【今週の注目材料】米経済の底堅さ示すか、小売売上高 & 金利打ち止めに向けたヒントは、米FOMC議事要旨
【今週の注目材料】米経済の底堅さ示すか、小売売上高 & 金利打ち止めに向けたヒントは、米FOMC議事要旨
15日に7月の米小売売上高が発表されます。前回は市場予想の前月比+0.5%を下回る+0.2%に留まりました。ガソリンスタンド売上が-1.4%、建材・園芸用品が-1.2%と冴えず、全体を押し下げました。一方、無店舗小売が+1.9%、家具が+1.1%と好調で3か月連続でプラス圏を維持。GDPの個人消費との相関があるとされるコア売上高(自動車、ガソリン、建材、外食を除いたもの)は+0.6%と5月の+0.3%(速報時の+0.2%から上方修正)から伸びています。
コア売上高の堅調さに示される個人消費の底堅さが、7月27日に発表された第2四半期GDPでの個人消費の市場予想+1.2%を超える+1.6%の伸びにつながり、GDP全体も第1四半期の+2.0%から+1.8%へ伸び鈍化見込みに反して+2.4%と伸びが強まる結果につながったと見られます。
個人消費動向に大きな影響を与える雇用状況を見ると、4日に発表された7月の非農業部門雇用者数が前月比+18.7万人と市場予想を下回り、6月の数字も+20.9万人から+18.5万人に下方修正されました。+18.5万人は2020年12月以来の弱い伸びです。一方で失業率は6月の3.6%から予想外に3.5%へ低下。平均時給が前月比、前年比ともに市場予想を上回るなど、底堅さも示しました。一時の勢いは減退も、堅調な雇用情勢という印象を与えるもので、個人消費にも好影響と期待されます。
今回の予想は前月比+0.4%と前回の+0.2%を超える伸びが見込まれています。変動の激しい自動車及び同部品を除いた数字も前月比+0.4%と前回の+0.2%から伸びが強まる見込みです。
こうした小売売上の堅調な状況は、米GDPの約7割とかなりの部分を占める米個人消費への期待につながり、ドルを支える材料になります。もっとも伸び自体は落ち着いており、米経済はうまくソフトランディングに向かっているという期待に沿った形となりそうです。
ただ、比較的市場予想からのブレがある指標という点にも要注意です。
16日(日本時間17日午前3時)には、7月25・26日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が発表されます。7月の米FOMCでは市場予想通り0.25%の利上げとなりました。米FRBは昨年3月のFOMCで利上げを再開して以来10会合続けて利上げを実施した後、6月のFOMCで利上げを見送りました。もっとも物価が鈍化傾向にあるとはいえ、インフレターゲットにはまだかなり遠いという状況を受けて、7月に利上げを再開しました。6月の会合で示されたFOMC参加メンバーによる政策金利見通しでは、年末までに後2回の利上げ見通しが示されており、7月の利上げプラスあと1回の利上げとなっていました。7月のFOMCではパウエル議長が「引き続きデータに依存するアプローチで臨む」「先行きの政策何も決定しておらず、9月の利上げを実施する可能性も、実施しない可能性もともにある」と発言していました。目立ったサプライズはありませんでしたが、比較的中立な姿勢に戻ったという印象を与えました。10日に発表された7月の米消費者物価指数(CPI)が、ガソリン価格の上昇などから6月からは上昇も市場予想に届かない伸びに留まったこともあり、今回の議事要旨で金利据え置きについてどのような意見が出ていたのかが注目されます。議事要旨の結果、7月のFOMCをもって利上げ打ち止めとの期待が広がるようだと、ドル売りにつながる可能性があります。もっとも基本的には利上げ継続の可能性を意識した内容となっている可能性が高いと見られます。市場の想定を外れた内容が出ない限り、ドル高傾向が続くと予想されます。
なお、NY連銀のウィリアムズ総裁は7日付の米紙インタビューで利下げが来年始まる可能性に言及しました。今回の議事要旨で利下げ関連の発言が何か見られるようだとサプライズとなり、大きなドル売りも期待されます。ただ、可能性としては相当低いと見られます。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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