FOMC受けドル円は上に往って来い オープンとの見方に変化はない=NY為替後半
NY時間の終盤に入ってドル円は上に往って来いの動きが見られた。午後にFOMCの結果が発表されたが、政策金利は予想通りに0.25%の利下げを実施してきた。一方、声明では「適切に行動」との文言を削除し、「不確実性は残る。適切な金利の道筋を精査」と言及していた。
2名のFOMCメンバーが据え置きを主張したこともあり、その後のパウエルFRB議長の会見でも「いまの政策スタンスが適切であり続ける可能性」と述べたことで市場は、12月の追加緩和の可能性をやや後退させ、為替市場はドル買いの反応が見られた。
ドル円もストップを巻き込んで109.30円近辺まで上昇していたが、市場では中立スタンスとの見方が次第に強まり、今度はドルの戻り売りが強まった。嵐雲が形成された場合、FRBは対応することを示唆しているとの見方も出ている模様。このところFRBは、市場フレンドリーになっているところもあり、FRBは常にオープンとの見方に変化はないようだ。
ドル円は109.30円近辺まで一時上昇し、200日線を上回っていたが、維持できずに108円台後半に戻す展開。
朝方に第3四半期のGDPが発表になり予想を上回ったものの特に材料視されていない。設備投資は軟化していたものの、個人消費や純輸出が予想を上回り相殺していた。FOMCを控えていたこともあり、特に為替市場の反応は限定的だった。
ユーロドルは1.11ドル台半ばまで上昇。FOMCを受けてドル売りの動きが見られており、ユーロドルは買い戻しを強めている。100日線が1.1125ドル付近に来ており、その水準を回復している。ユーロドルは10月に入ってからのリバウンドの流れが続いており、それを反映してオプション市場でもユーロドルが上昇を見込む取引が増え始めている。本格的なリバウンド相場への期待も出てきているようだが、ユーロドルの上昇はユーロ買いというよりは9月までのドル買いが後退していることによる面が大きい。
リスク回避の雰囲気から先月までドル買いが強まっていtがあ、貿易問題や世界経済の減速、そして、英EU離脱などのリスクを考慮すれば、ドル売りに伴うユーロドルの持続的上昇には懐疑的な見方も少なくないようだ。
ポンドドルは1.2850ドル付近まで値を落としていたが、FOMCを通過して1.29ドル台に戻す動き。
きょうはカナダ中銀が政策委員会を開催していたが、その結果を受けてカナダドルの売りが強まっている。政策は予想通りに据え置きだったが、声明から「政策金利は刺激的」との文言を削除しており、「カナダ経済の回復力が益々試される」と言及していたことで、将来の利下げの可能性を示唆したハト派な印象が強まった模様。カナダ円は一時82円台半ばまで下落。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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