米債利回りが低下しドル買いに調整
米債利回りが低下しドル買いに調整
3年債入札の好調さなども利回り低下に寄与
ドル円は約9か月ぶりの109円20銭台までの上昇で一服感も
【東京市場】ドル高円安とまらず
米債利回りの上昇期待などを受けたドル全面高基調が止まらず、ドル円は朝方、NY市場で上値を抑えた109円ちょうどを超えてドル買い円売りが進行。109円10銭台に。その後は高値圏もみ合いの中、109円23銭まで上値を伸ばす展開に。ユーロドルが1.1836を付けるなど、午前中はドル全面高基調が目立つ展開となった。
昨日1.6%超えを付けていた米10年債利回りが1.561%前後まで低下したこともあり、その後ドル全面高の動きは落ち着き、ユーロドルが1.18台後半へ上昇するなどの動きも、午後に入って日経平均に買いが入り、アジア株も序盤の下げ分を取り戻して上昇する動きとなったことで、リスク選好の円売りが強まる形でドル円はしっかりの展開。高値圏もみ合いが続く格好となった。
【ロンドン市場】ドル高に調整強まる
東京昼前から進んだ米債利回りの調整がもう一段強まり、10年債利回りが1.52%前後まで落とす中で
ドル高に対する調整の動きが広がった。ドル円は109円の大台を割り込むと短期的なストップを巻き込んで108円50銭台まで。
ユーロドルが1.18台から1.19台に乗せるなど、ドル全面安の流れに。
東京市場で約9か月ぶりとなる109円20銭台まで上昇したことで、一服感も出ていたと見られる。
【NY市場】ドル安基調継続、米3年債入札が好調
朝方いったんドルの買い戻しが入り109円近くまでドル円は上昇も、
その後再び売りが強まり、ロンドン市場では下値を支えた108円台半ば手前の買いを崩して108円台半ば割れまで。
米債利回りの低下がドル売りにつながる格好。注目された3年債入札は応札倍率が前回をしっかり超える好調なものとなり
債券価格上昇(利回り低下)に寄与。
【本日の見通し】ドル高基調継続も警戒感
ドル高基調自体は継続期待が強いが、目先調整の動きが広がっている。
米債利回りの上昇が一服しており、ドル高に一服感。
昨日の3年債に続いて、今晩は10年債入札が控えており、結果次第では利回りの大きな変動も。
昨日の3年債入札の好調さから、好調な結果が見込まれ、債券利回りはもう一段の下げとなる可能性。
この場合ドル円などでの調整の動きがもう一段強まる可能性も。
ただ先月26日の7年債入札の不調のように、予想外の不調となる可能性は否定できない。
波乱含みだけに慎重な見極めが必要。
【本日の戦略】押し目買い
流れはまだ上方向か。
目先は調整主体で、押し目が期待される展開。
スウィングはじっくりとした買い下がりを意識。
107円80銭を割り込むといったんストップロスという印象。
デイトレは難しいところだが、買いからの回転がまだ基調か。
見切りも利食いも早めに。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《3/9 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 108.89 1.1847 129.00
高値 109.23 1.1916 129.55
安値 108.42 1.1836 128.94
終値 108.48 1.1901 129.10
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《3/9 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 29027.94 +284.69
DOW 31832.74 +30.30
S&P 3875.44 +54.09
Nasdaq 13073.82 +464.66
FTSE 6730.34 +11.21
DAX 14437.94 +57.03
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《3/9 火曜日の商品市場》
NY原油先物4月限(WTI)(終値)
1バレル=64.01(-1.04 -1.60%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1716.90(+38.90 +2.32%)
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《3/9 火曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
GDP2次速報値(2020年第4四半期)08:50
結果 2.8%
予想 3.0% 前回 3.0%(前期比)
結果 11.7%
予想 12.6% 前回 12.7%(前期比年率)
結果 0.3%
予想 0.2% 前回 0.2%(GDPデフレータ・前年比)
マネーストックM2(2月)08:50
結果 9.6%
予想 9.5% 前回 9.4%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ経常収支(1月)16:00
結果 169.0億ユーロ
予想 218.0億ユーロ 前回 259.0億ユーロ(282.0億ユーロから修正)
ドイツ貿易収支(1月)16:00
結果 143.0億ユーロ
予想 145.0億ユーロ 前回 152.0億ユーロ(148.0億ユーロから修正)
ユーロ圏GDP・確報値(第4四半期)19:00
結果 -0.7%
予想 -0.6% 前回 -0.6%(前期比)
結果 -4.9%
予想 -5.0% 前回 -5.0%(前年比)
【南アフリカ】
GDP(第4四半期)18:30
結果 6.3%
予想 5.6% 前回 67.3%(66.1%から修正)(前期比年率)
結果 -4.1%
予想 -4.6% 前回 -6.2%(-6.0%から修正)(前年比)
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《3/9 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*ビルロワデガロー仏中銀総裁
2021年GDP成長は少なくとも5%に達する見込み。
リセッションは過去のものとなった。
【その他】
*OECD経済見通し
2021年の世界経済成長率見通しを5.6%に上方修正(従来4.2%)
2022年は4.0%に上方修正(従来3.7%)
2021年のユーロ圏経済成長見通しを3.9%に上方修正(従来3.6%)
2021年の米国経済成長見通しを6.5%に上方修正(従来3.2%)
2021年の日本経済成長見通しを2.7%に上方修正(従来2.3%)
2021年の英国経済成長見通しを5.1%に上方修正(従来4.2%)
2021年の中国経済成長見通しを7.8%に下方修正(従来8.0%)
2021年のインド経済成長見通しを12.6%に上方修正(従来7.9%)
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《本日予定されている主な経済指標》
【中国】
消費者物価指数(2月)10:30
予想 -0.3% 前回 -0.3%(前年比)
生産者物価指数(2月)10:30
予想 1.5% 前回 0.3%(前年比)
【トルコ】
失業率(1月)16:00
予想 13.5% 前回 12.9%
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(5日までの週)21:00
予想 N/A 前回 0.5%(前週比)
消費者物価指数(2月) 22:30
予想 0.4% 前回 0.3%(前月比)
予想 1.7% 前回 1.4%(前年比)
予想 0.2% 前回 0.0%(食品エネルギー除くコア・前月比)
予想 1.4% 前回 1.4%(食品エネルギー除くコア・前年比)
【カナダ】
カナダ中銀政策金利 11日0:00
予想 0.25% 現行 0.25%
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員