エヌビディア下落 米制裁で50億ドル相当の中国受注にリスクとの指摘=米国株個別
(NY時間11:24)
エヌビディア<NVDA> 400.95(-10.66 -2.59%)
きょうのIT・ハイテク株は全体的には軟調な値動きが見られている。その中でもエヌビディア<NVDA>の下げがやや目立っている。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話として、米国による最新技術の対中輸出規制が同社の中国からの50億ドル規模の受注に影響を与えるリスクがあると伝えている。
人工知能(AI)ブームを支えるチップの需要に対する見通しにますます明るさを増す中で、過去2四半期の同社の決算はウォール街に感銘を与えた。しかし、中国への輸出規制をめぐる苦境が3連覇を頓挫させる恐れがあるという。
米商務省は今月初めに、2022年に発表したAIやその他の先端技術へのアクセスを対象とした対中規則を強化すると発表。最新の規制では同社のような最先端のチップメーカーに焦点が当てられ、基準以下のチップの中国への輸出でさえ、米政府への届け出が必要で、個々の販売を禁止することができる。
同社は中国での売上が全体の約20%を占めるが、これまではその懸念を同社のチップに対する旺盛な需要を理由に一蹴してきた。しかし、新たな規制は来年の同社の数十億ドルの中国からの受注のキャンセルを強いる可能性があり、2024年の同社への打撃の水準として50億ドルという数字が浮上しているという。
アナリストは、2025年1月期の同社の売上高を813億ドル、そのうちデータセンター部門が631億ドルと見込んでいる。中国からの50億ドル分の受注が帳消しになれば、コンセンサス予想に大幅な下振れリスクが生じることになる。
同社は11月下旬に8-10月期決算を発表するが、これまで一貫して見通しの上方修正に慣れてきた投資家を失望させることになりかねないという。その先の11-1月期も輸出規制の直接的な影響により、2024年以降のガイダンスはおろか、来年に予定されている納品にも影響が及ぶ可能性があるとしている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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