ウクライナへの懸念が続く ダウ平均は一時500ドル超下落=米国株前半
NY株式4日(NY時間12:55)
ダウ平均 33544.86(-249.80 -0.74%)
ナスダック 13331.76(-206.18 -1.52%)
CME日経平均先物 25840(大証終比:-260 -1.01%)
きょうのNY株式市場は売りが優勢となる中、ダウ平均は一時500ドル超下落する場面が見られた。ウクライナ情勢が依然として緊迫する中、ロシア軍がウクライナにある欧州最大のザポロジエ原子力発電所を占拠するなど、事態は悪化しており、インフレのほか世界経済への影響も懸念されている。
エネルギーのほか、医薬品やスーパーなどディフェンシブセクターが買われているほかは、幅広い銘柄に売りが広がっている。S&P500企業の約70%が下落しており、銀行、IT・ハイテク、アパレルが下げを主導。
なお、NY証券取引所は規制上の懸念として、ロシアに特化した3つの主要ETFの取引を停止した。エコノミストからは、ウクライナ危機は1998年の壊滅的なデフォルトと同じくらいロシア経済に打撃を与える可能性があるとの指摘も出ていた。
きょうは米雇用統計が発表され。非農業部門雇用者数(NFP)は67.8万人増加し、予想を大きく上回った。失業率も3.8%まで低下。一方、賃金の伸びは減速しており、平均時給は前年比5.1%増と伸びが鈍化した。今回の米雇用統計は労働市場の堅調ぶりが示された半面、インフレ圧力がやや落ち着いたことも示唆されている。
FRBは今月のFOMCで0.25%の利上げ開始を示唆している。この日の米雇用統計は利上げ期待を裏付ける内容ではあるが、0.50%の大幅利上げの期待までは強まっていない。米国債利回りもリスク回避の下げが続き、強い米雇用統計への市場の反応は限定的となっている模様。
個別にコストコ<COST>が下落。前日引け後に11-1月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益、既存店売上高、会費などの主要指標において予想を上回った。ただ、株価は冴えない反応。決算を期待して前日まで6日続伸しており、材料出尽くし感が出ているのかもしれない。
半導体の設計開発を手掛けるブロードコム<AVGO>が上昇。前日引け後に11-1月期決算(第1四半期)を発表し、大手IT企業といったデータセンター事業者やその他の顧客からの需要が引き続き旺盛であることを示唆した。
ウェブデータ分析用ソフトウエア開発のスプランク<SPLK>が続伸。前日は決算を受けて買いが強まっていたが、きょうは投資会社のヘルマン&フリードマン社が同社株を7.5%、14億ドル相当を保有しているとの報道が伝わり思惑を呼んでいる。
コストコ<COST> 526.31(-6.74 -1.26%)
ブロードコム<AVGO> 600.30(+21.70 +3.75%)
スプランク<SPLK> 126.40(+4.57 +3.75%)
アップル<AAPL> 163.58(-2.65 -1.59%)
マイクロソフト<MSFT> 290.54(-5.38 -1.82%)
アマゾン<AMZN> 2908.79(-49.18 -1.66%)
アルファベットC<GOOG> 2647.76(-38.40 -1.43%)
テスラ<TSLA> 839.39(+0.10 +0.01%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 200.91(-2.06 -1.01%)
AMD<AMD> 108.66(-3.32 -2.96%)
エヌビディア<NVDA> 229.20(-7.95 -3.35%)
ツイッター<TWTR> 33.57(+0.08 +0.24%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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