ダウ平均は上げ幅を拡大 米国債利回りが上げ一服=米国株後半
NY株式3日(NY時間15:43)
ダウ平均 33354.13(+350.56 +1.06%)
ナスダック 11679.77(+216.79 +1.89%)
CME日経平均先物 28195(大証終比:+295 +1.05%)
NY時間の終盤に入って、ダウ平均は上げ幅を拡大する動きが続いており、一時400ドル超上昇する場面が見られた。きょうのNY株式市場でダウ平均は大幅続伸。本日は米国債利回りの上げが一服し、株式市場をサポートしている。
この日発表のISM製造業景気指数はFRBのタカ派姿勢を裏付ける内容となり、株式市場もネガティブな反応を示したものの、一時的な反応に留まった。その動を見てダウ平均は上げ幅を伸ばす展開となっている模様。今週の主要株価指数はいまのところプラスで推移している。
米10年債利回りは重要な水準である4%を再び下回っており、株式市場をサポート。市場は4%を株価が再び下落するきっかけとなる重要な水準として注目している。
市場からは「株式市場は米国債利回りに非常に敏感になっており、最近の利回り上昇に一服感を求めている。先月は強い米経済指標が発表になっていたが、今後発表の雇用とインフレの指標に神経質になっており、それが冷却傾向を取り戻すまでは株式市場が持続的に牽引されることはない」との指摘も出ている。
株式市場はFRBの利上げの道筋について熟考している。前日はボスティック・アトランタ連銀総裁が、利上げ幅を、他の一部のFOMC委員が支持する計0.50%ポイントではなく、0.25%ポイントに抑えられると考えていると述べていた。
株式市場もこの発言を好感していたようだが、その後に伝わったウォーラーFRB理事のコメントは、インフレが冷え込まない場合はターミナルレート(最終到達点)が上昇する可能性を警告していた。ウォーラー理事は51万7000人の雇用増を示した前回の米雇用統計や、消費者物価指数(CPI)、個人消費支出について言及し、「これらのデータが熱すぎる状態が続けば、政策金利を今年さらに引き上げなければならない」と述べている。
市場からは「FRBがどんなにゆっくりやっても、やりたいことを伝えても、異常な緩和状態の撤回という甌穴(おうけつ)を避けることはできない。これほど長い間、低金利と量的緩和(QE)に依存し、薬漬けになっている場合、緩和解除の適切なタイミングは決して訪れない」との声も聞かれた。
会員制倉庫スーパーのコストコ<COST>が決算を受け下落。既存店売上高や売上高は若干予想を下回った。米国が予想ほど伸びなかった。また、2月単月の既存店売上高も公表し、3.5%増と市場予想(4.7%増)を下回った。
半導体ソリューションを手掛けるマーベル・テクノロジー<MRVL>が決算を受け下落。好調な決算ではあったものの、市場は第1四半期のガイダンスを嫌気している。
C3・ai<AI>が決算を受け大幅高。同社は人工知能(AI)のアプリケーションを迅速に展開できるSaaSアプリケーションを提供。通期の売上高見通しを上方修正した。同社のシーベルCEOは「前年と比較して事業環境が劇的に変化している」と指摘。
半導体のブロードコム<AVGO>が決算を受け上昇。インフラ需要が引き続き堅調だった。
サイバーセキュリティのゼットスケーラー<ZS>が決算を受け大幅安。好調な決算ではあったものの、ビリング(未収請求を考慮した売上高)に弱さの兆しがあるとの指摘が出ていた。
電気自動車(EV)のリビアン・オートモーティブ<RIVN>が上昇。同社が従業員に対し、年内に6万2000台のEVを生産する可能性があると述べた。同社は今週の決算発表のガイダンスで5万台という予測を公表し、株価は下落していた。
マーベル<MRVL> 44.05(-2.19 -4.73%)
コストコ<COST> 475.63(-10.06 -2.07%)
C3.ai<AI> 28.78(+7.47 +35.05%)
ブロードコム<AVGO> 634.77(+36.12 +6.03%)
ゼットスケーラー<ZS> 119.79(-14.34 -10.69%)
リビアン<RIVN> 16.90(+1.18 +7.49%)
アップル<AAPL> 150.87(+4.96 +3.40%)
マイクロソフト<MSFT> 255.12(+4.01 +1.60%)
アマゾン<AMZN> 94.79(+2.66 +2.89%)
アルファベットC<GOOG> 93.86(+1.55 +1.67%)
テスラ<TSLA> 197.80(+6.90 +3.61%)
メタ・プラットフォームズ<META> 184.96(+10.43 +5.98%)
AMD<AMD> 81.42(+0.98 +1.21%)
エヌビディア<NVDA> 237.80(+4.66 +2.00%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。