日経平均は、たいていロクなことが無い高値引け
東京は下げ渋りか
当然の続落でしたが、小幅なものです。
週末ですから、売り方のショートカバーも幾分入ってもいいはずのところでした。後場には、恒常的にプラス圏に浮上する状況となっています。
日経平均と移動平均線との位置関係はとくに異同がありません。グローベックス市場の米国株先物も、マイナスの気配が続きましたが、大した切り下げ方ではなく、あまり気にしなくてもいいような程度でした。
米国企業の決算発表を控えたプレアナウンスメントが終わろうとする今週末、そして今晩の雇用統計から下げ易い1週間が始まろうとしています。そのちょうど入れ替わりの今日は、下がるとすれば、一番安値をつけやすい一日でもあったということは、すでにご存じの通りです。今のところは、その思惑通り下げ渋り、ということだったのではないでしょうか。
物色動向も、明確な標的は出てきていません。ただ、次のステージをシクリカル(景気敏感)セクターだとすれば、やはり日経平均が急落しても、微動だにしなかった半導体の強さに、すべてが表れているのではないでしょうか。
多少の齟齬があっても、今週か来週が当面の安値をつけるはずだというのが当レポートの見方でした。これは変わりません。ということは、どこで反転するかが次の課題になってきます。
米国2年国債利回りの急低下
アメリカでは、一連の景気悪化という観測(市場が勝手にそう言っているだけですが)の中で、とりわけ米国10年国債利回りより、2年国債利回りの低下が急となっています。
10年利回りは9月3日の最低水準1.4297%に届かず、昨晩で1.5078%。
しかし2年利回りは9月5日の最低水準1.4238%を割って、すでに1.3642%とここ数年の最低を記録しています。
2年が、政策金利に近いわけですから、いかにもこのへんに10月のFOMCにおける利下げを、市場がほぼほぼ完全に織り込んでいると言う様子が表れています。
この流れがどこまで続くかというと、月末のFOMCまで、と市場関係者は考えているのでしょう。
わたしは、それが覆されるとすれば、10日の米中協議再開から、15日の対中関税引き上げまでであろうと思っているわけです。材料出尽くしです。
ドル円が崩れてきているわけですが、これは上記の米長期金利の低下に沿って円高になってきているわけです。
これでは日経平均は上がれません。
従って、せっかくつくったキャッシュを動員して、現物株を買いに行くというのは危険です。
戦略方針
寄付から日経レバレッジETF<1570>処分して、日経ダブルインバースETF<1357>買いに変更。今週はこのまま維持ですが、来週は6週線を超えたら、即座に日経レバレッジETFに戻すことになります。
仮に週初にそのドテン反対売買のシグナルが点灯した場合、週末の確定足がどうなるかを待たず、即座に日経レバレッジETFに入れ替えるべきだと思っています。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。