リスク回避ムード広がる、ドル円は日銀総裁会見後に円売り一巡 157円付近へ=ロンドン為替概況
リスク回避ムード広がる、ドル円は日銀総裁会見後に円売り一巡 157円付近へ=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、リスク回避ムードが広がっている。欧州株が大幅安となっている。特に仏政情不安を反映して仏CAC指数が2%超安と売りを主導、年初来で下げに転じている。今週は週明けから欧州議会選での独仏与党勢力の敗北が話題となっているが、週末にかけても市場に影を落としている。ユーロドルは1.07台前半から1.06台後半へと下落。ポンドドルも1.27台半ばから一時1.27台割れまでユーロに連れ安。クロス円も全面安となっており、ユーロ円は169円台後半から167円台半ばへと2円超の大幅安。ポンド円は201円台後半から199円台前半まで下落した。ドル円は東京市場での上げを帳消しにしている。日銀決定会合で国債購入減額が次回7月の検討と先送りされると、円売りが強まり157台割れから158円台乗せへと上伸。しかし、植田日銀総裁会見で、「最近の円安の動きは物価の上振れ要因であり、政策運営上、十分注視」「7月に経済・物価のデータ次第で短期金利を引き上げること当然ありうる」などと述べたことで円売りは一巡。さらにリスク回避の円買い圧力が加わり再び157円割れ水準へと押し戻されている。
ドル円は157円付近での取引。東京昼頃に一時つけた156.87近辺を安値に、日銀決定会合結果を受けて158.26近辺まで上昇。植田日銀総裁会見中は157円台後半にかけて売買が交錯。その後、欧州株安を受けてリスク回避圧力が広がると再び157円台割れまで下落。上に往って来いとなっている。
ユーロドルは1.07付近での取引。東京市場では前日終値付近での揉み合いのなかで、一時1.0745近辺の高値をつけた。その後、ロンドン時間に入ると下放れの動きとなり、安値を1.0672近辺まで広げている。足元では下げ渋りの動き。ユーロ円は前日終値168.61付近で東京早朝の取引を開始。日銀決定会合で円売りが強まるとロンドン早朝には169.80近辺に高値を伸ばした。ロンドン時間に入ると一転して売られ、安値を167.53近辺まで広げる動き。対ポンドでは小幅の上下動で方向性は希薄。
ポンドドルは1.27付近での取引。東京市場で1.2750-60レベルで揉み合ったあとは、ユーロドルとともに下落している。ロンドン序盤に1.2693近辺まで安値を広げた。ポンド円は前日終値200.41付近でこの日の取引を開始。東京昼過ぎの日銀決定会合後に買いが強まると201.62近辺まで上伸。その後はロンドン時間に入ると一転して売りが強まっている。足元では安値を199.25近辺に広げている。ユーロポンドは0.8397-0.8424レンジで下に往って来いと方向性に欠ける動き。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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