[資源・新興国通貨2/17~21の展望] NZドル:NZ中銀の次の一手は利上げ!?

達人の予想 

豪ドル

中国は豪州にとって最大の輸出先であり、中国景気の動向は豪経済に影響を与えます。そのため、新型コロナウイルスの感染拡大は豪ドルの下押し材料です。豪ドルは新型コロナウイルスに関する報道に引き続き反応しやすい地合いになりそうです。

20日、豪州の1月雇用統計が発表されます。RBA(豪中銀)は金融政策の決定において雇用情勢を注視する姿勢を示しており、今回の雇用統計の結果はRBAにとって3月3日の次回会合における重要な判断材料となりそうです。雇用統計、とりわけ失業率が上昇(悪化)した場合には、利下げ観測が高まり、豪ドルが軟調に推移する可能性があります。なお、市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場は7月までに利下げが行われる確率を約7割織り込んでいます(日本時間14日11:04時点)。

NZドル

RBNZ(NZ中銀)は12日、政策金利を過去最低の1.00%に据え置くことを決定しました。

声明は、「新型コロナウイルスの感染拡大がNZ経済に与える全般的な影響は短期的」との見方を示し、「NZの経済成長は2020年下半期に加速する」と予想。金融政策報告では、政策金利の見通しを以下のように2019年11月時点から上方修正しました。

<政策金利見通し>
( )は2019年11月時点の見通し
・2020年3月時点: 1.00%(0.90%)
・同6月時点:1.01%(0.90%)
・同9月時点:1.01%(0.90%)
・同12月時点:1.00%(0.90%)
・2021年3月時点:1.03%(0.90%)
・同6月時点:1.10%(0.94%)
・同9月時点:1.20%(1.03%)
・同12月時点:1.33%(1.15%)

***

RBNZの政策金利は現在1.00%。政策金利見通しを見る限り、RBNZは追加利下げを想定していないだけでなく、2021年12月時点の見通しは1.33%と、次の一手は“利上げ”になると予想しているようです。

声明では、「新型コロナウイルスの感染拡大が経済成長に与える影響について、より多くの情報が入手可能になるに伴い、必要に応じて金融政策を調整する時間はある」としました。
RBNZが追加利下げをするとすれば、新型コロナウイルスの感染拡大がRBNZの想定以上に長期化し、それがNZ経済に悪影響を及ぼした場合のみかもしれません。

RBNZが政策金利見通しを引き上げたことを受けて、市場では利下げ観測が後退しました。新型コロナウイルスに関する報道に注意が必要ですが、RBNZの利下げ観測の後退はNZドルを下支えするとみられます。

カナダドル

カナダドルは今週(2/10- )、対米ドルや対円で強含みました。原油価格の反発が資源国通貨であるカナダドルにとってプラス材料となりました。原油価格の代表的な指標である米WTI先物は2月4、5、10、11日に一時1バレル=50米ドルを割り込みましたが、その後上昇し、13日には一時51.96米ドルへと上昇しました。

カナダドルは引き続き、原油価格の動向に影響を受けやすい地合いになりそうです。また、19日発表のカナダの1月CPI(消費者物価指数)も材料になる可能性があります。前年比の総合CPIが市場予想(日本時間14日午前9時時点)の+2.4%を上回り、3つのコアインフレも2019年12月から上昇率が高まる場合、BOC(カナダ中銀)の利下げ観測は後退しそうです。利下げ観測の後退は、カナダドルにとってプラス材料です。12月のコアインフレは、共通値が前年比+2.0%、トリム値が+2.1%、中央値+2.2%。BOCのインフレ目標中央値は+2%です。

トルコリラ

トルコリラは今週(2/10- )、一時対米ドルで約8カ月半ぶりの安値を記録。シリア情勢をめぐる懸念がトルコリラに対する下押し圧力となりました。

アサド政権はシリア全土の制圧に向けてイドリブ県(シリア北西部)で攻勢を強めており、反体制派を支援するトルコとの緊張が高まっています。イドリブ県では10日にアサド政権軍による砲撃を受けてトルコ軍兵士が死傷。それを受けて、トルコ軍はただちに報復攻撃を実施しました。エルドアン・トルコ大統領は「アサド政権軍が2月末までにイドリブ県から撤退しなければ、トルコ軍は行動する」と述べ、軍事行動を示唆しています。シリア情勢が一段と緊迫化した場合、トルコリラに対する下押し圧力はさらに強まりそうです。

