ダウ平均は一時500ドル近く下落 ファースト・リパブリックに再び売り=米国株前半
NY株式17日(NY時間13:27)
ダウ平均 31918.05(-328.50 -1.02%)
ナスダック 11647.03(-70.25 -0.60%)
CME日経平均先物 26855(大証終比:-175 -0.65%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は大幅反落。一時500ドル近く下落する場面も見られた。ファースト・リパブリック<FRC>が再び売られていることも雰囲気を悪化させている。前日は複数の金融機関がファースト・リパブリックの支援に合意したことで、市場はひとまず落ち着きを取り戻した。
しかし、懸念は根強い。米銀行への最後の貸し手であるFRBが前日に連銀貸出の結果を発表していたが、2つの貸出制度を通じて3月15日までの1週間で計1648億ドルを貸し出していた。2008年の金融危機時に記録した1110億ドルを上回っている。これはSVBの破綻で米中小金融機関の資金調達状況が悪化したことを示す。
また、今後、金融機関の融資基準が厳格化されることが予想され、中小企業を始めとした米企業の資金繰りが悪化し、経済全体へのマイナス面も指摘されている。
FRBは来週にFOMCを開催するが、0.25%ポイントの利上げが有力視され、現状は70%程度の確率で市場は織り込んでいる。しかし、その後については慎重なアプローチも強調してくるのではとの見方もあるようだ。ただ、早期利下げ開始の選択肢までは、いまのところ有力視されていない。
ただ、波乱の1週間だったにもかかわらず、意外にも株価指数は週足陽線で終わりそうだ。一部からは「市場には押し目買いがある。地銀の危機は経済と市場にとって大きなマイナス要因だが、2008年のリーマンショックとは違い、危機前に存在した過大な負担はサブプライムローンではなく、過度にタカ派で不合理なFRBだ」といった声も出ている。
「FRBの引き締めサイクルのたびに経済の弱点が露呈するが、今回、われわれが経験したのは、米連邦預金保険公社(FDIC)の大失態だ。FRBが何を言うかを確認するまでは少し慎重になることを推奨する」といった声も出ていた。
一方、悲観的な見方は相変わらず多い。「市場はまだ悲観シナリオを十分に織り込んではおらず、上値での戻り待ちの売りを推奨する」といった声も出ている。
ファースト・リパブリック<FRC>に再び売りが強まり大幅安。アナリストからは「今回の支援は投資家の懸念払拭に役立つだろうが、FRBからの新規資金は市場金利で追加されていることから、同銀の収益力は今後、打撃を受ける可能性がある」といった指摘が出ている。
フェデックス<FDX>が上昇。前日引け後に決算を発表し、需要の弱さを指摘したものの、通期の1株利益の見通しを上方修正しており、コスト削減が定着したことが好感されている模様。
ファースト・リパブリック<FRC> 25.40(-8.87 -25.88%)
フェデックス<FDX> 221.87(+17.82 +8.73%)
アップル<AAPL> 155.54(-0.31 -0.20%)
マイクロソフト<MSFT> 280.15(+3.95 +1.43%)
アマゾン<AMZN> 98.61(-1.43 -1.43%)
アルファベットC<GOOG> 102.28(+1.21 +1.19%)
テスラ<TSLA> 179.88(-4.25 -2.31%)
メタ・プラットフォームズ<META> 199.11(-5.82 -2.84%)
AMD<AMD> 97.09(+0.49 +0.51%)
エヌビディア<NVDA> 259.06(+3.65 +1.43%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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