ミクロ、出尽くしになるか
日経平均、200日線奪回
思いのほか強い一日でした。あれよあれよと言うまに日経平均は200日移動平均線を奪回。
これで、完全に安全圏に戻れたことになります。
日経平均は204円高の21,620円。
ドル円も108円台に復帰。
グローベックス市場ではNYダウ工業株先物が、終日ほぼプラス圏で推移していました。
当レポートでは、あれもこれもというわけにいかないので、相場を動かすキーになるものをいつも探しています。このところ、トヨタ自動車<7203>と半導体の二つに絞ってきたわけです。
今のところは、このへんがやはり「当たり」のような感じになっています。
ミクロの出尽くしになるか
(減益を織り込み済にする相場)
日経新聞朝刊「スクランブル」によれば、S&P500の4-6月期の純利益は、前年同期比で0.9%減見通し。7-9月期は2.4%の減益予想ということです。
これがだんだん進捗していくうちに改善するか、悪化したとして(それが極端な悪化でなければ)株式相場が織り込み済の反応をしてくれるか、がポイントです。
(安川電機にみる相場の転換)
今回日本の決算で皮切りとなった安川電機<6506>は、シクリカル(景気敏感)系の最たる銘柄ですが、決算発表後に値を崩し、出鼻をくじかれましたが、安値をつけたのは、発表翌日だけで、その後は底打ち反発。現在ではすべての移動平均線を上回っています。安川電機がこの動きですから、市場の軸足はどうやら景気敏感系に移っているということになりそうです。
(政策の思惑)
「スクランブル」は、そこで政策ということをテーマにした解説を書いているわけですが、一般に政策発動というとどうしても大型のインフラ投資、とくに日本では建設投資のようなイメージがどうしても強いのですが、オリンピック需要が一巡し、輸入合板は値下がりしています。
「スクランブル」によれば、一般会計の剰余金は1兆3000億円だといいますが、年明けの通常国会で来年度予算を合わせて議論するとなれば、執行は来春になってしまいます。
従って、今年10-12月の消費増税対策用ということであれば、10月にも召集される可能性がある臨時国会での補正予算に注目が集まるということのようです。
(自動車vs農産物)
日経新聞のほかの分析記事では、事務方の日米協議を踏まえて、来月8月には閣僚級協議、そして9月には合意に持っていきたい、というのがアメリカの観測のようです。
これは米メディアの観測報道をもとにしているようですが、それによると自動車部品などにアメリカがなんらかの関税引き下げ等餌を巻き、反対に牛肉などのアメリカ産農業品に日本が大きな買い物をするような取引が算段されているということです。
これには、ホルムズ海峡の有志連合という、日本にとっては「痛いところ」もからめて交渉してくるだろう、と言います。
経済同友会は、人工知能や次世代高速通信5Gなどイノベーションの社会実装の推進を期待。
一方、建設業界からは、従来の不必要な財投の苦い経験もあって、社会批判も根強いことからか、東北はじめ大規模自然災害の復興・防災減災、国土強靭化、国民の社会資本整備といった優先度で国策に期待をしているようです。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>の買い持ちをホールド中。処分売りのシグナルが点灯していたのですが、微弱なものだったので、(週末までまだ日があるということもあって)一応我慢して持ち続けました。
本日はラッキーなことに、売りシグナルの点灯は消滅。なんとか日経レバレッジETFホールドのまま、終えることができました。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。