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カナダ中銀声明で一気にカナダ売り

見通し 

カナダ中銀声明で一気にカナダ売り

ドル円はもみあい、110円台での買いに慎重

ポンドは楽観指数が予想をはるかに超える好結果で買いが入る

【東京市場】新型肺炎に対する警戒感に一服感

 ドル円は110円台を回復。前日の海外市場で109.76円まで調整が進み
いったん調整ムードが落ちついた。
 新型コロナウイルス感染拡大への懸念は継続も、過剰な警戒感からの反応には慎重で
ドル売り円買いが落ち着く中で、もともとのドル買い円売り基調に復した。
 2002年から03年にかけてのSARSの時に比べ、
中国政府の対応がオープンなものとの思惑も警戒感一服に寄与。
 

【ロンドン市場】ポンド高

 ドル円は110円台を維持できず109円台へ。
高値から積極的にドル買いを仕掛ける勢いに欠けた。

 動きを見せたのがポンド。
英産業連盟(CBI)による製造業受注指数が前回から改善。さらに楽観指数は予想をはるかに超えてプラス圏を回復と
好結果が見られたことがポンド買いに。
今月末のブレグジットを前にした英産業間の楽観論はサプライズというところも。
ポンドは対ドルで1.3040近辺から1.31台を回復へ。

 ユーロはもみ合い。イタリア五つ星運動の党首辞任なども影響は限定的。

【NY市場】カナダ中銀声明受けてカナダ売り

 きょうのNY為替市場は落ち着いた動きとなった。中国湖北省武漢で発生した新型コロナウイルスの感染拡大懸念が重石も、昨日東京午前に少し懸念が落ち着く形で110円台を回復。
もっともその後は再び調整売りの動きが広がり、NY市場では109円83銭まで値を落とす展開となった。

 下がったところでは買いが出る流れも、110円台の買いにも慎重。方向性を探る展開に。
 昨日警戒感が強まった新型コロナウイルスに関する警戒感がやや後退しており、東京市場からドル円、クロス円の買い戻しが入る展開が見られた。
NY市場では中国政府が同ウイルスが発生した湖北省武漢市へ発着する航空機、電車、長距離バス、市内の公共交遊期間などを停止することを発表し、事実上の封鎖に踏み切るという積極対応を見せたが、相場への影響は落ち着いたものとなった。

クロス円はや頭の重い展開。ユーロ円は東京市場から何度から122円台を試すも維持できず。NY市場朝方の対ドルでのユーロ買いに支えられての上値トライでは122円ちょうどを付けきれずに、いったんの調整となった。

 ユーロドルは振幅、朝方欧州株式市場の堅調な動きや、ポンドドルの上昇などに支えられ1.11手前まで上昇も、すぐに1.1070近辺まで下落という流れ。その後1.1090台を回復と、振幅の目立つ展開に。

 ポンドドルはロンドン市場からの上昇がNY午前まで続いた。英産業連盟(CBI)による楽観指数が、予想外にプラス圏。前回の-44、予想の-20に対して、+23の好結果に、ポンド買いが広がった。
 今月末のEU離脱を前に、英産業界で悲観論が広がっていないという状況にポンド買いで反応した形。

 カナダ中銀金融政策会合の結果発表があったカナダドルは、一気にカナダ売り。10会合連続の据え置き自体は織り込み済みも、声明が予想を超えて慎重なものとなった。
 これまで見られた主要金利水準は適切の文言が削除され、直近の景気鈍化の指摘と、今後どこまで続くのかを注視するという慎重な姿勢、昨年第4四半期GDP見通しの大幅引き下げなどが、今後の利下げ期待につながった。ドルカナダは1.3040近辺か
ら一時1.3150超えまで。

【本日の見通し】レンジ取引も、上値期待

 ドル円は109円台後半から110円にかけてのレンジ取引が基本も、
上値期待の展開に。
 新型コロナウイルス感染拡大懸念が後退してきており、ドル買い円売りが入りやすい面も。
同問題を受けてのこれまでの円買いの動きが落ち着いたものとなっており、ドル買い円売りに安心感も。
110円30銭を付けると弾みがつきそうだが、その手前には売り意欲も噂されるところ。

 ユーロはECB理事会を控えているだけに、動きにくい。
ラガルド総裁は戦略検証を発表の予定。インフレターゲットの目標値自体の検証や
インフレとその他の目標の分割なども含めて、大きな変更姿勢が示される可能性があり
相場としても神経質なイベント待ちに。

