短期底入れのきっかけをつかめたか?
日経、つっこみから下げ幅縮小
日経平均は、当初20,110円まで610円安しましたが、その後下げ幅縮小して、最終的には134円安の20,585円。
この間グローベックス市場ではNYダウ工業株先物が510ドル安まで気配切り下げていましたが、次第にこれも下げ幅縮小。さらに後場には130ドル高へと気配をむしろ切り上げてきました。後場後半には、70ドル高に切り上げ幅を縮小、引け時点では90ドル高の気配です。
ちなみに、中国上海コンポジット指数は2.43%下落と大きく値崩れしており、50日線を完全に下放れてしまいました。
底入れを兆候を整理してみる
朝刊で述べたように、出来高先行の原則から目安を立てたのは、米国株市場の最大出来高からの日柄差でした。それによると、今日の東京市場か、今晩のアメリカ市場で底入れする可能性が一つ示されていたわけです。
もう一つは、東証における年初来安値更新銘柄数ですが、これは昨日が516銘柄、本日は691銘柄ということですから、今日が今のところは最多ということになります。これが最大数値になるとしたら、その場合は今日が東京の底入れだったという確認ができるという話になります。いずれにしろ、今日明日の話です。
本質はチャイナショックである
ここ3日間にわたる、内外株式相場の滑落というものは、一見すると米国景気悪化と見間違えそうですが、この点はほとんどなにも変化がありません。
むしろ雇用統計で、賃金上昇率が思いのほか強かったということからみても、むしろこの線は無いでしょう。
それよりも、本質はやはり人民元急落、1ドル7元の壁が決壊したことが大きいでしょう。
そうだとすると、FOMC後、本来であれば「利下げ」織り込み、一巡から株高となり、国債は利益確定で売られて長期金利は上昇してもおかしくなかったのが、どういうわけか株高でも長期金利は一段と激しく低下(国債が買われた)したことも説明がつきます。
つまり、中国から資金流出があり、それが良質のマネーの場合には米国債を買い、投機的なマネーはビットコインをドル建てで買いにいった、という構図です。
いずれも価格上昇しているわけです。
このように、中国発信の金融危機を警戒する動きがこの3日間の下げの本質だとすると、おそらくこれは早晩落ち着き、反発する類のものだろうと考えられます。
戦略方針
すでに日経ダブルインバースETF<1357>の買い持ち持続です。6週線、3週前の終値の二つを抜かない限り、日経レバレッジETF<1570>に入れ替えることはできません。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。