UPSは良好な決算も株価は冴えない反応=米国株個別
貨物輸送のUPS<UPS>が取引開始前に1-3月期決算(第1四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。米国内の小包が好調だった。通期見通しも公表しており、従来の見通しを再確認したほか、自社株買い目標を20億ドルに倍増する意向を示した。
同社は配達料金を引き上げ、より利益率の高い中小企業に焦点を当てた。小包をより効率的に配送し、低収益の貨物部門を切り離すことで利益率を補強した。トームCEOは声明で「弊社のネットワークの俊敏性と戦略の継続的な実行により、第1四半期も好調な業績を達成することができた」と述べた。
良好な決算ではあったものの、株価は冴えない反応。値上げと効率化で相殺したものの、荷物の配達量は減少し、コストが上昇したことが嫌気されている模様。パンデミック時の電子商取引ブームが後退し始めるにつれ、同社が直面している課題が今回の決算には表れたとの指摘も出ている。
(1-3月・第1四半期)
・1株利益(調整後):3.05ドル(予想:2.88ドル)
・売上高:243.8億ドル(予想:238.0億ドル)
米国内小包:151.2億ドル(予想:148.4億ドル)
国際小包:48.8億ドル(予想:48.7億ドル)
サプライチェーン・ソリューション:43.8億ドル(予想:39.7億ドル)
(通期見通し)
・売上高:1020億ドル(従来:約1020億ドル)(予想:1021億ドル)
・営業利益率(調整後):約13.7%(予想:13.2%)
・設備投資:約55億ドル(予想:49.6億ドル)
(NY時間10:31)
UPS<UPS> 183.43(-6.21 -3.27%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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