日経、90年暴落後の半値戻しを、一時達成
7連騰の日経平均
米国市場続伸を受けて、東京市場も朝から買い気が強く、9時7分には23,000円台をヒットしました。後場やや軟化しましたが、アメリカが中国の補助金制度批判を強め、華為製品排除を一段と加速させる報道が直接的には影響したかもしれません。
非常に今日の東京で目立っていたのは、業種別の上昇率ランキング上位に、ノンバンク、保険、銀行と金融セクターが軒並みノミネートされていた点です。
明らかに、昨晩の米国における10年国債利回り上昇を受けた動きです。それでシクリカル(景気敏感)が下げた、というほどではないのですが。
日経の表現を借りれば、シクリカルとディフェンシブと、「二兎を追っている」状況のようです。
日経平均終値は、106円高、22,974円。90年暴落後の半値戻し22,975円ぎりぎり上回らず。
グローベックスは引け時点では11ドル安と、小甘い気配。
上海コンポジット指数は0.39%下落ですが、25日線上です。
実弾の買いは確かに、一部入っている
もう一つ、このところ単なる先物の買い(というより、空売りの手仕舞い買戻し)が主体で相場が上昇しているというのが、一般的な通説でした。当レポートでは、どうも一部実弾の買いが入っているのではないか、という感想を何度か述べています。
本日なども、まさにそうです。もちろん、ファンドの損益通算期限を控えているので、そう大々的に現物買いが増大するということは無いはずですが、明らかに現物買いの動きはあるようです。
まだよくわかりませんが、11月に入るとその動きは鮮明になってくるかもしれません。
11月の物色は重要です。
今晩アメリカが軟調でも、不思議ではない
ただ、昨晩ダウ輸送株、ジャンクボンドが小甘く、VIXが小じっかりであったことを考えると、今晩はFOMC結果が判明する前日ということですので、さすがのアメリカも腰が引けるのではないでしょうか。
ほとんど書いておくべきと考える話がありません。一連の重要イベントが続く1週間を控えて、事前に書いておくべきことは書き尽くしています。その上で、いざフタを開けてみるということになります。
要注目は、FOMC前に上昇してきた米長期金利
正直、気味が悪いのです。
足元の相場上昇のことです。じわりと上がるはずだ、とは述べてきましたし、その通りになっています。アメリカでは半導体SOX、S&P500が史上高値更新をするのも時間の問題としていたところが、実際そうなりました。
が、それだけにどうもこの楽観論には疑問符がつきます。
市況に弱気がいない、という現実が気持ち悪いわけです。
FOMC、日銀会合は、基本的に材料としては「スルー」だと思いましたが、そう安閑としてもいられないかもしれません。
わたしも、実際のところ相場がどうなるのかわからないのです。
マクロ的には、ポジション内のキャッシュをどうすればよいのか。
ミクロ的には、セクターなどの比重配分を変更するべきなのか。
この二点です。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>を引き続きホールド続行中です。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。