ダウ平均は上昇に転じる 米政府機関閉鎖も楽観的な見方も=米国株序盤
NY株式1日(NY時間11:58)(日本時間00:58)
ダウ平均 46472.71(+74.82 +0.16%)
ナスダック 22693.10(+33.09 +0.15%)
CME日経平均先物 44870(大証終比:+330 +0.74%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は上昇。序盤は軟調な動きが見られたものの、プラスに転じている。序盤の下げは米政府機関の閉鎖が影響。ただ、事前に警戒していたこともあり、米株式市場は下げ渋る展開を見せている。
比較的短期に留まるとの楽観的な見方も出ているようだ。つなぎ予算案に3名の民主党議員が賛成票を投じたことや、さらに5人の上院民主党議員は閉鎖に不快感を示していた。予算通過には民主党の賛成が8名以上必要な状況。
加えて、共和党指導部がすでに医療制度をめぐる交渉に前向きな姿勢を示していることを踏まえると、今回の閉鎖は比較的短期で終わると考えているようだ。
ただ、今回は数多くの経済要因も重なり、リスクが大きいとも言われている。労働市場の減速やインフレ懸念、歴史的な高バリュエーションが投資家心理を圧迫しているという。また、議会予算局(CBO)は閉鎖により約75万人の連邦職員が一時休職になると推定しているが、トランプ大統領が恒久的な大量解雇に言及しているが、もし、それが実施されれば、新たな経済リスクも加わる。
長期化すれば、10月29日のFOMCに向けた重要な経済指標の公表が遅れる恐れもある。労働省は金曜日から事実上の全業務停止を発表しており、9月の米雇用統計は公表されない見通し。本日も一部指標の発表が延期された。閉鎖によりFRBは、不完全な情報に基づいて政策判断を迫られる。市場は年内あと1回か2回の利下げを予想している状況。
その意味でもこの日発表の9月のADP雇用統計は注目されていたが、雇用者数が予想外の減少となった。前回分も減少に下方修正されている。雇用の冷え込みを完全に示唆する内容ではあるが、市場は年内2回の利下げ期待を再び高めたこともあり、米株式市場はネガティブな反応は見せていない。
ナイキ<NKE>が決算を受け上昇。1株利益、売上高とも予想を上回った。北米、卸売が予想を上回る売上を計上した。今回の決算はヒルCEOの再建努力が成果を上げ始めていることを示した。
カナダの資源会社リチウム・アメリカズ<LAC>が大幅高。米政府が同社株を取得することで合意した。米エネルギー省のライト長官が明らかにした。
バイオテクノロジーのエナンタ・ファーマ<ENTA>が大幅続落。増資計画を発表した。650万株を1株10ドルで発行する。総調達額は6500万ドルで10月2日に終了予定。価格は前日終値に対して16%のディスカウントを示す。
再生可能エネルギーのAES<AES>が大幅高。ブラックロック<BLK>傘下のグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(GIP)が、同社を近く買収する見通しだと伝わった。
半導体のマーベル・テクノロジー<MRVL>が下落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げ、目標株価を従来の90ドルから85ドルに引き下げた。
住宅用太陽光発電のサンラン<RUN>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を従来の11ドルから21ドルに引き上げた。
ナイキ<NKE> 73.60(+3.87 +5.55%)
リチウム・アメリカズ<LAC> 7.21(+1.50 +26.30%)
エナンタ・ファーマ<ENTA> 10.81(-1.16 -9.69%)
AES<AES> 15.33(+2.17 +16.45%)
マーベル<MRVL> 81.94(-2.13 -2.54%)
サンラン<RUN> 18.74(+1.45 +8.39%)
アップル<AAPL> 256.00(+1.37 +0.54%)
マイクロソフト<MSFT> 513.75(-4.21 -0.81%)
アマゾン<AMZN> 220.94(+1.37 +0.62%)
アルファベットC<GOOG> 243.07(-0.48 -0.20%)
アルファベットA<GOOGL> 242.40(-0.71 -0.29%)
テスラ<TSLA> 454.88(+10.16 +2.28%)
エヌビディア<NVDA> 187.26(+0.68 +0.36%)
メタ<META> 716.80(-17.58 -2.39%)
AMD<AMD> 162.55(+0.76 +0.47%)
イーライリリー<LLY> 812.77(+49.77 +6.52%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。