アナログ・デバイセズが好決算も下落 不安定な状況が受注に影響し始めたとの警告を嫌気=米国株個別
半導体のアナログ・デバイセズ<ADI>が取引開始前に5-7月期決算(第3四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。第4四半期の見通しについても、予想を上回る1株利益の見通しを示している。ただ、株価は冴えない反応。不安定な経済状況が受注に影響し始めたと警告したことが嫌気されている模様。
同社のロシュCEOは声明で、「景気の不透明感が予約に影響を与え始めている」と述べた。一方で、「需要が供給を上回り続け、受注残も増加し、好調な1年の締めくくりへの道が開かれた」とも語った。
今年の同社株は他の半導体企業の株価をアウトパフォームし、前日終値まで1.9%上昇していた。その間のフィラデルフィア半導体指数(SOX)は約23%下落。同社の決算への本日の市場の反応は冷ややかだが、同社は第3四半期の実績と第4四半期の見通しの両方で予想を上回っており、インテル<INTC>やマイクロン<MU>、エヌビディア<NVDA>などとは対照的ではある。
同社のラジャCFOは「マクロ環境を強く意識し、これまで以上に保守的になっているが、強い需要を享受している。マクロ環境と無縁ではいられないが、他の企業と同レベルの軟化は見られていない」と述べていた。
(5-7月・第3四半期)
・1株利益(調整後):2.52ドル(予想:2.44ドル)
・売上高:31.1億ドル(予想:30.5億ドル)
産業用:15.6億ドル(予想:15.1億ドル)
通信:4.91億ドル(予想:4.70億ドル)
自動車機器:6.59億ドル(予想:6.25億ドル)
消費関連:4.05億ドル(予想:3.75億ドル)
・粗利益率(調整後):74.1%(予想:74.1%)
・営業利益率(調整後):50.1%(予想:49.5%)
(8-10月・第4四半期見通し)
・1株利益(調整後):2.47~2.67ドル(予想:2.50ドル)
・売上高:30.5~32.5億ドル(予想:31.0億ドル)
(NY時間10:51)
アナログ・デバイセズ<ADI> 168.62(-10.42 -5.82%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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