ダウ平均、3日ぶり反落 トランプ関税で利益確定売り 決算に向けた調整の意味合いも=米国株序盤
NY株式11日(NY時間11:47)(日本時間00:47)
ダウ平均 44339.65(-310.99 -0.70%)
ナスダック 20628.55(-2.11 -0.01%)
CME日経平均先物 39550(大証終比:+40 +0.10%)
きょうのNY株式市場、ダウ平均は3日ぶりに反落。トランプ大統領がカナダに対する35%の関税を発表し、他国にも一律で、より高い関税を課す可能性を示唆したことが最高値にある米株式市場の利益確定売りを誘っている模様。
大統領はカナダへの関税引き上げの理由としてフェンタニルを挙げ、「もし、カナダがフェンタニルの流入阻止で協力するなら、この書簡の内容を見直すことも考える」と投稿した。さらに、大統領はインタビューで、残りの国々に対して15-20%の一律関税を計画していると述べた。これは、投資家が慣れつつあった現行の10%の標準税率よりも高い水準。
投資家はまもなく発表されると見られているEUに対する関税措置を待っているが、カナダに対するような新税率の発表があるのか、進捗状況の説明に留まるかは不明。
関税に関するトランプ大統領の強硬姿勢は続いているが、市場は神経質にはなっているものの、過敏な反応までは見せておらず、行方を見守っている状況。本日は下落しているが、米株式市場は再び最高値圏にある中、本日は来週から始まる決算に向けた調整の意味合いも大きいとの指摘も出ている。
「この株高を持続させるには、経済の回復力が続く必要がある。構造的に、われわれはまだそこに到達していない。ファンダメンタルズ的にも、まだ十分とは言えない。アウトパフォームし続けるには、マクロ経済指標が持ち堪えると同時に、FRBが利下げに踏み切る必要がある」との声も出ている。「いずれか一方だけでは不十分」だとも述べた。
ジーンズのリーバイ・ストラウス<LEVI>が決算を受け上昇。1株利益、売上高とも予想を上回ったほか、通期ガイダンスも公表し、1株利益、売上高の見通しを上方修正した。
エアロバイロンメント<AVAV>やクラトス<KTOS>などドローン関連銘柄が上昇。ヘグセス米国防長官が、ドローンの生産と配備を加速させる命令を発令したと伝わった。
バイオ医薬品のカプリコー・セラピューティクス<CAPR>が急落。FDAが同社の筋疾患治療薬を却下した。
食品卸のパフォーマンス・フード<PFGC>が上昇。同業のUSフーズ<USFD>から買収の打診を受けたと伝わった。実現すれば、約1000億ドルを売り上げる食品流通大手が誕生する。
映画館のAMCエンターテインメント<AMC>が大幅高。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を従来の3ドルから4ドルに引き上げた。
リーバイス<LEVI> 21.94(+2.21 +11.20%)
エアロバイロンメント<AVAV> 258.95(+21.38 +9.00%)
クラトス<KTOS> 51.49(+5.22 +11.28%)
レッド・キャット<RCAT> 8.27(+1.49 +21.93%)
カプリコー<CAPR> 7.90(-3.50 -30.74%)
パフォーマンス・フード<PFGC> 95.34(+4.91 +5.43%)
USフーズ<USFD> 80.24(-0.01 -0.01%)
AMC<AMC> 3.29(+0.29 +9.50%)
アップル<AAPL> 210.76(-1.65 -0.78%)
マイクロソフト<MSFT> 503.85(+2.37 +0.47%)
アマゾン<AMZN> 225.44(+3.18 +1.43%)
アルファベットC<GOOG> 181.33(+2.63 +1.47%)
アルファベットA<GOOGL> 180.30(+2.68 +1.51%)
テスラ<TSLA> 308.60(-1.27 -0.41%)
エヌビディア<NVDA> 166.79(+2.69 +1.64%)
メタ<META> 719.14(-8.10 -1.11%)
AMD<AMD> 145.48(+1.32 +0.92%)
イーライリリー<LLY> 783.19(-7.46 -0.94%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。