「進むドル高・リラ安、金融政策スタンスの印象格差広がる」トルコリラの焦点

マネ育チャンネル 2021/06/21(月) 13:35

トルコリラの焦点

先週のトルコリラ相場は、対ドル、対円ともに下落。対ドルでは18日に8.7448リラ前後まで下落して5月に付けた史上最安値の8.7786リラ前後に迫った。

トルコ中銀は17日の会合で政策金利を19.00％に据え置き、「インフレが顕著に低下するまで『引き締め的』な金融政策姿勢を『断固として』維持する」と表明。以前よりタカ派姿勢を強めたが、リラ安に歯止めはかからなかった。エルドアン大統領の圧力による利下げ観測を払拭できなかったようで、市場にはトルコ中銀が8月にも利下げに転じるとの観測がくすぶっている。

翌18日には米セントルイス連銀のブラード総裁が来年後半の利上げ開始に言及した事でドル高が進行するとともに株価が下落すると高金利通貨は軒並み売られ、リラにも下落圧力がかかった。

米連邦準備制度理事会（FRB）の利上げ観測とトルコ中銀の利下げ観測という「政策スタンスの印象格差」は、ドル高・トルコリラ安の流れを加速させかねない。今後の相場展開には注意が必要となりそうだ。

【トルコリラ/円(TRY/JPY) 日足】

トルコリラ円　日足