ラガルドECB総裁発言受けてユーロ売り強まる

見通し 

ラガルドECB総裁発言受けてユーロ売り強まる

総裁は12月の追加緩和を強く示唆

ドル円はロンドン午前の104円03銭を付ける動きから104円台後半に

【東京市場】ドル円104円台半ばからが重い

 ドル円は前日の海外市場での104円10銭台までの下落から調整が入る展開に。欧州、米国で新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、フランスとドイツで全土的な行動制限を実施、シカゴでもレストランなどの屋内営業が禁止されるなど、行動制限が目立つ中で、リスク回避の円買いが強まった。ただ、ダウ平均株価が大きく値を崩す中で、日本株の下げは限定的なものにとどまるなど、リスク警戒の動きがこの時間帯はそれほど強くなく、円買いに対する調整が主体に。
 ただ、目先の上値目途として意識される104円台半ばからの買いにも慎重で、104円台前半での推移が続いた。

 ユーロドルは1.1750前後での推移。リスク警戒のドル買い一服も戻りは鈍くもみ合いに。新型コロナウイルスの感染拡大が欧州で強まっていることが重石となっている面も。この後、ECB理事会を控えており取引を手控える動きも見られた。

【ロンドン市場】一時104円03銭前後

 ドル円はリスク警戒の動きから一時104円03銭前後まで値を落とした。
ECB理事会待ちの中、大台割れでの一気の売りには慎重で少し値を戻すも頭が重い展開に。

 ユーロドルは東京市場の1.1750前後での膠着から若干頭奈が重い展開。
ECB理事会での追加緩和示唆の可能性を意識した格好。
また、ここにきて欧州で広がる新型コロナウイルスの感染拡大への懸念も重石に。
 

【NY市場】ラガルドECB総裁、12月の緩和に言及

 ECB理事会後のラガルドECB総裁の会見で、
「ECBが12月に行動することにほぼ疑いない」と発言。
示唆というよりも、予告とまで言えるような踏み込んだ発言に
それまでも見られたユーロ売りドル買いの動きが強まり
ユーロドルは1.1650前後と、ロンドン朝から100ポイント超の下げを記録した。
ドル全面高基調もあってドル円も買い戻しが優勢となり104円73銭まで。
ロンドン午前のドル安円高トライで104円台を維持したことも安心感に。

【本日の見通し】米大統領選などにらむ

 来週火曜日に米大統領選を控え、突っ込んだ動きには警戒感。
週末を前に様子見ムードが広がる可能性も。
昨日のドル円はリスク警戒局面で104円台を何とか維持。
大台維持で下値に安心感も。
105円台を回復するような動きも期待しにくい。
ただ、ユーロの動き次第では大台超えの動きも。
ユーロドルはラガルドECB総裁の異例ともいえる追加緩和予告に
売りが強まった。
新型コロナウイルスの感染拡大懸念で売りが出やすい地合いもあり、
もう一段の下げが出る可能性も。

 122円80銭台から一時122円を割り込む動きを見せたユーロ円は
ドル円の上昇に下値を支えられ、122円台を回復して朝を迎えている。
ただ、こちらもユーロ売りの圧力がかなり大きいとみられ、
もう一度122円割れをトライする可能性が高そう。
直近安値を更新してきており、7月10日につけた120円20銭台が次の中期的なターゲットに。

【本日の戦略】レンジ取引意識

 ドル円はレンジ取引を意識。
来週火曜日に大統領選を控える中で、
週末を前にポジションを積極的に取りに行く流れにはなりにくい。
ドル円は104円台でのレンジ取引が基本か。
流れ的には下を意識も、ユーロドルでのユーロ売りドル買いが気になるところで
突っ込んだ売りは避けたいところ。戻りを丁寧に売りに回る流れか。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《10/29 木曜日》
   ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  104.32  1.1746  122.54
高値  104.73  1.1759  122.88
安値  104.03  1.1650  121.90
終値  104.61  1.1674  122.12
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《10/29 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  23331.94 -86.57
DOW   26659.11 +139.16
S&P    3310.11 +39.08
Nasdaq  11185.59 +180.72
FTSE   5581.75 -1.05
DAX   11598.07 +37.56
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《10/29 木曜日の商品市場》
NY原油先物12月限(WTI)(終値)
1バレル=36.17(-1.22 -3.26%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1868.00(-11.20 -0.60%)
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《10/29 木曜日に発表された主な経済指標》

【日本】
日銀政策金利(10月)12:12
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 -0.1%(日銀政策金利)

【ユーロ圏】
ドイツ雇用統計(10月)17:55
結果 6.2%
予想 6.3% 前回 6.3%(失業率)
結果 -3.5万人
予想 -0.5万人 前回 -1.0万人(-0.8万人から修正)(失業者数)

ユーロ圏消費者信頼感・確報値(10月)19:00
結果 -15.5
予想 N/A 前回 -15.5

ユーロ圏景況感(10月)19:00
結果 90.9
予想 89.6  前回 90.9 (91.1 から修正)

