米10年債利回り上昇 不透明感を払拭できず 30年債入札は好調=NY債券概況
米国債利回り(NY時間16:32)(日本時間05:32)
米2年債 3.856(-0.052)
米10年債 4.415(+0.084)
米30年債 4.863(+0.126)
期待インフレ率 2.168(-0.133)
※期待インフレ率は10年債で算出
きょうのNY債券市場で10年債利回りは上昇。序盤は下げて始まったものの、後半にかけてプラスに転じている。前日はトランプ関税の90日間猶予の発表で歴史的な1日となったが、市場はこの先の不透明感を払拭できていない。今回の貿易戦争が米経済に長期的な打撃をもたらすのではという懸念は根強いようだ。
米国離れも指摘され、米国債からの資金逃避も言われる中、利回りは後半に上昇に転じている。ただ、この日の30年債入札は好調な入札となった。これを受けて米国債が買い戻され、利回りは下げの反応を示していた。米国債に対する不信感から、今回の入札は警戒感も出ていたが、前日の10年債に引き続き、ひとまず安心感に繋がっていたようだ。しかし、反応は一時的に留まっている。
この日発表の3月の米消費者物価指数(CPI)は予想を下回り、総合指数は前月比で予想外の低下となっていた。コア指数も予想以上に低下。ただ、今回の数字がフェド・プットに繋がるかは未知数だが、政策金利に敏感な2年債利回りは下げていた。
これにより、2-10年債の利回り格差は再び、+56(前営業日:+40)に拡大。イールドカーブは再びスティープ化している。
*米30年債入札結果
最高落札利回り 4.813%(WI:4.839%)
応札倍率 2.43倍(前回:2.37倍)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。