日本銀行櫻井審議委員 予想物価上昇率をある程度のプラスに維持するよう、金融政策面から下支え
日本銀行金融政策委員会の櫻井審議委員が福井県金融経済懇談会であいさつ。その要旨を発表した。
海外経済
新型コロナウイルスの感染拡大の影響が短期間でほぼ全世界に。拡大ペース過去に比べて急速、経済への影響も深刻。
世界経済と貿易は依然として低水準。先行きの感染拡大・収束は不確実性高く、世界経済に一段の下振れの可能性。
経済活動は全体として底打ちからやや持ち直しへ。先行きの構造変化の方向性を的確に見極めること重要。
国内経済
当面は感染拡大の抑制と経済活動拡大の両立を模索
回復にはある程度の時間を有する。
今後、経済が徐々に回復過程に入るとのシナリオは一定の蓋然性を有する。
「所得から支出への好循環」を取り戻すに当たって重要な点は、「予想」物価上昇率をある程度のプラスに維持するよう、金融政策面から下支えすること
物価
足元下押し圧力がかなり強い。当面物価は弱めの動きを続けると予想
「なぜ物価上昇率が加速しなくなってきたのか」という点は、改めて真摯に検討すべき課題
実際の物価上昇が鈍くても、「予想」物価上昇率をある程度のプラスに維持しておくことが、民間部門の前向きな支出行動を確保する観点から重要
金融政策
政府や主要中央銀行との適切な協力体制の下で、金融市場の安定を保ちつつ、「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」ため、
適時適切な対応を行っていきたい。
感染症収束後にわが国経済が再び前向きな循環を取り戻し、新たな経済構造のもとで持続的な成長を続けることを期待。

執筆者 : MINKABU PRESS
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