好調な業績を背景に産業株への期待も=米国株個別
S&P500が下落する中、産業株は比較的横ばいで推移している。投資家がIT・ハイテク株以外の幅広い循環株に注目しており、収益がリセッション(景気後退)に耐えることができれば、産業株はアウトパフォームを継続することができるとの指摘も出ているようだ。産業株は2022年に約7%下落したが、S&P500の19%安をアウトパフォームしている。
このセクターが上昇すれば、株価指数も上昇する可能性があり、産業株が比較的堅調なのはIT・ハイテクからの資金シフトが背景にあるという。
産業株は機械、航空、鉄道、防衛など多様なセクターであり、構成銘柄の多くはインフレ、サプライチェーン問題、消費需要の減退など世界的な逆風に圧迫されやすい。しかし、その中にはそれなりに強い見通しを示した企業もあり、最も優れた企業の1つであった農業機械のディア<DE>は11月の決算発表で、農家の所得の高騰がトラクター需要を刺激し、2023年に過去最高益を記録するとの見通しを示した。また、ノースロップ・グラマン<NOC>とロッキード<LMT>は、防衛分野の回復を背景に、このセクターで最も優れた業績を上げた2社となっている。
産業株の利益はS&P500企業全体よりも良好に推移しており、11月1日以降の12カ月先の予想ベースの1株利益は1.1%上昇したのに対し、S&P500企業は約0.7%減少した。同セクターの12カ月先の予想ベースのPERは18.1倍で、過去5年平均の19倍よりも若干割安となっている。
(NY時間13:11)
ディア<DE> 421.66(-7.10 -1.66%)
キャタピラー<CAT> 238.02(-1.55 -0.64%)
ボーイング<BA> 193.24(+2.75 +1.44%)
ノースロップ・グラマン<NOC> 539.83(-5.78 -1.06%)
ロッキード・マーチン<LMT> 475.50(-10.99 -2.26%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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