リスク選好のドル安円安、ドル円107円台付けるも大台維持出来ず
リスク選好のドル安円安、ドル円107円台付けるも大台維持出来ず
クロス円しっ借り、ユーロ円一時126円台後半に
【東京市場】ややドル売り優勢
13日の東京市場でリスク選好からのドル売りも限定的な動きにとどまった。
ユーロドルが昨日海外市場の高値に並ぶ1.1817を付け、その後も1.18台での推移が続くなど、しっかりの展開に。
クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が昨日、米中の貿易合意は順調と発言したことなどを受けて、
警戒感がやや後退し、リスク選好からのドル売りの動きにつながっている。
昨日一時107円台を付けたドル円は106円台後半での推移。
107円台を付けた後すぐに調整が入り、その後NY昼にかけてのドル買い円売り局面が106円98銭までにとどまったことなどが、
ドル円の重石となった。
朝からやや頭の重い展開で106円80銭台から106円60銭前後まで下落。もっとも安値はそこまで。
その後は106円60-80銭のレンジ取引が続く展開に。
【ロンドン市場】円安ドル安
欧州通貨高の流れで円安ドル安。株高などが背景に。NY原油も上昇しており、
リスク選好の動きが全般に優勢となった。
ユーロドルは1.18ちょうど近辺がしっかりで1.18台半ばに。
ポンドドルも1.31台に乗せる動きを見せた。
ドル円は106円台後半でのしっかりとした推移だが、円安ドル安の中で値幅は限定的に。
【NY市場】ドル円107円台付ける動き
朝方と夕方に107円台を付ける動きを見せた。
株高の動きが円売り同売りを誘う展開も、
NY市場に入ってユーロドルの買いが失速。少し調整ムードに。
クロス円もロンドン市場から少し調整が入っており、
全般に行き過ぎた動きへの警戒感が出ていた。
【本日の見通し】ドル円の上値期待継続
水曜日、木曜日と107円台をトライしつつも、大台超えでの買いには慎重という流れ。
ただ、押し目が限定的で上を依然として意識する展開が続く。
クロス円もしっかりで、リスク選好の流れが継続している。
ドル円は107円台にしっかり乗せて107円20銭近辺を付けに行くとレンジが切り上がりそう。
107円台半ばから108円にかけては売りが出るとみられ、大きな材料がない限り一気の上昇も難しそうだが
下がると買いが出る流れが続いているだけに、期待はまだまだ上方向か。
【本日の戦略】押し目買い
押し目では買いに回ってみたい。
前回、前々回と一気に回復し、新型コロナウイルス前の水準に戻している米小売売上高は
今回も伸び自体は縮むもののしっかりとしたプラス圏が見込まれており、
ドル買い円売りに寄与してくる可能性。
デイトレも買いからの回転を意識。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《8/13 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 106.91 1.1784 125.98
高値 107.05 1.1864 126.76
安値 106.57 1.1782 125.92
終値 106.93 1.1814 126.32
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《8/13 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23249.61 +405.65
DOW 27896.72 -80.12
S&P 3373.43 -6.92
Nasdaq 11042.50 +30.26
FTSE 6185.62 -94.50
DAX 12993.71 -64.92
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《8/13 木曜日の商品市場》
NY原油先物9月限(WTI)(終値)
1バレル=42.24(-0.43 -1.01%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1970.40(+21.40 +1.10%)
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《8/13 木曜日に発表された主な経済指標》
【英国】
RICS住宅価格指数(7月)08:01
結果 12.0%
予想 -5.0% 前回 -13.0%(-15.0%から修正)
【日本】
国内企業物価(7月)08:50
結果 -0.9%
予想 -1.1% 前回 -1.6%(前年比)
結果 0.6%
予想 0.4% 前回 0.6%(前月比)
【豪州】
雇用統計(7月)10:30
結果 11.47万人
予想 3.0万人 前回 21.08万人(雇用者数)
結果 7.5%
予想 7.8% 前回 7.4%(失業率)
【ユーロ圏】
消費者物価指数(確報)(7月)15:00
結果 -0.5%
予想 -0.5% 前回 -0.5%(前月比)
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前年比)
調和消費者物価指数(確報)(7月)15:00
結果 0.0%
予想 0.0% 前回 0.0%(前年比)
結果 -0.5%
予想 -0.5% 前回 -0.5%(前月比)
卸売物価指数(7月)15:00
結果 -2.6%
予想 前回 -3.3%(前年比)
結果 0.5%
予想 前回 0.6%(前月比)
【米国】
新規失業保険申請件数(08/02 – 08/08)21:30
結果 96.3万件
予想 110.0万件 前回 119.1万件(118.6万件から修正)(前週比)
結果 1548.6万件
予想 1580.0万件 前回 1609.0万件(1610.7万件から修正)(継続受給者数)
輸入物価指数(7月)21:30
結果 0.7%
予想 0.6% 前回 1.4%(前月比)
結果 -3.3%
予想 -3.1% 前回 -3.9%(-3.8%から修正)(前年比)
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《8/13 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【NZ】
*バスカンドNZ中銀副総裁
感染拡大でロックダウンが長期化する場合、NZ中銀は金融刺激策の追加を検討せざるを得なくなる。
【米国】
*トランプ米大統領
自分が大統領に再選すれば、ドルは相当強くなるだろう。
*米30年債入札結果
最高落札利回り 1.406%(WI:1.382%)
応札倍率 2.14倍(前回:2.50倍)
*クドロー米国家経済会議(NEC)委員長
米国の借入能力はまだ、限界に近づいていない。
中途半端で小規模な刺激策には関心がない。
Tiktokの買い手は中国からの安全を担保する必要。
給与税免除期間は自営業者も該当する。
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
パンデミック時の財政支援策は非常に重要。
追加の支援策が出ることを期待。
FRBの政策とツールは限られている。
財政政策は、金融政策が行き届かない点を支援。
構造的な人種差別主義は経済を阻害する。
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《本日予定されている主な経済指標》
【中国】
鉱工業生産(7月)11:00
予想 5.1% 前回 4.8%(前年比)
予想 -0.4% 前回 -1.3%(年初来・前年比)
小売売上高(7月)11:00
予想 0.1% 前回 -1.8%(前年比)
予想 -9.3% 前回 -11.4%(年初来・前年比)
【日本】
第3次産業活動指数(6月)13:30
予想 6.4% 前回 -2.1%(前月比)
【インド】
卸売物価指数(7月)15:30
予想 -0.54% 前回 -1.81%(前年比)
【香港】
GDP・改定値(第2四半期)17:30
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前期比)
予想 -9.0% 前回 -9.0%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏GDP・改定値(第2四半期)18:00
予想 -12.1% 前回 -12.1%(前期比)
予想 -15.0% 前回 -15.0%(前年比)
ユーロ圏貿易収支(6月)18:00
予想 N/A 前回 94.0億ユーロ(季調前)
予想 145億ユーロ 前回 80.0億ユーロ(季調済)
【米国】
小売売上高(7月)21:30
予想 2.1% 前回 7.5%(前月比)
予想 1.3% 前回 7.3%(自動車除くコア・前月比)
設備稼働率(7月)22:15
予想 70.3% 前回 68.6%(前月比)
鉱工業生産(7月)22:15
予想 3.0% 前回 5.4%(前月比)
企業在庫(6月)23:00
予想 -1.1% 前回 -2.3%(前月比)
ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値(8月)23:00
予想 72.0 前回 72.5
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員