ダウ平均はマイナス圏での推移が続く=米国株後半
NY株式11日(NY時間15:36)
ダウ平均 31159.26(-178.89 -0.57%)
ナスダック 11383.75(-251.56 -2.16%)
CME日経平均先物 26635(大証終比:-15 -0.06%)
NY時間の終盤に入ってダウ平均はマイナス圏での推移が続いている。午後になって買い戻しも見られ、ダウ平均は一時プラスに転じたものの、上げを維持できていない。きょうはIT・ハイテク株の下げがきつく、全体を圧迫している模様。
きょうのNY株式市場でダウ平均は続落。中国で感染が再拡大しており、アジアや欧州の株式市場が軟調に推移している流れを引き継いでいる。中国政府が再び規制を強化するのではとの懸念もあるようだ。感染拡大は中国のみならず、米国と欧州、日本でも確認されており気掛かりになっている模様。
今週から始まる4-6月期決算への警戒感も出ている模様。リセッション(景気後退)への懸念が市場の雰囲気を重くしている中、市場は決算にかなりの関心を寄せている。今回は非常に保守的な見通しが示される可能性が高く、それに対して市場がどう反応するか注目しているようだ。
「コモディティ価格や生産者コストの高騰が続くなかで、企業がこうしたコスト高をどの程度消費者に転嫁できるのか、経済、地政学、その他の大きな逆風のなか、いかにして収益を力強く維持するかを確認したい」との声も聞かれる。
今週はペプシコ<PEP>やデルタ航空<DAL>、週末にはJPモルガン<JPM>やモルガン・スタンレー<MS>など大手金融が発表を予定。
また、13日水曜日に6月の米消費者物価指数(CPI)も発表される。食品とエネルギーを含む総合指数は5月の8.6%を上回る8.8%が予想されている。市場は高インフレとFRBの積極利上げを既に織り込んでいるが、予想以上に悪化した場合の反応は警戒される。
IT・ハイテク株のほか、エネルギーや銀行、産業が下落。一方、家庭用品などディフェンシブ株の一角は買われている。
ツイッター<TWTR>が下落。先週末の引け後にマスク氏がツイッターの買収合意を取り止めたとツイッターに通知した。先週、買収合意は深刻な危機にあると伝わっていたが、マスク氏のチームはツイッターのスパムアカウントに関する数値を検証不可能と判断し、同チームは440億ドルの買収のための資金調達に関するいくつかの議論にも、関与するのを取り止めたとも報じられていた。これを受けてツイッター側は法的措置を準備しているという。
メタ・プラットフォームズ<MATA>が下落。アナリストが投資判断を「売り」に引き下げた。メタバースへの投資を考慮すると、同社の短期的なファンダメンタルズは悪化が見込まれると指摘した。
トランプ前大統領のメディアとの合併を計画している特別買収目的会社(SPAC)のデジタル・ワールド<DWAC>が大幅高。マスク氏がツイッター<TWTR>の買収合意を取り止めるとのニュースが材料視されている。マスク氏がツイッター買収を提案して以来、デジタル・ワールドの競争激化を懸念する声が高まり、株価は軟調な推移が続いていた。また、トランプ大統領の再選挙キャンペーンに携わっているアプリ開発のファンウェア<PHUN>も大幅高。
ウィンリゾーツ<WYNN>やラスベガスサンズ<LVS>などカジノ株が下落。中国でオミクロン株の亜種の感染が再拡大しており、中国政府が再びロックダウン実施するのではとの警戒感が出ている。マカオでは11日月曜日から18日までセミロックダウンともいえる社会相対静止状態に突入する。
ヨガウエアのルルレモン・アスレティカ<LULU>とスポーツ用品のアンダーアーマー<UAA>が下落。アナリストがアスレチックアパレルのセクターの投資判断を引き下げた。ルルレモンは「売り」、アンダーアーマーを「中立」にそれぞれ引き下げた。
クラウドのファストリー<FSLY>が下落。アナリストが投資判断を「売り」に引き下げた。目標株価も従来の18ドルから12ドルに引き下げている。
配車サービスのウーバー・テクノロジーズ<UBER>が下落。ガーディアン紙やルモンド紙など国際調査報道ジャーナリスト連合の報告によると、同社が2013年から17年にかけてグローバル展開の一環として、ロビー活動で政治家に労働法や税法の緩和を広範囲に働きかけ、いわゆる「ステルス技術」を使って政府の監視を免れたと報じられた。
アリババ<BABA>やテンセント<TCEHY>など中国株がNY市場で下落している。中国の国家市場監督管理総局が、アリババグやテンセントなどIT企業に対して、過去の取引を適切に報告しなかったとして罰金を科したと発表した。
プライアント・セラピューティクス<PLRX>が100%超の急騰。同社は線維症の新治療薬を開発。特発性肺線維症患者を対象とした「PLN-74809」の臨床試験(フェーズ2a)において、主要評価項目および副次的評価項目を達成した。
半導体のブロードコム<AVGO>が下落。取引開始前に幹部のクラウズ氏が7月15日付で退任し、他の非公開企業に移籍すると発表した。同社のタンCEOがクラウズ氏の職責を引き継ぐとしている。
ウィン・リゾーツ<WYNN> 52.66(-3.81 -6.74%)
ラスベガス・サンズ<LVS> 32.11(-2.27 -6.60%)
MGM<MGM> 28.43(-0.91 -3.10%)
アリババ<BABA> 109.80(-11.10 -9.18%)
テンセント<TCEHY> 42.86(-1.78 -3.99%)
デジタル・ワールド<DWAC> 28.84(+4.32 +17.62%)
ファンウェア<PHUN> 1.38(+0.16 +13.52%)
ルルレモン<LULU> 281.55(-11.85 -4.04%)
アンダーアーマー<UAA> 8.60(-0.38 -4.18%)
ファストリー<FSLY> 11.54(-1.97 -14.56%)
ウーバー<UBER> 21.30(-1.05 -4.68%)
プライアント<PLRX> 21.03(+12.15 +136.83%)
ブロードコム<AVGO> 483.77(-14.92 -2.99%)
アップル<AAPL> 144.96(-2.09 -1.42%)
マイクロソフト<MSFT> 264.50(-3.16 -1.18%)
アマゾン<AMZN> 111.92(-3.62 -3.13%)
アルファベットC<GOOG> 2332.16(-71.21 -2.96%)
テスラ<TSLA> 706.44(-45.85 -6.09%)
メタ・プラットフォームズ<META> 162.92(-7.97 -4.66%)
AMD<AMD> 77.14(-2.21 -2.79%)
エヌビディア<NVDA> 151.63(-6.75 -4.26%)
ツイッター<TWTR> 33.01(-3.80 -10.33%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。