大統領選候補者テレビ討論会後にややドル売りも続かず
大統領選候補者テレビ討論会後にややドル売りも続かず
ユーロドルはその後1.16台まで値を落とすなど、リスク警戒の動きも
欧州株軟調も米株が盛り返す
【東京市場】大統領選討論会後にややドル売り
ドル円は一時105円80銭近辺と直近高値圏まで上昇も、その後ドル安円高の流れが強まった。
朝方は月末のゴトウビということもあり実需がらみの買いが出たことや、前日の市場で105円台半ばからがしっかりとしており、ドル買いが出やすい地合いとなっていたことなどを受けて、ドル買い円売りの動きが優勢に。ドル円は直近頭を抑えてた105円70銭台の売りをこなしてポイントとされた105円80銭を付ける動きをみせるなど、午前10時から始まった第1回大統領候補者テレビ討論会が始まるまでは堅調な地合いとなった。
討論会が進むにつれてドル売りの動きが広がり、討論会後もドル売りの動きが優勢に。注目の討論会自体はお互いの主張と相手への非難が目立つ展開。司会者が運営に苦労する場面も見られた。
討論会後の緊急調査ではバイデン氏が優勢という見方がやや優勢に。目立ったアピールポイントがあったわけではないが、失点も目立たず、落ち着いたしっかりした受け答えが目立ったことで、老齢などの批判が後退した格好に。この結果を受けて米株先物が売られ、日経平均も300円を超える下げとなるなど、株安の動きが優勢に。ドル円ではドル安円高の動きが目立った。
【ロンドン市場】欧州株軟調も、リスク回避のドル買い
大統領討論会後は株安の動き。
ただ、東京市場では円高が目立ったが、その後はドル高が優勢となり
ユーロドルが一時1.17を割り込む動きを見せた。
ドル円はもみあい。下値は105円44銭までで、105円70銭前後まで値を戻すなど、
東京午後の下げ分をほぼ解消する動きを見せた。
【NY市場】調整ムード
動きは見られるも方向感のない流れ。
ドル円は105円台半ばを挟んでのもみ合い
やや頭が重くなったものの105円40銭前後がしっかり。
ユーロドルはロンドン市場の安値を割り込み、午前中に1.1685を付ける動きを見せたが、
その後ドル売りの動きが一気に強まり1.1750超えなど不安定な動きに。
ロンドンフィックスがらみでユーロ買いドル売りの注文が入ったとみられ
ロンドンフィキシングの時間を過ぎると上値が重くなった。
【本日の見通し】ISMなど注目
大統領討論会出の反応はまちまちも、大勢に影響はなさそうで
11月の本番に向けた神経質な動きが継続か。
バイデン前副大統領が優勢をキープしているが、4年前に同じような情勢からトランプ大統領が逆転したこともあり
市場は依然先行き不透明との姿勢を崩していない。
大統領選がらみの反応が一服で、
市場の注目は今日のISM製造業景気指数、明日の米雇用統計に。
ISMはこのところ強めの数字が続いているが
中西部を中心として新型コロナウイルスの感染拡大懸念が継続する中で新規受注などはやや期待先行の面が懸念される。
また雇用部門は50割れが続いており、このあたりの数字が弱めに出てくると
要注意が必要か。
数字次第では一気にリスク警戒の動きにつながる可能性も。
【本日の戦略】ドル買い意識
ややリスク警戒の動きが強そう。
東京市場は円買いの流れも、その後ドル買いの動きが強まる展開か。
ドル円では動きが出にくいがユーロドルなどは素直にドル買いの期待も。
ドル円はレンジ取引を意識、ユーロドルなどは戻り売りが基本か。
ただ、明日の雇用統計を前に無理は禁物でストップを早めに。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《9/30 水曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 105.66 1.1744 124.08
高値 105.80 1.1755 124.25
安値 105.40 1.1685 123.53
終値 105.48 1.1721 123.65
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《9/30 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23185.12 -353.98
DOW 27781.70 +329.04
S&P 3363.00 +27.53
Nasdaq 11167.51 +82.26
FTSE 5866.10 -31.40
DAX 12760.73 -65.09
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《9/30 水曜日の商品市場》
NY原油先物11月限(WTI)(終値)
1バレル=40.22(+0.93 +2.37%)
NY金先物12月限(COMEX)(終値)
1オンス=1895.50(-7.70 -0.40%)
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《9/30 水曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
鉱工業生産(速報値)(8月)08:50
結果 1.7%
予想 1.4% 前回 8.7%(前月比)
結果 -13.3%
予想 -13.4% 前回 -15.5%(前年比)
景気動向指数(確報値)(7月)14:00
結果 86.7
予想 前回 83.8(86.9から修正)(景気先行指数)
結果 78.3
予想 前回 74.4(76.2から修正)(景気一致指数)
【中国】
製造業PMI(購買担当者景気指数)(9月)10:00
結果 51.5
予想 51.3 前回 51.0(製造業PMI(購買担当者指数))
【英国】
実質GDP(確報値)(2021年第2四半期)15:00
結果 -19.8%
予想 -20.4% 前回 -20.4%(前期比)
結果 -21.5%
予想 -21.7% 前回 -21.7%(前年比)
経常収支(2021年第2四半期)15:00
結果 -28.0億ポンド
予想 -8.0億ポンド 前回 -208.0億ポンド(-211.0億ポンドから修正)
ネーションワイド住宅価格指数(9月)15:00
結果 0.9%
予想 0.5% 前回 2.0%(前月比)
結果 5.0%
予想 4.5% 前回 3.7%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ小売売上高(8月)15:00
