明日のパウエル講演控えてドルに調整売りも、ユーロドルは再びパリティ割れ=ロンドン為替概況
明日のパウエル講演控えてドルに調整売りも、ユーロドルは再びパリティ割れ=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、総じてドル売りが優勢。前日のNY市場でドル売りが強まった流れを受けて、東京市場ではドルがじり安となった。ロンドン朝方にはドル売りが一段と強まり、ドル円は136.32近辺に安値を広げた。ユーロドルは1.0000のパリティ水準を上回ると高値を1.0033近辺まで伸ばした。ポンドドルも1.1864近辺に高値を伸ばしている。中国の経済支援策報道が好感されて豪ドルが堅調。対ドルで0.6991近辺へと上昇する動きがドル売りをけん引していた。あすのジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演を控えて、このところ続いたドル高の動きに調整が入る形。ただ、そのなかではユーロの上値は重い。ユーロドルは再びパリティ割れとなり、0.99台後半へと押し戻されている。ユーロが全面安となっており、対円は137円手前まで買われたあとは136円台前半へと反落している。対ポンド、対豪ドルなどでもユーロは軟調。週明けに急騰した欧州天然ガス先物がきょうは再び高値をつけており、エネルギー危機が意識された面も。この日発表された8月独Ifo景況感指数は予想ほどは落ち込まなかったが、今年の最低水準をつけた。Ifoエコノミストは第3四半期のドイツ経済は0.5%程度縮小する見込みとしていた。半年を過ぎても収束のメドが立たないウクライナ戦争の影響が改めて懸念される。
ドル円は136円台半ばでの取引。東京朝方につけた137.20レベルを高値にその後は売られ続けている。ロンドン序盤には136.32近辺まで安値を広げた。その後の戻りは136.50台までと限定的。米10年債利回りは一時3.07%付近と上昇一服。堅調な推移をみせていた欧州株や米株先物は上げ幅を縮小している。
ユーロドルは0.99台後半での取引。前日のNY市場で買われた流れを受けてロンドン朝方には一時1.0033レベルとパリティ水準を上回った。しかし、独Ifo景況感指数の低下が続いたことや、欧州天然ガス先物が再び今週の高値を伸ばしたことなどが重石となっている。ユーロ円は137円手前まで買われたあと、136.13近辺に安値を広げている。対ポンドや対豪ドルなど各通貨に対してユーロは軟調に推移している。
ポンドドルは1.18台前半での取引。ロンドン早朝に1.1864近辺まで買われたあとは、上昇一服。ロンドン午前には1.1820付近へと反落している。ただ、対ユーロでのポンド買いの影響もあって、引き続き前日終値水準よりはポンド高水準を維持している。ポンド円は朝方に162円ちょうど付近まで買われたあとは、上値が重くなり161.30台まで下押しされている。ユーロポンドは0.8461近辺まで買われたが、すぐに売りが優勢となって0.8430台へと下押しされている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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