ドル安円安加速

見通し 

ドル安円安加速

米中の対立が激化懸念が重石も、ドル円は下値しっかり

【東京市場】もみあい

 動意に乏しい展開。
この後の全人代での国家安全法採決などをにらむ展開。

 ドル円は朝方107円90銭まで上昇も、前日のレンジ内であり、
そこからの買いも見られず値を戻した。
 
 株高の流れが継続する中でクロス円はしっかり。
ユーロ円は今月の高値を更新する流れに。

【ロンドン市場】全人代無難に通過

 ドル安円安の動き。

 朝方はややユーロ安ポンド安の動きが見られたが
その後値を戻す展開に。

 欧州株の堅調な動きなどを受けて、リスク選好の動き

 全人代で国家安全法が可決されたが、すでに織り込み済みとして目立った動きにならず。

【NY市場】ドル安円安

 NY時間でドル円は107円60銭台を中心にほぼ膠着した展開となった。ユーロド
ルやポンドドルなどの上昇、ユーロ円やポンド円などの上昇が優勢で、ドル安円安の動
きが強まる中で、ドル円はドル売りと円売りに挟まれる形で、動きが膠着した。

 米株が引け前まで堅調。ダウ平均株価は寄り付き後にいったんマイナス圏も、その後
200ドル高近辺まで上昇を見せるなど、株高の動きが目立つ中で、リスク選好の円売
りに。一方でリスク選好がドルのひっ迫感後退を誘いドル売りにもつながるという流れ
が見られた。引けにかけてはポジション調整が強まり、マイナス圏に値を落とした。
 
 中国全人代最終日の28日、東京市場午後に採択された香港に対する国家安全法は、
圧倒的多数で賛成可決した。基本的に採決が否決されることはないということもあり、
織り込み済みであったあ、今後の米中関係などへの警戒感を誘う格好に。ドル円にとっ
ては若干のドル売り円買い材料となった。

 米国朝に発表された米第1四半期GDP改定値は速報値から下方修正、耐久財受注は
予想を下回り、新規失業保険申請件数はほぼ予想通りも直近10週で4000万件台に
乗せるなど、厳しい状況が示され他ことも、ドル円の重石。

 もっとも、下がったところでは買いが出る流れも継続。新型コロナウイルスの感染拡
大一服からの経済の再開期待が下値を支えている。

 ドル円を除くとドル全面安となったこともあり、ユーロドルはロンドン市場の1.1
0割れから、1.11に迫る動きを見せた。ユーロ円が118円50銭台から119円
40銭近くまで上昇するなど、ユーロは対ドル、対円ともに堅調。

 ドル安円安に加えて、27日に報じられていた7500億ユーロ規模の復興基金への
期待感などもユーロを支える格好に。

 ポンドドルはユーロにつれ高。1.2230台から1.2340台まで上値を伸ばす
展開となった。

【本日の見通し】流れどこまで

 ドル安円安の動きが広がり、ドル円は膠着も
ユーロドルとユーロ円がともに大きく上昇するなどの動きに。

 もっとも、リスク選好でのこうした動きがどこまで続くか。
昨日の中国の国家安全法可決を受けて
トランプ大統領は今日にも記者会見予定となっており、
何らかの制裁措置、おそらくは香港に対する優遇措置取りやめを正式に発表などの動きに。
この場合、同問題をあくまで内政問題としている中国の反発も必至で
米中対立が激化する可能性が高い。
この場合リスク選好がどこまで続くかは微妙で、これまでの流れに対する反発も。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《5/28 木曜日》
       ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  107.72  1.1006  118.54
高値  107.90  1.1093  119.40
安値  107.57  1.0992  118.40
終値  107.65  1.1077  119.24

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《5/28 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  21916.31 +497.08
DOW   25400.64 -147.63
S&P    3029.73 -6.40
Nasdaq  9368.99 -43.37
FTSE   6218.79 +74.54
DAX   11781.13 +123.44

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《5/28 木曜日の商品市場》

NY原油先物7月限(WTI)(終値)
1バレル=33.71(+0.90 +2.74%)
ブレント先物7月限(ICE)(終値)
1バレル=35.29(+0.55 +1.58%)
NY金先物8 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1728.30(+1.50 +0.09%)

