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ECB理事会結果など好感、ユーロ高円安ドル安の流れ強まる

見通し 

ECB理事会結果など好感、ユーロ高円安ドル安の流れ強まる

PEPPは拡大・延長。拡大幅は予想を超える6000億ユーロ規模

【東京市場】ドル円109円台

 ドル円は朝に109円台を付けた後、いったん108円80銭前後まで値を落とす場面が見られたが、午後に入ってドル高円安の動きが強まり、再び109円台を付けている。
 大幅続伸で始まった日経平均がマイナスに転じ、午後には一時下げ幅が100円を超えるなど、株高の動きが一服する場面が見られたが、大引けは81円高となり、4日続伸。リスク選好の動きが円売りを誘う展開が続いている。

 昨日の海外市場で1.1250超えまで上昇した後、少し調整が入って東京市場を迎えたユーロドルは朝方1.1230台を付けたものの、もう一段調整売りが入り、午後は1.1210-20を中心とした値動きに。ユーロ高の流れが継続もこの後のECB理事会を前に突っ込んだユーロ買いには慎重な姿勢が見られ、もみ合いに終始した。ECB理事会では政策金利の据え置き、量的緩和のうち、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の拡大、期間延長などが見込まれており、積極的な緩和姿勢の維持がユーロ買いの材料になるのではとの期待見られる。
 

【ロンドン市場】ECB理事会PEPPの拡大延長

 注目されたECB理事会までは売買が交錯。
ドル円は一時109円16銭まで上昇も続かず。

 ECB理事会ではPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)について
購入額を7500億ユーロから1兆3500億ユーロへ6000億ユーロの拡大。
期間を年末までから来年6月末までの延長を決定。

 予想を超える購入額の延長にユーロは大きく買いが入る展開に。

【NY市場】ユーロ円主導でドル円もしっかり

 ユーロ円は121円台から124円近くまで上値を伸ばした。
ドル円も109円20銭近辺まで上昇と午後に入って上値を伸ばす格好に。
ユーロドルは3月以来の1.13台に乗せるなど、ユーロ買いドル安円安の流れ。

【本日の見通し】雇用統計にらむ

 ドル安円安ユーロ高の流れが継続。ドル円は109円台前半でのしっかりとした動きが続いている。
 
 ユーロはECB理事会でPEPP(パンデミック緊急供給プログラム)を
従来の7500億ユーロ規模・年末までから、1兆3500億ユーロ、来年6月までに拡大・延長を決め、ユーロ買いを誘った。
 ユーロドルは3月12日以来となる1.13台に乗せる展開。大台に乗せた後も上昇が続き、一時1.1360台まで。
ドル円が109円台まで載せる中、ユーロ円の上昇はより激しく、121円台から、124円近くまで上値を伸ばす展開に。

 こうした流れは今日も基本的には継続か。この後の雇用統計をにらみ、高値警戒感から少し調整が入る局面が見られる可能性も、
地合いはドル安円安ユーロ高。
 ドル円は109円台維持での推移が続くと、雇用統計の結果次第で110円台回復への期待感が広がる。

 米国雇用統計は800万人減が見込まれている。前回の2000万人を超える雇用減に続いての大幅な雇用減だけにさすがに警戒感も、
ある程度は織り込み済み。
また、ADP雇用統計は予想よりも減少幅がかなり小さいものにとどまっており、
雇用統計も同様に減少幅が小さくなるようだと、ドル買いに勢いが出る可能性も。

【本日の戦略】押し目買い

 
 ドル円は基本的に押し目買い
ただ、ドル円以外でドル売りの流れだけに買いが進みにくい面も。
クロス円の上昇は継続も、雇用統計&週末前の調整の意識もあり
押し目を待っての買いに回りたいところ。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《6/4 木曜日》
    ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  108.90  1.1233  122.34
高値  109.20  1.1362  123.97
安値  108.62  1.1195  121.85
終値  109.15  1.1338  123.74
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《6/4 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  22695.74 +81.98
DOW   26281.82 +11.93
S&P    3112.35 -10.52
Nasdaq  9615.81 -67.10
FTSE   6341.44 -40.97
DAX   12430.56 -56.80
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《6/4 木曜日の商品市場》
NY原油先物7月限(WTI)(終値)
1バレル=37.41(+0.12 +0.32%)
NY金先物8 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1727.40(+22.60 +1.33%)
-+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《6/4 木曜日に発表された主な経済指標》
【豪州】
貿易収支(4月)10:30
結果 88.00億豪ドル
予想 75.00億豪ドル 前回 104.46億豪ドル(106.02億豪ドルから修正)

小売売上高・確定値(4月)
結果 -17.7%
予想 -17.9% 前回 8.5%(前月比)

【スイス】
消費者物価指数(5月)15:30
結果 0.0%
予想 0.1% 前回 -0.4%(前月比)
結果 -1.3%
予想 -1.3% 前回 -1.1%(前年比)

【ユーロ圏】
ユーロ圏小売売上高(4月)18:00
結果 -11.7%
予想 -15.0% 前回 -11.1%(-11.2%から修正)(前月比)
結果 -19.6%
予想 -20.6% 前回 -8.8%(-9.2%から修正)(前年比)

