FRBの利上げで恩恵を受ける6つのETF=米国株個別
先日の米雇用統計やインフレ指標を通過し、市場は再びFRBの利上げに焦点をシフトさせている。市場では3月、5月のFOMCでの利上げが確実視されているほか、6月の利上げの可能性も織り込み始めている。一方、年内の利下げ期待は大きく後退している状況。一般的にタカ派的なFRBの金融政策はヘルスケアや産業、公益事業、金融などのディフェンシブ銘柄をサポートすると言われている。
アナリストが、FRBの利上げで恩恵を受ける6つのETF(上場投資信託)を挙げている。配当や品質、低ボラティリティに焦点を当てたリスクオフ環境で良く機能するETFがピックアップされている。
*アンプリファイCWPエンハンスト・ディビデンド・インカム<DIVO>
このETFは配当または株主への還元に十分なキャッシュを獲得している成熟企業に投資。金利上昇との正の相関は90%に近い
*パーサー・グローバル・キャッシュ・カウズ・配当<GCOW>
金利上昇との正の相関が88%で、高いフリーキャッシュフロー利回りに裏付けられた高配当利回りを持つグローバル企業、または1株当たりの時価総額に対してより多くの現金を生み出している企業へのエクスポージャーを提供。
*ウィズダムツリー米国クオリティ配当グロース・ファンド<DGRW>
ウィズダムツリー米国配当グロース指数の価格および利回りと連動。成長志向で、金利上昇から87%の追い風を受ける。マイクロソフト<MSFT>、アップル<AAPL>のような売上げが安定しているIT・ハイテク企業だけでなく、コカ・コーラ<KO>やフィリップ・モリス<PM>のような消費者向けディフェンシブ銘柄にも投資。
*フランクリン・インターナショナル低ボラティリティ高配当<LVHI>
高金利との正の相関が86%で、日本と英国の高利回りかつ低ボラティリティの企業へのエクスポージャーを約30%組み入れ。ETFの標準偏差は15.61で、S&P500の21.34よりも低くなっている。セクターウエイトは、シンガポールのDBS銀行など、主に金融サービス企業に傾斜している。
*ハートフォード・マルチファクター・米国株<ROUS>
金利上昇との正の相関が84%。保有銘柄の中でバリュー・ファクターへのエクスポージャーが最も高く、次いでモメンタム、クオリティのファクターとなっている。マイクロソフト<MSFT>やバークシャー・ハサウェイ <BRK.B>などのテクノロジーや金融サービス企業にウェートを置いている。
*プロシェアーズ・ショート20年超米国債<TBF>
実質インプライドFF金利の上昇に82%の正の相関を持つ。20年超米国債指数の日時運用実績の逆に連動。利上げ局面では、期間の長い債券よりも期間の短い債券のほうが利回りが上昇しやすく、これがパフォーマンスを牽引。短期売買のための非常にリスクが高い。毎日リバランスされるため、1日以上資金を預けておくべきではない。
(NY時間15:07)
アンプリファイCWP<DIVO> 35.82(+0.09 +0.24%)
パーサー・グローバル<GCOW> 33.61(+0.05 +0.15%)
ウィズダムツリー<DGRW> 62.70(+0.13 +0.20%)
フランクリン<LVHI> 27.15(+0.15 +0.56%)
ハートフォード・マルチファクター<ROUS> 40.62(+0.04 +0.10%)
プロシェアーズ・ショート20年超米国債<TBF> 22.21(-0.09 -0.41%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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