ECB政策金利(10月)21:45
結果 0.0%
予想 0.0% 前回 0.0%(ECB政策金利)
結果 -0.5%
予想 -0.5% 前回 -0.5%(ECB預金ファシリティ・レート)
結果 0.25%
予想 0.25% 前回 0.25%(ECB限界貸出ファシリティ)

ドイツ消費者物価指数(速報)(10月)22:00
結果 0.1%
予想 0.0% 前回 -0.2%(前月比)
結果 -0.2%
予想 -0.3% 前回 -0.2%(前年比)

ドイツ調和消費者物価指数(速報)(10月)22:00
結果 0.0%
予想 0.0% 前回 -0.4%(前月比)
結果 -0.5%
予想 -0.4% 前回 -0.4%(前年比)

【南アフリカ】
生産者物価指数(9月)18:30
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.7%(前月比)
結果 2.5%
予想 2.5% 前回 2.4%(前年比)

【米国】
実質GDP(速報値)(2020年第3四半期)21:30
結果 33.1%
予想 32.0% 前回 -31.4%(実質GDP)
結果 40.7%
予想 38.9% 前回 -33.2%(個人消費)
結果 3.6%
予想 2.9% 前回 -1.8%(GDPデフレータ)
結果 3.5%
予想 4.0% 前回 -0.8%(PCEコアデフレータ)

新規失業保険申請件数(10/18 – 10/24)21:30
結果 75.1万件
予想 78.0万件 前回 79.1万件(78.7万件から修正)(前週比)
結果 775.6万件
予想 780.0万件 前回 846.5万件(837.3万件から修正)(継続受給者数)

中古住宅販売成約指数(9月)23:00
結果 -2.2%
予想 2.9% 前回 8.8%(前月比)
結果 21.9%
予想 23.0% 前回 20.6%(20.5%から修正)(前年比)
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《10/29 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*日銀金融政策決定会合
政策金利を-0.1%に据え置き
10年物国債金利の目標を0%程度に据え置き
資産買い入れ方針を現状維持
必要なら躊躇なく追加緩和
20年度の実質経済成長率見通しを下方修正
20年度のコアCPI見通しを下方修正
経済・物価見通し、下振れリスクの方が大きい
景気判断の文言を修正
20年度実質GDP見通しは-5.5% ( 前回-4.7%)
長短金利操作維持は賛成8・反対1、資産買入維持は全員一致

*日銀展望レポート
経済活動が再開し改善基調をたどるとみられが、ペースは緩やかなものにとどまる。
感染症の影響が収束すれば海外経済が着実な成長経路へ復する下、さらに改善を続ける
先行きの物価は感染症、原油価格下落、GoToトラベルの影響などでマイナスで推移。
その後下押し圧力減退。徐々に上昇率高める。
成長率はサービス需要の回復遅れを主因に2020年度は下振れ、
2021年度は幾分上振れ、2022年度はおおむね不変
先行き見通しには大きな不確実性
リスクバランスは下振れリスクの方が大きい

*黒田日銀総裁
景気は引き続き厳しい状態にあるが、持ち直している。
海外経済は大きく落ち込んだ状態から、持ち直している。
輸出や生産は増加している。
企業収益の悪化を背景に、設備投資は減少傾向にある。
個人消費は全体として徐々に持ち直している。
企業の業況感は大幅に悪化した後、幾分改善している。
金融環境は企業金融面で緩和度合いが低下した状態。
先行きの景気は改善基調たどるが、ペースは緩やかなものに。
消費者物価の前年比は当面マイナスで推移するとみられる。
見通しは感染症帰趨などで変わり得る、不透明感が極めて強い。
先行き見通しでは、感染症の大規模な再拡大はないと想定。
経済・物価、感染症の影響中心に下振れリスクの方が大きい。
2%物価目標、安定的持続に必要な時点まで金融緩和継続。
引き続き企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努める。
新型コロナの影響注視し、必要なら躊躇なく追加緩和。
政策金利、現在の長短金利水準または下回る推移を想定。
感染症の帰すうと内外経済への影響は不透明感強い。
引き続き現在の金融緩和措置をしっかり実施。
資金繰り支援策は効果を発揮している。
資金繰り支援策、必要なら延長の考え変わらない。
米大統領選の行方と市場への影響、コメント控える。
国際金融市場への影響は十分注視したい、米大統領選。

【英国】
*ジェンリック英住宅相
全国的なロックダウン措置が不可避というわけではない。
最近導入した新たな段階の措置が効果的なのかどうか、判断下すのは時期尚早。

【ユーロ圏】
*メルケル独首相
医療機関は限界に近い忙しさ、ここ数週間で劇的な状況に。
集中した治療が必要なコロナ患者は最近10日間で2倍に増加。

*ECB
主要政策金利を0.0%据え置き。
預金ファシリティー金利-0.50%据え置き。
限界貸出ファシリティー金利+0.25%据え置き。
12月の経済予測でより明確な判断が可能になる。
PEPPは少なくとも2021年6月末まで継続。
パンデミック緊急購入プログラムを1.35兆ユーロで維持。