ECB政策金利 20:45
結果 0.00%
予想 0.00% 現行 0.00%

【米国】
新規失業保険申請件数(05/24 – 05/30)21:30
結果 187.7万件
予想 184.3万件 前回 212.6万件(212.3万件から修正)(前週比)

貿易収支(4月)21:30
結果 -494億ドル
予想 -492億ドル 前回 -423億ドル(-444億ドルから修正)

非農業部門労働生産性指数(確報値)(2020年第1四半期)21:30
結果 -0.9%
予想 -2.7% 前回 -2.5%(前期比)

【カナダ】
国際商品貿易(4月)21:30
結果 -32.5億カナダドル
予想 -30.0億カナダドル 前回 -15.3億カナダドル(-14.1億カナダドルから修正)
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《6/4 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【米国】
*トランプ大統領
経済はわずかな時間でかなり良くなるだろう
この秋にはびっくりするよな経済の数字が見られるだろう
癒しが必要だ、また強さやタフさも必要だ
軍隊を年に配備する必要があるとは思わない
ワシントンDCはちゅきゅう上で最も安全な場所であり、状況に配慮している。
NY市に関してはNY市が助けを求める必要がある。
習氏が制裁を受けるべきであるとは考えていない
WTO(世界貿易機構)が災厄となっている
ソーシャルディスタンス(社会的距離)の必要性は終わっていない
通常の状況に戻ってほしいと願っているが、現状はまだ少し早すぎる。

【ユーロ圏】
*スペイン議会
国家非常事態宣言を今月21日まで延長することを承認。

【香港】
香港陳茂波財政官
香港は制裁を克服するための十分な準備と自信がある。
中国という強大な後ろ盾がある。
国家安全法導入により、長引く抗議デモで疲弊した香港が安定し、経済活動が回復する。
米国は香港への優遇措置で米国自身も利益を得ており、制裁実施は困難である。
香港ドルと米ドルとのペッグ制については維持のために十分な用意がある。

【英国】
*英中銀ハウザー氏 
近い将来にマイナス金利は導入されないだろう
ただ、マイナス金利が決定されれば、正しいこととして行動する
世界的な新型コロナ第2波が広がれば、市場は再び緊張することに
経済データは継続的に予想を下回るだろう
(アンドリュー・ハウザー英中銀市場部門エグゼクティブ・ディレクター)

【ユーロ圏】
*アトマイヤー独経済相
独経済が危機以前の状況に戻るのは2022年下半期となろう

*ECB
主要政策金利を0.0%据え置き
預金ファシリティー金利-0.50%据え置き
限界貸出ファシリティー金利+0.25%据え置き
パンデミック緊急購入プログラムを6000億ユーロ増額
パンデミック緊急購入を少なくとも2021年6月まで延長
PEPPの保有債券を少なくとも2022年末まで再投資

*ラガルドECB総裁
第2四半期の経済縮小は前例のない規模に
厳しい雇用や所得の減少が消費を減退させている
経済は底入れの兆候を示している
ECBは必要に応じてあらゆる政策手段を調整する用意
ECBは責務の範囲内で必要とされるすべてのこと行う
回復のスピードと規模は依然として極めて不透明
第3四半期には経済が上向きに転じる見込み
ヘッドラインのインフレは引き続き中期的の抑制されよう
欧州委員会の支援ファンド計画を大いに歓迎
財政措置は的を絞り、一時的に
ECBはPSPPについて良い解決策見出すと確信、独裁判所判断で
ECBは常に政策のコストとベネフィットを精査している
ECB、今回の会合で行動が必要との点で全員一致

*ECB 
2020年インフレ見通しは0.3%、基本シナリオで
2021年インフレ見通しは0.8%、基本シナリオで
2022年インフレ見通しは1.3%、基本シナリオで

2020年成長見通しはマイナス8.7%、基本シナリオで
2021年成長見通しはプラス5.2%、基本シナリオで
2022年成長見通しはプラス3.3%、基本シナリオで
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《本日予定されている主な経済指標》

【日本】
景気一致指数・速報値(4月)14:00
予想 82.7 前回 90.2

景気先行指数・速報値(4月)14:00
予想 76.3 前回 84.7

【シンガポール】
小売売上高(4月)14:00
予想 -27.0% 前回 -1.3%(前月比)
予想 -34.9% 前回 -13.3%(前年比)

【ユーロ圏】
ドイツ製造業受注(4月)15:00
予想 -19.9% 前回 -15.6%(前月比)
予想 -29.7% 前回 -16.0%(前年比)

【カナダ】
失業率(5月)21:30
予想 15.0% 前回 13.0%

雇用者数(5月)21:30
予想 -50.00万人 前回 -199.38万人

Ivey購買担当者景況感指数(5月)23:00
予想 N/A 前回 22.8

【米国】
失業率(5月)21:30
予想 19.1% 前回 14.7%

非農業部門雇用者数(5月)21:30
予想 -750.0万人 前回 -2053.7万人

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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