 ポンドは利下げ期待が一服していることが買いを誘いそう。一時7割以上、直近でも6割以上となっていた
今月30日の英中銀金融政策会合(MPC)での利下げ割合は55%程度まで落ちてきており
利下げ・据え置きの見通しが拮抗。利下げを織り込みにかかった動きにはいったん調整が入る可能性も。

【本日の戦略】押し目買い

 新型コロナウイルスへの警戒感については今回の中国の対応で一服感が広がる可能性がありそう。
ドル円は再びの110円台トライが期待されるところ。突っ込んだ買いは避けたいが109円台を丁寧に買い下がりたい。
 109円台半ば割れでストップ。
 理事会を控えるユーロは動きにくい。1.11前後での神経質な推移か。
 ポンドは利下げ期待が後退しており、若干しっかり。もっとも大勢の見通しはまだ若干利下げが優勢で、突っ込んだ買いには慎重。押し目を買いに回る展開か。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

-+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《1/22 水曜日》
    ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  109.87  1.1082  121.77
高値  110.10  1.1098  122.01
安値  109.83  1.1070  121.62
終値  109.84  1.1093  121.83

—+—+—+—+—+—+—+–+–
《1/22 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  24031.35 +166.79
DOW   29186.27 -9.77
S&P    3321.75 +0.96
Nasdaq  9383.77 +12.96
FTSE   7571.92 -38.78
DAX   13515.75 -40.12

—+—+—+—+—+—+—+–+–
《1/22 水曜日の商品市場》
NY原油先物MAR 20月限(WTI)(終値)
1バレル=56.74(-1.64 -2.81%)
ブレント先物MAR 20月限(ICE)(終値)
1バレル=63.21(-1.38 -2.14%)
NY金先物2 20月限(COMEX)(終値)
1オンス=1556.70(-1.20 -0.08%)

–+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《1/22 水曜日に発表された主な経済指標》

【韓国】
実質GDP・速報値(第4四半期)8:00
結果 1.2%
予想 0.7% 前回 0.4%(前期比)
結果 2.2%
予想 1.9% 前回 2.0%(前年比)

【南アフリカ】
消費者物価指数(12月)17:00
結果 4.0%
予想 4.0% 前回 3.6%(前年比)
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.1%(前月比)

【英国】
公共部門ネット負債(12月)18:30
結果 40億ポンド
予想 46億ポンド 前回 42億ポンド(49億ポンドから修正)

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(01/11 – 01/17)21:00
結果 -1.2%
予想 N/A 前回 30.2%(前週比)

中古住宅販売件数(12月)23日0:00
結果 554万件
予想 543万件 前回 535万件

【カナダ】
消費者物価指数(12月)22:30
結果 0.0%
予想 0.0% 前回 -0.1%(前月比)
結果 2.2%
予想 2.3% 前回 2.2%(前年比)

カナダ中銀政策金利 23日0:00
結果 1.75%
予想 1.75% 現行 1.75%

+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《1/22 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【米国】
*USTR
中国との第1段階合意が2月14日に発行する。
発行と同時に対中関税を現行の15%から7.5%に引き下げる。

*トランプ米大統領
FEDの利上げは大きな過ちだった。
利上げしなければ、GDPは約4%に、ダウはあと1万ポイント上昇していただろう。
米国は利下げすべきだ。
ドルは強すぎる。
(CNBCで)
減税計画を90日以内に発表へ。
EUと合意できなければ、欧州勢自動車に25%関税を賦課せざるを得ない。
(FOXビジネス)
欧州やアジアから米国の進出する企業が増えている。
対欧州自動車課税は早期に賦課すること予定。
(ブルームバーグ)

*ムニューシン米財務長官
米中第二弾合意には期限は無い。
米中第二弾合意は大統領選前後に実現する見込み。

【中国】
*中国国家発展改革委員会副主任
米国との「第2段階」交渉の日程は決まっていない。

【中国新型コロナウイルス】
*中国国家衛生健康委員会
中国国内で21日までに440人の感染が確認され、9人が死亡した。
春節に伴う旅行で政府は状況を真剣に受け止めている。
ウイルスを知るためWHOの専門家を招いた。
武漢市は生きた動物の取引を禁止する。
ウイルスは変異する可能性があり、疫病の発生状況はさらに拡大する危険がある。
スーパースプレッダーの可能性はある。

