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FOMC後にドル売り強まり、106円台付ける展開に

見通し 

FOMC後にドル売り強まり、106円台付ける展開に

2022年末時点でもゼロ金利の見通しひろがりドル売りに

【東京市場】ドル円頭の重い展開

 前日の海外市場でドル売りの流れが強まり107円62銭を付けたドル円。その後ドル円はやや買い戻しが入ったものの107円80銭台までと限定的な戻りにとどまり、頭の重い展開に。大きく下げて始まった日経平均がプラスに転じるなど、株安の動きが一服したことで午前中はドル円も比較的しっかりとなっていたが、後場に入って日経平均が再びマイナス圏に転じるとドル売りが強まる格好に。
 さらにロンドン勢の本格参加を前にユーロドルなどを含めドル売りの動きが本格化。今晩のFOMCでYCC(イールドカーブコントロール)などの協議があるとの期待感がドル売りを誘った模様で、ドル円は前日NY市場の安値を割り込み、107円50銭近くまで値を落とす展開に。
 
 昨日海外市場でのドル全面安基調に1.1360台を付けたユーロドルは、NY午後から東京午前にかけて1.1330近辺がしっかりとなり高値圏での推移。ロンドン勢の本格参加を前にドル売りが広がると昨日の高値をわずかながら更新して1.1365近辺を付けるなどユーロ高ドル安に。

【ロンドン市場】ドル売り進む

 米債利回りの低下が見られ、ドル円は軟調。10年債利回りは0.79%近くまで。
ドル円は107円台半ばをしっかりと割り込み107円20銭台を付け、その後は107円台半ばが重くなる展開に。
ユーロドルは1.13台後半推移としっかり。

【NY市場】FOMC後、振幅も頭重くドル売りに

 FOMCはほぼ予想通り、
YCC(イールドカーブコントロール)については議長がなお議論の余地と述べるにとどまっており
発表後瞬間ドル買いの場面も、戻りは鈍い。
FOMCメンバーの金利予想で、今年、来年だけでなく、2022年末時点でも現行のゼロ金利維持見通しが強いことが示され
こちらはドル売り材料に。
 ドル円は107円を瞬間割り込むところまで値を落とし、その後の戻りも鈍い。

【本日の見通し】ドル売り基調継続へ

 ドル円は107円の大台も一時割り込んだことでドル売り基調が強まる格好に。
107円レンジへ戻ったのではなく、いったん109円台後半まで上昇した後の戻りということで
逆方向にも勢いがついている。
106円台後半から107円台前半レンジが中心か。
FOMCメンバーが2年半以上のゼロ金利継続を見込んでいることで
ドルはかなり重くなっている。

 ユーロドルは一時1.14台を付けた。ユーロ円の売りもあり、ドル円に比べるとドル売りに調整が入りやすいが
基調は上方向。ドル全面安が基本となりそう。

【本日の戦略】ドル売り

 ドル売り基調が継続へ。ドル円は調整の局面も戻りは鈍く
朝も106円台をつけ、NY市場の安値を下回る格好に。
突っ込んだ売りには警戒も、戻りは丁寧に売りに回りたいところ。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

-+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《6/10 水曜日》
    ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  107.75  1.1340  122.18
高値  107.87  1.1422  122.36
安値  106.99  1.1325  121.59
終値  107.12  1.1374  121.85
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《6/10 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  23124.95 +33.92
DOW   26989.99 -282.31
S&P    3190.14 -17.04
Nasdaq  10020.35 +66.60
FTSE   6329.13 -6.59
DAX   12530.16 -87.83
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《6/10 水曜日の商品市場》
NY原油先物7月限(WTI)(終値)
1バレル=39.60(+0.66 +1.69%)
NY金先物8 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1720.70(-1.20 -0.07%)
-+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《6/10 水曜日に発表された主な経済指標》

【韓国】
失業率(5月)8:00
結果 4.5%
予想 4.0% 前回 3.8%

【日本】
機械受注(4月)8:50
結果 -12.0%
予想 -7.0% 前回 -0.4%(前月比)
結果 -17.7%
予想 -13.2% 前回 -0.7%(前年比)

国内企業物価(5月)8:50
結果 -0.4%
予想 -0.3% 前回 -1.6%(-1.5%から修正)(前月比)
結果 -2.7%
予想 -2.4% 前回 -2.4%(-2.3%から修正)(前年比)

【中国】
消費者物価指数(5月)10:30
結果 2.4%
予想 2.7% 前回 3.3%(前年比)

生産者物価指数(5月)10:30
結果 -3.7%
予想 -3.3% 前回 -3.1%(前年比)

【トルコ】
雇用統計(3月)16:00
結果 13.2%
予想 N/A 前回 13.6%(失業率)

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(05/30 – 06/05)20:00
結果 9.3%
予想 N/A 前回 -3.9%(前週比)

消費者物価指数(5月)21:30
結果 -0.1%
予想 0.0% 前回 -0.8%(前月比)
結果 -0.1%
予想 0.0% 前回 -0.4%(コア・前月比)
結果 0.1%
予想 0.3% 前回 0.3%(前年比)
結果 1.2%
予想 1.3% 前回 1.4%(コア・前年比)

