日経平均、やはりまだ5日線を抜けない
事実上、鳴かず飛ばずの一日
昨晩のアメリカからして、あまり正体の無い相場展開でした。日本に期待するのも無理でしょう。
11営業日連続の1兆円台という薄商い。外人がまだ今週一杯は夏休み中ですから、致し方ないところです。
日経平均は一応プラス圏での推移がほとんどの時間を占めていましたが、値幅は極端に小さく、日経平均でわずか78円でしかありませんでした。
物色動向も、景気敏感なのか、ディフェンシブなのか、混在していてはっきりしませんでした。ドル円は気持ち円安気味でしたが、これも動きがあったとは言えません。
グローベックス市場では米国株先物は、小じっかり(NYダウ工業株で、50-70ドル高の気配)でした。
アジアは、総じて似たような小刻みな動き。多くはプラス圏ですが、上海は東京引け時点では0.3%前後の下落で小甘いようでした。
強いて言えば、物色は任天堂<7974>、Klab<3656>など、ゲーム系が比較的目立っていたように思います。
日経平均は、23円高の20,479円でした。
トランプ大統領のツイッター~キャピタルゲイン減税・給与減税の話
(ツイッターは、ゴーストライターの手によるもの)
先週、トランプ大統領が、ツイッターで「キャピタルゲイン減税と給与減税を検討している」とつぶやき、翌日ただちに否定、「これは富裕者層のみにメリットがあるということで、不人気になりそうだから可能性はないな」としました。
ここで重要な点ですが、トランプ大統領のツイッターは、恐らく本人はなにも行っていないだろうという点です。
彼ではなく、大統領選挙のころから、ほぼ確実にゴーストライターが複数存在していて、彼らが戦術的にツイッターを積極的に活用し、世論操作、世論誘導、世論チェックを行っているのだとわたしは考えています。
大統領にはそんな暇などありません。そのような小細工を弄するようなことを、大統領はしないでしょう。
(恐らくは、世論の反応を見た)
今回のキャピタルゲイン減税や給与減税のツイッターですが、これらは明らかに大統領府が、世論の反応を見るために行ったのでしょう。
ツイッターにあるように、「富裕者層有利だ」ということで、反感を買うのか、それとも大した批判は無いか、です。
いずれにしろ、大統領府がこの案件をすでに検討しているということは間違いない事実でしょう。
すでに8月20日には、積年の課題とされていた金融規制(ボルカールール)の緩和に一部踏み切っています。
次第にこの緩和策は拡大するようになっていくはずです。
(キャピタルゲイン減税が行われるとどうなるか)
キャピタルゲイン税が変更されれば、株や不動産などの資産売却時に取得時の価格をインフレ調整するため投資家には減税となります。この変更はクドロー米国家経済会議(NEC)委員長が以前から目標としてきたもので、同委員長は、国民が「幻の所得」に課税されなくなるためこの政策により雇用創出や経済成長に弾みがつくと説明しています。
ムニューシン米財務長官は7月、キャピタルゲイン税とインフレ率をリンクさせる案について、議会での法制化を経ずに新規則で実施できるかどうか検討していると述べており、それ以来この問題に関心が高まっているようです。
実際には法制化が必要だとの意見もあるので、法的なハードルに直面する可能性が高いことは確かです。
また、恩恵を受けるのは主に投資収益のある高額所得者となるため、トランプ大統領の支持基盤の一部を遠ざける恐れもあるわけで、選挙戦を考えた場合に、大統領府がこれを取り上げるか取り上げないかは、まだ当然わかりません。
民間の試算によると、恩恵の63%余りは高額納税者上位0.1%が受けることになり、その額は向こう10年間で1,020億ドル(約11兆3,300億円)に上るといいます。
とんでもない金額であることは事実ですが、これが景気浮揚や相場上昇に効果的に活用されるかというとまた別問題です。
さまざまな検討がこれからまだ行われていくのでしょう。
戦略方針
日経ダブルインバースETF<1357>のホールド続行です。
20,800円台の6週線を一気に突破する動きにもなりにくいでしょう。9月1日のレイバーデーがあり、米国が3連休となりますから、動きがあるとすれば、連休明けの来週です。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。