*中国政府
武漢市の公共交通機関・長距離バスの運行取りやめを決定した。
さらに武漢に発着する航空便、武漢と外部を結ぶ鉄道運行なども中止。
事実上武漢を封鎖する格好となっている。

*マカオ 
新型コロナウイルスで最初の感染例を確認。

*香港林鄭月娥行政長官
中国新型ウイルスについて、香港は最悪のシナリオに備えている。
いつでも感染の可能性はあると人々に警告している。
香港はSARSとの闘いで多くを学んでいる。

*北朝鮮
新型コロナウイルス感染予防として中国からの観光客の受け入れを停止。

【英国】
*カーニー英中銀総裁
気候変動に対応する計画が必要とされている。
気候変動関連の投資へと方向性が変化してきている。
炭素税が多くの必要とされる措置のひとつ。
気候変動リスクの重要性が増している。
ジョンソン英首相は気候変動に極めて強く焦点当てている。
(ダボス会議で)

*ジャビッド英財務相
英国とEUの貿易合意が実現可能なタイムテーブルだ。
英国とEUの貿易合意にはサービス部門含まれること可能。
総選挙以降、信頼感が大幅に増している。
(ダボス会議で)

【日本】
*月例経済報告(内閣府発表)
総括判断を据え置き
景気は、輸出が引き続き弱含む中で、製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、緩やかに回復している。
先行きは当面弱さが残るものの、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待される。
留意が必要な海外経済動向に中東情勢を追加(従来は通商問題や中国経済、英EU離脱)

設備投資を下方修正
機械投資に弱さが見られるが、緩やかな増加傾向にある」から「緩やかな増加傾向にあるものの、一部に弱さが見られる」へ変更。

国内企業物価
「このところ下落テンポが鈍化している」から「このところ横ばいとなっている」に変更。

世界の景気判断を据え置き
全体としては緩やかに回復しているが、そのテンポは鈍化している。

中国を上方修正(39か月ぶり)
緩やかな減速が続いている。

【カナダ】
*カナダ中銀金融政策決定会合声明
景気減速がより持続的になるのかを注意深く見ている
消費者信頼感、消費支出は期待外れに弱い
経済は直近まで限界近くで推移。
経済データは近い将来の成長が弱いことを示している。需給ギャップは拡大へ
第4四半期GDP見通しを10月時点の+1.3%から+0.3%に下方修正
世界経済は安定化の見通し
2021年末にはいくぶんか強いアウトプットに
2020年の個人消費の拡大は力強いものに
直近の通商拡大はポジティブ
第1四半期経済成長見通し、10月時点の+1.7%から+1.3%に引き上げ
住宅価格は直近で力強い
内需の成長が冴えない
2019年終わりにかけて輸出が減少、企業投資は力強い第3四半期の後、鈍化。
※これまでの声明で見られた「主要金利は適切」との文言削除

–+—+—+—+—+—+—+–+—+-
《本日予定されている主な経済指標》

【日本】
通関ベース貿易収支(12月)8:50
予想 -1531億円 前回 -852億円(-821億円から修正)
予想 -2360億円 前回 -608億円(季調済)

全産業活動指数(11月)13:30
予想 0.4% 前回 -4.3%(前月比)

景気先行指数・改定値(11月)14:00
予想 N/A 前回 90.9 

景気一致指数・改定値(11月)14:00
予想 N/A 前回 95.1

【豪州】
失業率(12月)9:30
予想 5.2% 前回 5.2%

雇用者数(12月)9:30
予想 1.00万人 前回 3.99万人

【シンガポール】
消費者物価指数(12月)14:00
予想 0.2% 前回 0.3%(前月比)
予想 0.7% 前回 0.6%(前年比)

【ユーロ圏】
ECB政策金利 21:45
予想 0.00% 現行 0.00%

ユーロ圏消費者信頼感・速報値(1月)24日0:00
予想 -7.8 前回 -8.1

【米国】
新規失業保険申請件数(18日までの週)22:30
予想 21.5万件 前回 20.4万件

景気先行指数(12月)24日0:00
予想 -0.2% 前回 0.0%(前月比)

【NZ】
消費者物価指数(第4四半期)24日6:45
予想 0.4% 前回 0.7%(前期比)

-☆-★-☆-★-☆-★-☆-

執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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