしているが、同社の顧客の多くはサウジアラビア政府および一般の富裕層向けだ。ルーシッドは最近サウジアラビアに工場を開設し、アリゾナ州で製造した車両キットを出荷し、その後組み立てて納入する。

 リビアンはEVピックアップトラックとバンに注力しており、その価格は約7万3000ドルからとなっている。現在の経済環境下で売るにはかなり厳しいものだが、ルーシッドはさらに苦境に立たされており、ルーシッド・エアの価格は約10万ドルからだ。

 アナリストは、ルーシッドのローリンソンCEOに、消費者がクレジットで購入することを難しくしている現在の金利情勢を考えると、同社が野望を修正するきっかけは何かと尋ねた。それに対して同CEOは「われわれは非常に慎重であり、わが社のCFOは最適化において素晴らしい仕事をしている」と述べるに留めている。

 「車の製造効率、運転資本、在庫など、ビジネスのあらゆる側面からあらゆる手段を検討している。われわれはまた、納車数を向上させるために狂気の沙汰のように邁進している。2024年下半期に発売予定の電気自動車SUV『グラビティ』は変革的な製品であり、かなり大きなポテンシャルを持つ」と付け加えた。

 今年のEV市場が減速している中で、両社にとって多額の設備投資コストは、将来の収益性において投資家を神経質にさせている。リビアンはコスト削減に非常に注力していると述べているが、先月、追加で15億ドルを私募で調達すると発表し投資家を驚かせた。

 どちらのEVメーカーへの投資も慎重な投資家には向かないが、リビアンは現在の経済情勢の中でヒットを持続させ、より堅実なビジネスを持っているように見えるが、同じことがルーシッドにも当てはまるとは限らない。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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