【新春特集】2020年のドル円は? 米中通商問題と大統領選挙
あけましておめでとうございます。
さて、昨年2019年は変動相場制が始まって以来もっともドル円の値幅が狭い年となりました。
レンジはわずか7円94銭。8円にも届かずというレンジです。
実はそれまでの記録は一昨年でこちらは10円に届かず。二年続けての狭いレンジで
よく言えば安定的(値動きを狙う投資家層からすればつまらない)相場展開となっています。
米中通商摩擦問題が長引き、合意期待から上を期待も、上値トライには慎重という流れ。
米国の3度の利下げも、他の主要通貨よりも高い水準を維持したこと、
株高などのドル買い要因と、金利の低下というドル売り要因が、動きを相殺したことなどが
ドル円の膠着につながった格好です。
では米中協議の第一弾原則合意がなされ、今月にも調印という期待が広がっている2020年はどうなるでしょうか。
今年は米大統領選があり、一方中国は来年共産党創立100年の節目を迎えるという中で
両国とも景気鈍化を避けたい思惑もあり、第一弾はあっさり調印され、通商関係はある程度の改善が見込まれるところで
ドル円に関しては昨年以上に上方向の期待が強まりそうです。
一方で気になるのが今年最大の材料となりそうば米大統領選の行方。
相場への影響とスケジュールについて以下にまとめます。
基本的にはトランプ大統領が再選を決めるとドル買いの材料になります。
誰になるかわかりませんが、民主党候補との接戦が見込まれると
11月3日の選挙当日(日本時間では4日になってから)の投票締め切り前後から動きが強まり、
各州の情勢が判明し、次期大統領が確定するころまで超短期的な影響が見られ、
その後も中長期にわたって影響が続く形になります。
どの程度のインパクトになるのかは対立候補次第という面があります。
現状で支持率トップに立つバイデン前副大統領のように、
ある程度政治手腕もわかっており、主張も中道に近い穏やかな候補が対立候補となった場合
影響は限定的に。
逆に超富裕層への富裕税を主張するなど過激な主張が目立つウォーレン上院議員などが対立候補となった場合
トランプ氏勝利で安心感からドルが大きく上昇するケースもありそうです。
民主党候補が勝った場合は、その逆。
基本的にドル売り材料も、バイデン氏の場合は、影響が限定的、ウォーレン上院議員やサンダース上院議員だと影響は大きくなりそうです。
こうした状況から、2月3日より始まる民主党候補者争いから市場は状況を注視する形となります。
3月3日のスーパーチューズデーあたりを一つの節目に
民主党候補が決まるまである程度の相場の動きが見込まれます。
その後は、決定した民主党候補とトランプ大統領の支持率争いを見ながら相場の動きが出そう。
本番までに大差がつくようだと織り込みが進みますが、
そもそもよっぽどのことがない限り民主党候補が勝つ州、共和党候補が勝つ州がそれぞれかなりあるだけに、
毎回ある程度の接戦(本番での逆転がある程度という意味です)が見込まれるだけに
11月まで影響が残りそう。
なんだかんだ言っても現職大統領は優位ですし、
トランプ大統領、いろいろ言われていますが支持率はそこそこあります
(トランプ大統領の直近支持率は44.3、オバマ大統領の第1期の同時期は46.4なのでほぼ並んでいます)
これを考えると、トランプ大統領が優位ですが、選挙ばっかりはやってみないとというところが大きいです。
MINKABU PRESS 山岡和雅

執筆者 : MINKABU PRESS
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