月間のアノマリーに突入
日経平均、5日線割れのパターン
短期的な調整に入ったことになります。日経平均が5日線を割りました。
この5日線割れというのは、今年は月末から月初にかけて、いわゆる「月間のアノマリー」に入るところで頻繁に相場下落をしています。
アノマリーと言われるだけあって、下落する確率は顕著です。
はっきりと下落調整したことがわかるのが、6回発生しています。その際に一体5日線割れが、どのくらいの日柄かどうか確認してみましょう。
2-3月 4日
4-5月 9日
5-6月 5日
8-9月 9日
9-10月 10日
平均しますと7.4日間、5日線を割っています。
本日の5日線割れを初日とすれば、営業立会日で言えば13日に浮上する勘定になります。
本日は、容易に想像されたのは、朝の一撃安が一番安くて、その後逐次ショートカバーが入って下げ幅縮小というものでした。
前場、その流れでしたが、後場が心配されていたのですが、結局下げ幅縮小の流れは変わらず。
最終的に日経平均は、76円安の22,850円。
前回の5日線割れのケース
5日線は22,892円ですから、残念ながら、わずかにこれを下回ったままで終わりました。
ただ、9月25日にも、同じように天井から下げ始めたときに、5日線割れとなり、引けで20円届かず終わっているケースがあります。前回の戻り高値更新後のチャートです。結局このときは5日線を翌日奪回したものの、引けではやはり割れてしまい、10月4日までずるずると700円級の下げに発展していってしまった経緯があります。
個人的には今回の押しは、「月間のアノマリー」ではあるものの、さほど深いものにはならないだろうとは期待しているのですが、こればかりはわかりません。
マクロミクロの材料が次第に涸渇していく端境期です。
ファンドが損益通算前にポジションを縮小するとしたら、最後の局面です。
仮に、それに似たような相応の下げに発展するという場合(一応これも視野にいれておかないといけません)、目先目安となるのは当然25日線です。これは22,187円ですから、本日の終値からは663円です。今日の下げを含めれば、ちょうど700円超ですから、前回と下げ幅としてはアイコになるわけです。
そうした短期的な相場調整は、十分ありうると思っていれば、何事も対応が合理的になるでしょう。そこまでの下げにならずに、横這いに近い日柄調整になってくれるほうが、もちろんわたしたちとしてはありがたいですが。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。