結果 3.1%
予想 0.4% 前回 -0.2%(-0.9%から修正)(前月比)
結果 3.7%
予想 4.2% 前回 5.0%(4.2%から修正)(前年比)
ドイツ雇用統計(9月)16:55
結果 6.3%
予想 6.4% 前回 6.4%(失業率)
結果 -0.8万人
予想 -0.7万人 前回 -0.9万人(失業者数)
【スイス】
KOFスイス先行指数(9月)16:00
結果 113.8
予想 106.0 前回 110.2
【南アフリカ】
消費者物価指数(8月)17:00
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 1.3%(前月比)
結果 3.1%
予想 3.2% 前回 3.2%(前年比)
貿易収支(8月)21:00
結果 389.0億ランド
予想 297.0億ランド 前回 372.0億ランド(374.0億ランドから修正)(貿易収支)
【香港】
小売売上高(8月)17:30
結果 -13.1%
予想 -17.5% 前回 -23.1%(価額ベース)
結果 -13.4%
予想 -15.9% 前回 -23.8%(-23.9%から修正)(数量ベース)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(09/19 – 09/25)20:00
結果 -4.8%
予想 N/A 前回 6.8%(前週比)
ADP雇用者数(9月)21:15
結果 74.9万人
予想 64.9万人 前回 48.1万人(42.8万人から修正)(前月比)
シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(9月)21:24
結果 62.4
予想 52.0 前回 51.2(シカゴ購買部協会景気指数(PMI))
実質GDP(確報値)(2021年第2四半期)21:30
結果 -31.4%
予想 -31.7% 前回 -31.7%(実質GDP)
結果 -33.2%
予想 -34.1% 前回 -34.1%(個人消費)
結果 -1.8%
予想 -2.0% 前回 -2.0%(GDPデフレータ)
結果 -0.8%
予想 -1.0% 前回 -1.0%(PCEコアデフレータ)
中古住宅販売成約指数(8月)23:00
結果 8.8%
予想 3.1% 前回 5.9%(前月比)
結果 20.5%
予想 17.6% 前回 15.4%(前年比)
【ブラジル】
雇用統計(7月)21:00
結果 13.8%
予想 13.7% 前回 13.3%(失業率)
【カナダ】
実質GDP(7月)21:30
結果 3.0%
予想 2.9% 前回 6.5%(実質GDP(前月比))
結果 -5.0%
予想 -5.3% 前回 -7.8%(前年比)
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《9/30 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*米CBS世論調査
大統領選候補者討論会 バイデン氏48%、トランプ氏41%
【ユーロ圏】
*ラガルドECB総裁
低インフレは根本的な課題突き付ける。
金融政策の戦略見直しはまだ結論に至らず。
インフレ率がある程度の期間中銀の目標を下回った場合に、
それを埋め合わせる政策について、戦略検証の一環として検討してもよい。
*ミュラー・エストニア中銀総裁
ユーロの見通しについて懸念していない。
経済回復は以前ほどの速いペースは続かないだろう。
*カジミール・スロバキア中銀総裁
デフレ・リスクの見通しは均衡している。
*レーン・フィンランド中銀総裁
ECBはデフレが長期化の恐れを管理可能としてきた。
インフレに関するリスクは引き続き緩慢。
【英国】
*ホールデン英中銀委員
英中銀の議事録はマイナス金利が差し迫っていること示さず。
マイナス金利の3条件いずれも満たしていない。
マイナス金利に関する作業は数カ月を要するだろう。
第3四半期末のGDPはコロナ前の水準を3-4%下回るだろう。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
日銀短観(第3四半期)8:50
予想 -24 前回 -34(大企業製造業・業況判断)
予想 -16 前回 -27(大企業製造業・先行き)
予想 -9 前回 -17(大企業非製造業・業況判断)
予想 -7 前回 -14(大企業非製造業・先行き)
予想 0.5% 前回 3.2%(大企業全産業・設備投資)
【スイス】
小売売上高(8月)15:30
予想 N/A 前回 4.1%(前年比)
消費者物価指数(9月)15:30
予想 0.0% 前回 0.0%(前月比)
予想 -0.8% 前回 -0.9%(前年比)
SVME購買担当者景況指数(9月)16:30
予想 54.0 前回 51.8
【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI・確報値(9月)16:55
予想 56.6 前回 56.6
ユーロ圏製造業PMI・確報値(9月)17:00
予想 53.7 前回 53.7
ユーロ圏失業率(8月)18:00
予想 8.1% 前回 7.9%
ユーロ圏生産者物価指数(8月)18:00
予想 0.1% 前回 0.6%(前月比)
予想 -2.7% 前回 -3.3%(前年比)
【英国】
CIPS製造業PMI・確報値(9月)17:30
予想 54.3 前回 54.3
【米国】
個人支出(8月)21:30
予想 0.8% 前回 1.9%(前月比)
個人所得(8月)21:30
予想 -2.5% 前回 0.4%(前月比)
PCEデフレータ(8月)21:30
予想 1.2% 前回 1.0%(前年比)
PCEコアデフレータ(8月)21:30
予想 1.4% 前回 1.3%(前年比)
新規失業保険申請件数(26日までの週)21:30
予想 85万件 前回 87万件(前週比)
製造業PMI・確報値(9月)22:45
予想 53.5 前回 53.5
建設支出(8月)23:00
予想 0.7% 前回 0.1%(前月比)
ISM製造業景気指数(9月)23:00
予想 56.4 前回 56.0
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員