【中銀チェック】カナダ中銀、利下げはほぼ確実も、利下げ幅見通し分かれる
23日にカナダ銀行(中央銀行)金融政策会合の結果発表が予定されています。利下げの実施が確実視されている状況です。ただ、利下げ幅については0.25%と0.50%で見方が分かれています。短期金利市場の織り込み、専門家の予想はともに拮抗しています。
カナダ中銀は新型コロナを受けて0.25%まで金利を引き下げた後、2022年3月と米国とほぼ同時期から利上げを開始。昨年7月に5%まで金利を引き上げました。今年6月に0.25%の利下げを実施、7月、9月と0.25%ずつ引き下げており、今回利下げすると4会合連続となります。
前回9月の会合においてマックレム総裁は、予想以上に弱い経済成長によってインフレ率が急速に低下するリスクがあるという懸念を示し、追加利下げの方針を示唆しています。15日に発表されたカナダの9月消費者物価指数(CPI)は前年比+1.6%と、8月の+2.0%から鈍化。市場予想の+1.9%も下回りました。インフレターゲットである+2.0%を大きく下回る状況に、大幅利下げ期待が出てきています。もっともカナダの第2四半期GDPは前期比年率+2.1%と市場予想の+1.8%を上回る好結果。昨年第2、第3四半期のマイナス成長となり、テクニカルリセッション入りしましたが、直近3四半期連続で伸びが強まっています。先月27日に発表された7月の月次GDPは前月比+0.2%、前年比+1.5%と共に市場予想及び前回値を上回る伸びとなっており、カナダ経済の底堅さも意識されています。こうした好悪の判断が難しい状況が、見通しが分かれる背景にあるようです。
見通しが二分されているため、0.25%利下げでカナダ買い、0.50%利下げでのカナダ売りが見込まれます。
なお12月の会合でも追加利下げが見込まれているだけでなく、今回もしくは12月どちらかでの0.50%利下げという見通しが広がっています。こうした今後の姿勢も含め、結果に加えて声明や総裁会見なども要注目です。
MINKABUPRESS 山岡
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。