*ラガルドECB総裁
経済回復の勢いは想定よりも早くモメンタムを失っている。
リスクは明らかに下方向に傾斜している。
インフレは下落、エネルギー価格低下で。
ECBは適切に政策手段を再調整するだろう。
新型コロナ感染拡大で経済見通しに対する不透明感高まる。
為替相場を含めたあらゆる情報を精査する。
第3四半期には経済が力強く回復。
経済の進展は業種ごとに不均一。
データによると第4四半期には経済活動が大きく鈍化すると予想。
インフレ率は2021年初頭まで引き続きマイナス。
需要の回復が物価を押し上げるだろう。
財政政策が経済を下支えする
市場に基づくインフレ指標は低水準で変化みられず。
野心的かつ協調的な財政スタンスが引き続き重要。
財政措置は的を絞り、一時的であるべき。
次回のECB理事会で全員が追加措置とる必要性で一致。
次回理事会であらゆる措置を模索する。
政策手段の微調整で作業中。
11月の経済活動はきわめてネガティブなものとなりそうだ。
第4四半期成長がマイナスになるのかどうかはわからない。
ユーロ圏はデフレリスクには全く直面していない。

【米国】
*米7年債入札結果
最高落札利回り 0.600%(WI:0.588%)
応札倍率    2.24倍(前回2.42倍)

*トランプ大統領
巨額の対策を打ち出すだろう。
ペロシ下院議長よりも規模の大きい対策を要望している。
ペロシ下院議長は米大統領選前の合意を望んでいないようだ。
米大統領選後にすぐに巨額対策を打ち出す。
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《本日予定されている主な経済指標》

【シンガポール】
失業率(第3四半期)時刻未定
予想 3.6% 前回 2.9%

【韓国】
鉱工業生産(9月)8:00
予想 3.1% 前回 -0.7%(前月比)

【日本】
失業率(9月)8:30
予想 3.1% 前回 3.0%

有効求人倍率(9月)8:30
予想 1.03 前回 1.04

鉱工業生産・速報値 (9月)8:50
予想 3.0% 前回 1.0%(前月比)
予想 -9.8% 前回 -13.8%(前年比)

【豪州】
生産者物価指数(第3四半期)9:30
予想 N/A 前回 -1.2%(前期比)
予想 N/A 前回 -0.4%(前年比)

【ユーロ圏】
フランスGDP・速報値(第3四半期)15:30
予想 15.0% 前回 -13.8%(前期比)
予想 -7.3% 前回 -18.9%(前年比)

ドイツ小売売上高(9月)16:00
予想 -0.6% 前回 1.8%(3.1%から修正)(前月比)
予想 6.5% 前回 3.0%(3.7%から修正)(前年比)

ドイツGDP・速報値 (第3四半期)18:00
予想 7.3% 前回 -9.7%(前期比)
予想 -5.2% 前回 -11.3%(前年比)

ユーロ圏GDP・速報値(第3四半期)19:00
予想 9.6% 前回 -11.8%(前期比)
予想 -7.0% 前回 -14.7%(前年比)

ユーロ圏失業率(9月)19:00
予想 8.2% 前回 8.1%

ユーロ圏消費者物価指数・速報値 (10月)19:00
予想 0.1% 前回 0.1%(前月比)
予想 -0.3% 前回 -0.3%(前年比)
予想 0.2% 前回 0.2%(コア・前年比)

【英国】
ネーションワイド住宅価格(10月)16:00
予想 0.4% 前回 0.9%(前月比)
予想 5.2% 前回 5.0%(前年比)

【スイス】
小売売上高(9月)16:30
予想 N/A 前回 2.5%(前年比)

KOFスイス先行指数(10月)17:00
予想 108.0 前回 113.8

【香港】
GDP・速報値(第3四半期)17:30
予想 0.7% 前回 -0.1%(前期比)
予想 -5.6% 前回 -9.0%(前年比)

【ブラジル】
失業率(8月)21:00
予想 14.2% 前回 13.8%

【南アフリカ】
貿易収支(9月)21:00
予想 300億ランド 前回 389億ランド

【カナダ】
GDP(8月)21:30
予想 0.9% 前回 3.0%(前月比)
予想 -4.1% 前回 -5.0%(前年比)

鉱工業製品価格(9月)21:30
予想 0.1% 前回 0.3%(前月比)

原材料価格指数(9月)21:30
予想 0.3% 前回 3.2%(前月比)

【米国】
個人支出(9月)21:30
予想 1.0% 前回 1.0%(前月比)

個人所得(9月)21:30
予想 0.4% 前回 -2.7%(前月比)

PCEデフレータ(9月)21:30
予想 1.5% 前回 1.4%(前年比)

PCEコアデフレータ(9月)21:30
予想 1.7% 前回 1.6%(前年比)

シカゴ購買部協会景気指数(10月)22:45
予想 58.0 前回 62.4

ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値(10月)23:00
予想 81.2 前回 81.2

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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