米株崩れ、リスク選好の動き
米株崩れ、リスク選好の動き
ダウ平均一時1900ドル超の下げ、二番底懸念広がる
米国での新型コロナウイルス感染拡大が再び強まる勢いを見せている
【東京市場】一時円高強まる
午前中はドル売り円買いの動きが優勢に。ドル円はNY市場での安値を割り込んで106円90銭台を付けると、107円ちょうどが重くなる形で安値圏もみ合い。もっとも106円90銭から下の売りには慎重。後場に入って日経平均が下げ幅を広げたこともあり、106円90銭を再度付けたが、その後は一転して買い戻しに。
午前中のドル売りはFOMCで2022年末までのゼロ金利政策の維持見通しが強まったことなどが背景に。米国での新型コロナウイルスの感染者が200万人を超えて、第2波への懸念が広がったことなどもドル売りを誘った。
午後に入るとドル買いの動きが優勢に。朝方はドル安の動きに1.1390台を付けていたユーロドルが1.1320台まで大きく売られるなどドルは全面高の動きに。
【ロンドン市場】ドル買い一服
ドル安の動きが広がった。
欧州株が下げ幅を広げる格好に。リスク回避のドル買いが優勢な展開。
ドル円は東京市場の安値を割り込んで売りが出る展開に。
その後少し買い戻しも頭の重い展開が続く。
ユーロドルは一時1.14台を付けるなどドル全面安の流れに。
【NY市場】米株の売りが一気に広がる
ダウ平均株価が一時1900ドルを超えるなど値を崩す展開となった。
ナスダックも大きく値を落とすなど、米株は大崩れの展開に。
FOMC後の株高が進まず、イベントクリアで株安の動き。
米国での新型コロナウイルスの感染者数が200万人を超えたことで
第2は警戒の動きが広がったこともリスク警戒を誘った。
ドル円は一時106円50銭台まで下落。その後は下げ渋りを見せるなど
為替市場への影響は限定的なものにとどまっている。
【本日の見通し】リスク警戒の動き
ドル円は106円50銭台まで値を落とした後を受けての展開。
米株の大きな崩れをどうとらえるかとなるが、
二番底への動きとすると戻りが相当鈍くなる可能性も。
107円ちょうど手前で上値を抑えられるようだと106円台でのレンジ取引から105円台トライを意識。
クロス円も軒並みの下げを警戒。
昨日200万の大台に乗った米国の新型コロナ。流行拡大一服の場面で警戒が緩みすぎたのか
カリフォルニアやテキサスなどで感染者がかなり増えており、警戒感が広がっている。
当面はリスク警戒が優勢。
【本日の戦略】戻り売り
リスク警戒の円買いの動きが継続。
ドル円は107円ちょうど前後の重さを確認する展開となりそう。
デイトレは106円台後半を売って107円台をしっかり回復でストップが基本となりそうだが
下部の割には下げていないあたりをどこまで考慮するか。レンジの見極めが重要に。
スウィングは少し売り上がりたい。無理をせず。107円台半ば超えからはストップ。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《6/11 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 107.12 1.1374 121.85
高値 107.23 1.1404 121.95
安値 106.58 1.1289 120.66
終値 106.87 1.1299 120.74
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《6/11 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 22472.91 -652.04
DOW 25128.17 -1861.82
S&P 3002.10 -188.04
Nasdaq 9492.73 -527.62
FTSE 6076.70 -252.43
DAX 11970.29 -559.87
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《6/11 木曜日の商品市場》
NY原油先物7月限(WTI)(終値)
1バレル=36.34(-3.26 -8.23%)
NY金先物8 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1739.80(+19.10 +1.11%)
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《6/11 木曜日に発表された主な経済指標》
【南アフリカ】
製造業生産高(3月)20:00
結果 -1.2%
予想 -3.1% 前回 -2.3%(前月比)
【米国】
新規失業保険申請件数(05/31 – 06/06)21:30
結果 154.2万件
予想 155.0万件 前回 189.7万件(187.7万件から修正)(前週比)
生産者物価指数(5月)21:30
結果 0.4%
予想 0.1% 前回 -1.3%(前月比)
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 -0.3%(コア・前月比)
結果 -0.8%
予想 -1.2% 前回 -1.2%(前年比)
結果 0.3%
予想 0.4% 前回 0.6%(コア・前年比)
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《6/11 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*ルメール仏経財相、
フランス経済は2021年早々に強く回復すること可能
今年の夏には経済が正常な状況に戻るべき
*レーンECB専務理事
ウイルス感染にはECBの強いコンセンサスでの対応が必要だった。
ウイルス感染に対するECBのコンセンサスは高水準。
我々は全員緊急モードにある。
低インフレは資産購入を正当化。
ウイルス感染の拡大は反インフレ。
野心的な財政措置が必要。
*EUが域内の国境封鎖を15日に解除へ
EUはきょう、域内の国境封鎖を15日に解除するよう加盟国に勧告。
【日本】
*黒田日銀総裁
企業支援の着実な実施がまず重要
あらゆる手段を躊躇なく講じる
【米国】
*トランプ大統領
FRBはしばしば間違える。
ワクチンや新薬がまもなく出る。
2021年は過去最高の年の1つとなろう。
【英国】
*英首相と欧州委員長が6月15日に会談
*英国とEU、貿易協議の加速で合意
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
鉱工業生産・確報値(4月)13:30
予想 N/A 前回 -9.1%(前月比)
予想 N/A 前回 -14.4%(前年比)
設備稼働率(4月)13:30
予想 N/A 前回 -3.6%(前月比)
【英国】
鉱工業生産(4月)15:00
予想 -15.0% 前回 -4.2%(前月比)
予想 -19.3% 前回 -8.2%(前年比)
製造業生産高(4月)15:00
予想 -15.6% 前回 -4.6%(前月比)
予想 -19.9% 前回 -9.7%(前年比)
商品貿易収支(4月)15:00
予想 -110.00億ポンド 前回 -125.08億ポンド
【香港】
生産者物価指数(第1四半期)17:30
予想 N/A 前回 1.1%(前年比)
鉱工業生産(第1四半期)17:30
予想 N/A 前回 -0.5%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産(4月)18:00
予想 -20.0% 前回 -11.3%(前月比)
予想 -29.0% 前回 -12.9%(前年比)
【インド】
鉱工業生産(4月)21:00
予想 -45.0% 前回 -16.7%(前年比)
【米国】
輸入物価指数(5月)21:30
予想 0.7% 前回 -2.6%(前月比)
予想 -6.3% 前回 -6.8%(前年比)
ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値(6月)23:00
予想 75.0 前回 72.3
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員