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《5/28 木曜日に発表された主な経済指標》

【韓国】
韓国中銀政策金利 9:49
結果 0.50%
予想 0.50% 現行 0.75%

【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者信頼感・確報値(5月)18:00
結果 -18.8
予想 N/A 前回 -18.8

ドイツ消費者物価指数(速報)(5月)21:00
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 0.4%(前月比)
結果 0.6%
予想 0.6% 前回 0.9%(前年比)

ドイツ調和消費者物価指数(速報)(5月)21:00
結果 0.0%
予想 -0.1% 前回 0.4%(前月比)
結果 0.5%
予想 0.4% 前回 0.8%(前年比)

【南アフリカ】
生産者物価指数(3月)18:30
結果 0.1%
予想 0.1% 前回 0.3%(前月比)
結果 3.3%
予想 2.7% 前回 4.6%(前年比)

【ブラジル】
雇用統計(4月)21:00
結果 12.6%
予想 13.3% 前回 12.2%(失業率)

【米国】
実質GDP(改定値)(2020年第1四半期)21:30
結果 -5.0%
予想 -4.8% 前回 -4.8%(実質GDP)
結果 -6.8%
予想 -7.5% 前回 -7.6%(個人消費)
結果 1.4%
予想 1.3% 前回 1.3%(GDPデフレータ)
結果 1.6%
予想 1.8% 前回 1.8%(PCEコアデフレータ)

新規失業保険申請件数(05/17 – 05/23)21:30
結果 212.3万件
予想 210.0万件 前回 244.6万件(243.8万件から修正)(前週比)

耐久財受注(速報値)(4月)21:30
結果 -17.2%
予想 -19.1% 前回 -16.6%(-14.7%から修正)(前月比)
結果 -7.4%
予想 -15.0% 前回 -1.7%(-0.4%から修正)(コア・前月比)

中古住宅販売成約指数(4月)23:00
結果 -21.8%
予想 -15.0% 前回 -20.8%(前月比)

【カナダ】
経常収支(2020年第1四半期)21:30
結果 -111.0億カナダドル
予想 -100.1億カナダドル 前回 -87.6億カナダドル(経常収支)
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《5/28 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【米国】
*米下院、ウイグル人権法案を可決。

*米国、香港版国家安全法導入の動きについて国連安保理会合の開催を要請

*ウィリアムズNY連銀総裁
消費者心理は経済再開における大きなポイント
住宅市場は再開後活発に、住宅市場は新型コロナウイルスの影響を長くは受けない

*トランプ大統領
29日に中国に関する会見行う

【豪州】
*ロウ豪中銀総裁
豪経済は想定しているほどは深刻にはならない見込み
マイナス金利の可能性は非常に低い。
数年間は利上げはしないだろう。

【中国】
*習近平国家主席
中国軍に対し、戦いへの備えを強化せよと指示。
国家の安全、発展上の利益を守り、国家戦略の安定を維持する必要がある。

*在米中国大使館
香港の事案に関して外国からの干渉は認めない。
干渉するのであれば、我々は対抗措置を講じる

*中国 米国は南シナ海で平和と安定を損ねている

*中国全人代
香港国家安全法の制定方針を採択
香港国家安全法の制定方針、賛成2878票・反対1票

*李中国首相
新型コロナの世界的大流行、世界経済に深刻な影響
今年のGDP、プラス成長目指す
中国は年間目標の達成に自信
中国の2020年の政策は強力なものだ
特別な時には特別な政策を
中国の措置は現在の特異な局面で対象を絞ったものに
中国の政策は消費の押し上げに寄与する
経済を流動性であふれさせることはせず
中国経済の安定化は世界に貢献する
財政・金融政策には余力がある
中国の新型コロナ感染拡大はまだ終わっていない
中国はワクチンめぐり他国と協力する用意
中国は科学に基づく新型コロナ発生源の解明に同意
新型コロナに関して透明性保つ、隠蔽することはない
中国は香港の「一国二制度」を堅持
米中関係は新たな問題と課題に直面
米中は幅広い共同利益を共有
デカップリングは誰にとっても良くない、世界にも悪影響
米中は協力推進を
(全人代閉幕の記者会見)

