ダウ平均の下げ幅は600ドル超に=米国株後半
NY時間の終盤に入ってもダウ平均は下値模索が続いており、ダウ平均の下げ幅は600ドルを超えている。月末を向かえ市場は、中国のコロナウイルス感染の影響を再認識しているようだ。前日は世界保健機構(WHO)が緊急事態を宣言したものの、貿易や渡航制限は推奨しないとし、テドロスWHO事務局長も「脅威ではないと述べていたことで、ひとまず安心感に繋がっていた。
しかし、中国での死亡者数が213人まで増え、感染者数は9692人に達し、2003年の「SARS」の患者数8096人を超えている。また、来週再開される中国市場への警戒感も強い。月末ということで、年初から積み上がったロングポジションの整理も出ているようだ。ウイルス感染は1-3月の米GDPを0.4ポイント押し下げるとのレポートも流れる中、前日までの決算を受けた楽観的なムードは後退している。
一方、決算はポジティブな内容も多く、きょうはアマゾンが大幅高となっており、時価総額は1兆ドルを一時突破。報道ではS&P500採用銘柄全体の利益予想で、0.7%の増益に上方修正されている。前日は0.6%増益だった。なお、決算開始当初は、0.6%減益が見込まれていた。
ダウ採用銘柄では決算を発表したエクソンモービルやシェブロンが下落しているほか、ダウ・インク、ビザ、インテルも下落。ユナイテッド・ヘルス、アップルも売られている。一方、IBMが4%の逆行高。
ビザは10-12月期決算を発表し、予想範囲内だったものの、同社が銀行や小売業者などカード発行会社に支払うインセンティブの伸び増加を嫌気している模様。
IBMはきのう、クラウド部門責任者のクリシュナ氏を次期CEOに起用すると発表した。
ナスダックも下落。アマゾンは上昇しているものの、アップルやフェイスブック、ロクが下落。エヌビディアやAMD、インテルも軟調。
アマゾンは時価総額が1兆ドルを突破。10-12月期決算を発表しており、1株利益、売上高とも予想を上回った。売上高が予想の上限を超えたのは2018年の第1四半期以来。営業利益の3分の2を占めるクラウド部門のアマゾンウェブ サービス(AWS)の売上高は34%増の100億ドルとなり、営業利益も19%増の26億ドルとなった。また、有料のプライム会員数は全世界で1.5億人を超え、海外市場での利用拡大を示唆した。
ロクは、今週末のスーパーボウルの放送に先立って、FOXチャンネルにアクセスできないことを顧客に通知し始めたことが嫌気されている。
ワールド・レスリング・エンターテイメント(WWE)が大幅安。共同創業者のバリオス氏とウィルソン氏の取締役会からの退任が発表された。
トラック製造のナビスター・インターナショナルが50%超の急伸。ドイツのフォルクス・ワーゲン(VW)がきのう、小会社を通じて、未保有株を現金1株35ドルで買収すると提案したことが明らかとなった。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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