19日のTCMB(トルコ中銀)政策会合もトルコリラの材料になる可能性があります。トルコの1月CPI(消費者物価指数)は前年比+12.15%と、2019年12月の+11.84%から加速しました。2019年7月以降の大幅な利下げ(TCMBは合計12.75%の利下げを実施)の効果を見極めるうえでも、政策金利は据え置くことが望ましいと考えられます。

しかし、TCMBの政治からの独立性には疑問があります。エルドアン大統領はTCMBに対して利下げ圧力を加えており、この状況でTCMBが政策金利を据え置くのは困難かもしれません。政策金利の市場予想の中央値は0.50%の利下げ(日本時間14日午前9時時点)。利下げ幅がそれを上回った場合には、TCMBの独立性をめぐる懸念は一段と高まる可能性があります。

南アフリカランド

南アフリカの12月製造業生産が11日、12月小売売上高が12日に発表され、結果は以下の通りでした。

( )は市場予想
・製造業生産:前月比-2.8%(-0.7%)、前年比-5.90%(-3.45%)
・小売売上高:前年比-0.4%(+1.5%)

製造業生産や小売売上高で、南アフリカ景気の低迷が改めて浮き彫りとなり、そのことは南アフリカランドにとってマイナス材料です。来週(2/17- )は19日に南アフリカの1月CPI(消費者物価指数)が発表されます。CPIが市場予想の前年比+4.4%を大きく上回れば、SARB(南アフリカ中銀)の利下げ観測は後退する可能性があります。利下げ観測が後退すれば、南アフリカランドの下支え材料になり得ます。

南アフリカランドについては、新型コロナウイルスに関する報道などによる投資家のリスク意識の変化に注意が必要です。リスク回避は新興国通貨であるランドにとって下押し要因です。

メキシコペソ

BOM(メキシコ中銀)は13日、0.25%の利下げを決定。政策金利を7.25%から7.00%へと引き下げました。利下げは5会合連続です。

声明では、「2020年のメキシコの経済成長率は2019年7-9月の金融政策報告で示した見通しを下回るとみられ、リスクバランスは下方に傾いている」と指摘。総合インフレやインフレ見通し、経済のスラック(需給の緩み)の拡大、国内外の利回り曲線の最近の動向を踏まえ、0.25%の利下げを決定した」と説明しました。

声明は一方で、「総合インフレやコアインフレは2019年7-9月の金融政策報告時の見通しを若干上回る」と予想。インフレへの上方リスクとして、賃金の上昇が労働市場や物価に影響を与え得ることや、国内外の要因によって為替相場が調整する可能性があることを挙げました。

***

今回の0.25%の利下げは、全会一致で決定されました(BOMの政策メンバーは5人)。全会一致で決定が下されたのは、2019年5月以来。前回会合(2019/12)まで3会合連続で0.50%の利下げを主張したエスキベル委員は、その主張を取り下げました。

メキシコの景気は低迷が続いており、BOMは今後も利下げを継続する可能性があります。ただ、1月のCPI上昇率は前年比+3.24%と、BOMのインフレ目標(+3%)を3カ月ぶりに上回りました。また、メキシコでは1月1日に最低賃金が20%引き上げられており、それは先行きのインフレ圧力へとつながるおそれがあります。追加利下げのペースは緩やかになりそうです。

メキシコの実質金利は今回の利下げ後もなお3.76%あり、主要国や新興国の中で依然として高水準。足もとの実質金利は南アフリカが2.25%、トルコはマイナス0.90%です。*実質金利:政策金利から前年比のCPI(消費者物価指数)上昇率を引いたもの。

最近のメキシコペソ上昇の背景として、BOMの政策金利やメキシコの実質金利の高さが挙げられます。政策金利や実質金利におけるペソの優位性は今後も維持されるとみられます。

執筆者 八代 和也

執筆者 : 八代 和也|マネ―スクエア シニアアナリスト

マネースクエア シニアアナリスト。資源・新興国通貨を中心に分析し、マネースクエアのWEBサイトにてレポート(「ウィークリー・アウトルック」、「デイリー・フラッシュ」など)配信のほか、動画コンテンツ「M2TV」出演、セミナー講師を務めている。

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