【日本】
*政府月例経済報告
景気は「急速な悪化が続いており、極めて厳しい状況にある」、景気の総括判断据え置き
設備投資は「このところ弱含んでいる」、2カ月ぶり下方修正
雇用情勢は「弱さが増している」、3カ月連続下方修正
輸出は「急速に減少している」、2カ月連続下方修正
輸入は「感染症の影響は残るものの、このところ下げ止まりつつある」、2年5カ月ぶり上方修正
貿易サービス収支は「赤字」、国内企業物価は「下落」に変更

【その他】
*ロシア
新型コロナウイルス感染拡大を受け、7月12日に開催予定のBRICS首脳会議を延期

【英国】
*スナック英財務相
国内インフレは鈍化、雇用市場の弱さで
商品インフレは弱い需要と石油価格低下で低迷

*ソーンダーズ英中銀委員
ロックダウンの緩和で経済が幾分回復する公算
回復は緩やかになる可能性
英中銀にとって過剰な緩和のほうが、過小な緩和よりもより安全に
必要になれば、あとで引き締めを
資産買入策は財政ファイナンスには当たらない
英国には低インフレの罠に陥るリスクの可能性ある

マイナス金利導入については注意深い検討が必要に
マイナス金利導入の可否について、どちらも排除せず
ブレグジットに関する前提に変化はない
金利の中立水準は低下している
経済データが予想より改善しているのかどうかの判断は時期尚早
(質疑応答で)
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《本日予定されている主な経済指標》

【韓国】
鉱工業生産(4月)8:00
予想 -3.5% 前回 4.6%(前月比)

【日本】
失業率(4月)8:30
予想 2.7% 前回 2.5%

有効求人倍率(4月)8:30
予想 1.32 前回 1.39

鉱工業生産・速報値(4月)8:50
予想 -5.7% 前回 -3.7%(前月比)
予想 -10.6% 前回 -5.2%(前年比)

【ユーロ圏】
ドイツ小売売上高(4月)15:00
予想 -12.0% 前回 -4.0%(-5.6%から修正)(前月比)
予想 -14.0% 前回 -1.2%(-2.8%から修正)(前年比)

フランスGDP・確報値(第1四半期)15:45
予想 -5.8% 前回 -5.8%(前期比)
予想 -5.4% 前回 -5.4%(前年比)

ユーロ圏消費者物価指数・速報値(5月)18:00
予想 -0.1% 前回 0.3%(前月比)
予想 0.1% 前回 0.4%(前年比)
予想 0.8% 前回 0.9%(コア・前年比)

【スイス】
KOF先行指数(5月)16:00
予想 70.0 前回 63.5

【トルコ】
GDP(第1四半期)16:00
予想 4.8% 前回 6.0%(前年比)

【南アフリカ】
貿易収支(4月)21:00
予想 130億ランド 前回 242億ランド

【ブラジル】
GDP(第1四半期)21:00
予想 -1.5% 前回 0.5%(前期比)
予想 -0.3% 前回 1.7%(前年比)

【インド】
GDP(第1四半期)21:00
予想 1.3% 前回 4.7%(前年比)

【米国】
個人支出(4月)21:30
予想 -12.8% 前回 -7.5%(前月比)

個人所得(4月)21:30
予想 -6.3% 前回 -2.0%(前月比)

PCEコアデフレータ(4月)21:30
予想 -0.3% 前回 -0.1%(前月比)
予想 1.1% 前回 1.7%(前年比)

PCEデフレータ(4月)21:30
予想 0.5% 前回 1.3%(前年比)

卸売在庫・速報値(4月)21:30
予想 -0.7% 前回 -0.8%(前月比)

シカゴ購買部協会景気指数(5月)22:45
予想 40.0 前回 35.4
 
ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値(5月)23:00
予想 74.0 前回 73.7

【カナダ】
GDP 21:30
予想 -10.0% 前回 0.3%(前期比・第1四半期)
予想 -8.9% 前回 0.0%(前月比・3月)

鉱工業製品価格(4月)21:30
予想 -2.0% 前回 -0.9%(前月比)

原材料価格指数(4月)21:30
予想 N/A 前回 -15.6%(前月比)

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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