下落も限定。5日線割れも軽微。
どちらかというと小型・新興市場が耐久力を見せる
昨日、思いのほか堅調だった東京市場ですが、さすがに本日は下げて始まりました。
ただ、グローベックスは前場後半には70ドル高にまで気配を切り上げる展開となり、日経平均も下げ幅を縮小。
最終的には78円安の22,020円。
物色がディフェンシブ優勢なのは致し方ありません。セクターでも電力のほかでは、医薬品がかたまりで高い一日でした。ただ、米国長期金利低下にもかかわらず、好感する不動産セクターと、忌避する銀行セクターが、いずれもプラス圏で推移するなど奇妙な対照を見せていました。
ディフェンシブ系優位ということで、東証REIT指数や債券の代用品と揶揄されるOLC<4661>は高値更新ですが、一方で、任天堂<7974>が大きく値崩れ起こすなど、異変も散見されました。コロプラ<3668>もかなりの上ヒゲになっています。
当レポートでは、ゲーム→バイオといった物色の流れは、明らかに相場全体の方向性が定まるまでの「幕間つなぎ」であるという受け止めかたですが、この「幕間つなぎ」は、本日の場合、日経新聞朝刊「スクランブル」で取り上げられていた、インバウンド関連の一角にも及んでいるようです。
昨日とは反対に思ったほどは下げない、という展開になりました。
あいかわらず配当取りの動きが相場全体を支えている構図は変わらないようです。
インバウンド関連の深堀
本日の日経新聞朝刊「スクランブル」は、手垢がついたようなインバウド関連株の深堀という切り口で解説がありました。
単純な従来の爆買いではなく、裏方として広く需要を取り込んで稼ぐビジネスが物色されているというのです。
列挙されていたのは、たとえば、ビリングシステム<3623>です。中国で普及するスマホ決済のアリペイやウィーチャットペイなどに対応するサービスを手掛けており、EC(電子商取引)で越境サービスなどを手掛けるBEENOS<3328>なども挙げていました。
しかし、どうもリストアップされた6銘柄を見る限り、移動平均線を完全に上回っているような投資適格銘柄は、手間いらず<2477>が唯一の存在です。
どうも個人的にはこの分野にまで物色が及ぶということは、よほど「手」が見つからないことなのだとう、そう思いました。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>のフルポジション。このままホールドです。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。