次第に、指数が上を志向し始めるか
4月25日終値、22,307円トライへ
週末の東京市場は昨晩の米国株が足踏みであったのに対して、意外なほど堅調に推移。
日経平均は、34円高の22,079円でした。
相場の柱がいまだに判然としていないのです。
たとえば、本日東京市場でとくに目立った上昇が、ゲーム関連にかなり集中していたり(急落したeNish<3667>や、25日線割れとなったKlab<3656>が捲土重来となっています)、秋の学界を控えてバイオ銘柄(サンバイオ<4592>が好材料で高騰)に資金が入り込んだりしている面にそのことはよく表れているようです。
これらが、指数や相場全体を牽引するとは到底思えないので、当然幕間つなぎでしかないとは思います。
FOMC後の第二次反応は、やはり上を志向か?
(9月、日本は突出した上昇率となっている事実)
こういう環境下、東京市場では、日経新聞朝刊「スクランブル」でも指摘されていたように、秋の株高は配当が支えになっているフシがあります。
また、新興市場にも時価総額の大きい(たとえば、ワークマン<7564>、ジャスダックでは第二位)銘柄を中心に、買いが目立っています。
9月に入ってから、各国株価指数を比較した場合、ロシアRTS指数に次いで、日本株は上昇率で世界第二位です。
前夜のFOMCという大きなイベントを経過して、さあそこでどういうポジションを世界の機関投資家は組んでくるだろうかと言う点が、鵜の目鷹の目だったのですが、今のところじわりと上を志向していそうな感じには見えます。
(なぜ日本が強いのか)
単に日本市場が割安であるというだけで、選好されているのだと考えるべきでしょうか。
それとも、本来日本株が突出したパフォーマンスを出すタイミングが、歴史的には景気循環の初動であるということからして、アメリカを中心に世界景気が再浮上するというシナリオがすでに始まっているということでしょうか。
当レポートでは、後者のシナリオを年初からずっと想定しているわけです。
(事実として、アメリカが再浮上している)
このところアメリカの経済指標は軒並み景気の強さを示しています。
昨晩も中古住宅販売が1年ぶりの高水準となっていました。アメリカの住宅市場では圧倒的に中古住宅市場が占めています。
コンファレンスボードの景気先行指数も予想を上回り、新規失業保険申請件数は2週連続でことのほか低水準。これらから、おそらく9月分の雇用統計も強いはずだという見方が強まっています。それでなくとも夏場を超えて、ここから冬場に向けて雇用統計はどんどん強まっていく季節性があるので、なおさらです。
それまでに発表されている経済指標でも、小売り売上高、消費者物価指数いずれも驚くような強さですから、総じて今後賃金上昇圧力が鮮明になってくるだろうということも容易に想像できます。
(おまけに中国が政策発動を始めた)
加えて、米中問題解決を急ぐ、一方の中国ですが、自動車販売のテコ入れに入ってきました。以前から取沙汰されていましたが、自動車のナンバープレート発給制限の緩和措置です。
すでに広東省、海南省など南部から実際に始まっています。5割増と打ち出してきています。
過去17ヶ月連続で中国における販売増となっていたトヨタ自動車に比べ、中国メーカーは13ヶ月連続の販売減です。この差は明らかです。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>のフルポジション。このままホールドです。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。