SQ前、安川電機決算前で、様子見
米国同様、鈍い一日
本日の相場は、前場が、昨晩の米国市場と同じく、鈍い反応で終始しましたが、後場に入りますと、次第にグローベックス市場の米国株先物が切りあがっていき、NYダウ工業株先物で70ドル高にまで気配切り上げ。
これにともない日経平均も二桁の上昇幅から、100円超という三桁の上昇幅へと上げ幅拡大。
本日の相場は、日経平均が110円高の21,643円。
為替がむしろ118円台を割り込んだにもかかわらず、上げ幅拡大していたわけですから、(最終的には上げ幅縮小したものの)、為替のインパクトももはや知れているということになります。
月間のアノマリー終盤
明日は週末金曜日です。一番月間で下がりやすい一週間も終わります。
印象としては、様子見さながら、ディフェンシブ系が強いように見えます。あるいは材料株です。しかし、実際にはそうでもありません。
日経平均寄与度をみても、確かにソフトバンク<9984>、ユニーファミマ<8028>、リクルート<6098>などディフェンシブ系が首位にありましたが、一方で、東京エレクトロン<8035>、京セラ<6971>、日東電工<6988>といったシクリカル(景気敏感系)もしっかり食い込んでいるのです。
業種では、個人的にウォッチしているものでは、京成<9009>をはじめ、低金利を好感する電鉄株が目立っているように見えます。
一方で、半導体製造装置や機械のディスコ<6146>、アドバンテスト<6857>、ツガミ<6101>などが強いのです。
これはどうしたことでしょう。柱がやはり定まらないということでしょう。
要するに、アメリカの利下げは出尽くしではないのか
結局のところ、日米ともにアメリカの利下げ期待というものは、昨晩の議会証言で完全に織り込み済みとなり、材料としては出尽くしてしまったのではないでしょうか。
利下げ期待が完全に織り込み済であるとしたら、長期金利(10年利回り)が上昇して株高か、長期金利が低下して株安か、この二つに絞られてくるのではないかと思っています。
第二次反応を待とうというのは、究極はこのことです。
第二次反応を誘発するのは、ミクロの決算発表
そして、この市場の第二次反応を引き出すものは、日米の企業業績発表でしょう。
今週からアメリカが決算発表本格化で、日本も本日 安川電機<6506>が皮切りとなって始まります。とくに東京はこの安川が出鼻をくじくかどうか、重要です。
前回はくじかれてしまいました。
今回はどうでしょうか。
決算発表はアメリカで今月末、FOMCの開催とともに、ほぼピークアウト。東京はその週と、翌週、つまり8月第一週までが天王山です。
金、ドル、米長期金利
昨晩の米国市場では、月末のFOMCで0.5%の利下げはさも確実だと言わんばかりの観測がまかり通っていました。従来の漸進主義的な25ベーシスずつの政策金利誘導目標変更という手法から逸脱した、かなり大幅な利下げということになります。
その割には金先物が急伸したわけでもなく、ドルが急落しているわけでもありません。ましてや、ご承知の通り、米長期金利も動きが鈍いです。
ということは、やはり利下げは「出尽くし」なのではないか、という根拠になっています。
金の上場投資信託(ETF)が買い入れている金の残高や、シカゴの投機筋の大口建玉も、金ロングが1年前の水準に到達しています。
ここから買い積み上げていくとなれば、当然一段の金融緩和観測が必要です。それが、今満たされつつあるわけですから、もっと金上昇、ドル下落が進行してもよさそうなものですが、今のところはまったくその勢いはありません。
こうしたことからも、利下げという材料はすでに織り込まれてしまい、ほとんど材料性を失っているのではないか、とそう考えているわけです。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>ホールドのままです。いまのところ、まだドテン反対売買にはなっていません。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。