米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 +572万(5億3807万)
ガソリン +86.6万(2億5866万)
留出油  +156.8万(1億7583万)
(クッシング地区)
原油 -227.9万(4944万)
*()は在庫総量

FOMC政策金利 11日3:00
結果 0.00-0.25%
予想 0.00-0.25% 現行 0.00-0.25%

+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《6/10 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*安倍首相
香港への統制 G7での発信に主導的役割果たす
日本も憂慮を表明している、香港情勢で
一国二制度を前提にしっかりと考えていくことにおいて、G7で声明を発出していく
(衆議院予算委員会)

*関係者
日銀は今月会合で政策維持の公算、コロナ対応の効果見極め
長期金利が安定している限り超長期金利の柔軟な変動は許容
現行イールドカーブに問題ない、過度なフラット化は望まず
金利は低位安定が重要、スティープ化強調する局面ではない
(事情に詳しい複数の関係者がブルームバーグに明らかにした)

【中国】
*中国、重大な懸念を示す、香港に関する安倍首相発言に

【米国】
*FOMC声明
ウイルスがもたらすリスクは非常に大きい。
米国債とMBSは少なくとも現行ペースで購入。

*FOMC経済見通し()は12月時点 
実質GDP 
20年 -6.5%(2.0%)
21年 2.0%(2.0%)
21年 5.0%(1.9%)
22年 3.5%(1.8%)
長期 1.8%(1.9%)

失業率 
20年 9.3%(3.5%)
21年 6.5%(3.6%)
22年 5.5%(3.7%)
長期 4.1%(4.1%)

PCE   
20年 0.8%(1.9%)
21年 1.6%(2.0%)
22年 1.7%(2.0%)
長期 2.0%(2.0%)

PCEコア 
20年 1.0%(1.9%)
21年 1.5%(2.0%)
22年 1.7%(2.0%)

*FOMCメンバー金利見通し(ドット・プロット)
2020年
0.125% 17人

2021年
0.125% 17人

2022年
0.125% 15人
0.375% 1人
1.125% 1人

*パウエルFRB議長
労働省の失業率は失業を十分反映してない可能性高い。
5月の米雇用統計は予想外にポジティブだった。
一部のセクターで指標が安定。
刺激策や雇用保険が家計を支援。
FRBは全手段の使用をコミット。
必要なら資産購入を調整する用意。
緊急貸出力の使用を維持。
イールドカーブコントロール(YCC)はなお議論の余地。
経済の道筋に多くの理事が異なった見方。
FOMC全体として下期回復を予想。
5月雇用統計は良好。だが道のりは長い。
大恐慌と現在では多数の相違点がある。
YCCの歴史で説明があった。
自身は長期の失業率の見通しを変えず。
長期の見通しを変更するのは時期尚早。
労働市場が5月に底打ちしたかどうかは不明。

*クドロー米国家経済会議(NEC)委員長
ウイルス感染はターニングポイントを通過した模様。
株式市場は経済が上向く予兆を示している。
アフリカ系米国人の雇用は改善する可能性。

【その他】
*OECD世界経済見通し
世界GDP予想、20年は6%減、21年は5.2%増
20年の世界GDP7.6%減も、新型コロナ感染第2波なら
日本GDP予想、20年は6%減、21年は2.1%増
加盟国GDP予想、20年は7.5%減、21年は4.8%増
米GDP予想、20年は7.3%減、21年は4.1%増
20年ユーロ圏GDP予想9.1%減、21年6.5%増
中国GDP予想、20年は2.6%減、21年は6.8%増

【ユーロ圏】
*カジミール・スロバキア中銀総裁
PEPPによる刺激策の拡大はデフレリスクについても最小化する
PEPPによる刺激策は市場の安定化を維持している

*ビスコ伊中銀総裁
イタリア経済は2020年に9.1から13.1%縮小する見込み
イタリア労働市場の状況は極めて困難
地域ごとのデータには経済が回復する兆候あらわている
(ブルームバーグのイベントで)

*デギンドスECB副総裁
力強い財政措置が必要。
ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を含
めすべての手段を調整する用意。
ユーロ圏経済は下半期に回復を見込む。
PEPPはインフレを感染前の水準に接近させる。

*バルニエEU首席交渉官
英国は重要な部分での譲歩を拒否。
英国は漁業権、規制統治で行動する必要。
移行期間の延長が好ましい。
移行期間延長しなければ時間がない。
英国はEUとの直接の経済的競争を目指している。
パンデミックは貿易交渉をより重要なもにした。
英国はEU単一市場からのつまみ食いはできない。
英国はEU以上に多くを要求している。
EUと英国の貿易関係は今ほど流動的になることはない。
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《本日予定されている主な経済指標》

【南アフリカ】
製造業生産高(3月)20:00
予想 -3.1% 前回 -2.3%(前月比)

【米国】
新規失業保険申請件数(6日までの週)21:30
予想 155.0万件 前回 187.7万件

生産者物価指数(5月)21:30
予想 0.1% 前回 -1.3%(前月比)
予想 -1.2% 前回 -1.2%(前年比)
予想 -0.1% 前回 -0.3%(食品エネルギー除くコア・前月比)
予想 0.4% 前回 0.6%(食品エネルギー除くコア・前年比)

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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