マスク氏が世界１位の富豪の座から陥落

　テスラ＜TSLA＞、ツイッター、スペースＸのＣＥＯを務めるマスク氏が世界１位の富豪の座から陥落した。かつて３４００億ドルもの資産を保有していたマスク氏だが、アルノー氏に世界一の座を奪われた。ブルームバーグが、同社が算出しているビリオネア指数から伝えた。

　マスク氏の財産は１月以降１０００億ドル以上減少し、１６３１億ドルとなり、現時点でアルノー氏の純資産１７０６億ドルを下回っているという。アルノー氏はファッション大手ＬＶＭＨの４８％を所有している。

　マスク氏のランキング首位陥落は、２０２１年９月に２位になって以来初めてのことで、波乱の１年を象徴している。４月にツイッターを４４０億ドルで非公開化を提案し、世界に衝撃を与えた。しかし、この合意は、ＦＲＢの積極利上げと重なり、テスラのような高成長企業の評価を引き下げた時期と重なった。テスラ株は今年５０％超下落している。

　マスク氏はツイッターの買収から手を引こうとしたが失敗。４月に約８５億ドル、８月に６９億ドルと１５０億ドル以上のテスラ株を売却し、買収に必要な資金を調達している。

　ツイッターは今後、今年の純利益の３分の１を超える年間利息負担に直面するが、銀行団はマスク氏の高金利負担の一部を置き換えるため、テスラ株を担保にした新たな信用貸付を行うことを検討している。