ドル高円安強まる

見通し 

ドル高円安強まる

リスク警戒のドル全面高から、株高などを受けた円安に

半期末での実需買いなども

【東京市場】堅調地合い維持

 前日のNY市場でドル高円安の動きが強まり、一時107円80銭台まで上値を伸ばしたドル円。高値からの調整局面で107円台半ばがしっかりとしており、高値圏でのもみ合いが続く展開に。
 東京市場では株高の動きなどを好感してドル買い円売りが入る場面が見られた。しかしNY市場での高値に届かず、値幅は限定的なものにとどまっている。

 昨日の海外市場で1.1280台まで上昇した後、ドル高の流れに押されて1.1220前後まで値を落としたユーロドル。その後の調整で1.1250前後が重くなっており、1.12台前半での推移が続いている。

【ロンドン市場】中国国家安全法の成立で警戒感

 ドル買いの動きがやや優勢。ユーロドルが一時1.12を割り込む動きを見せた。
ポンドドルが1.2260近辺、豪ドルドルが0.6833近辺まで下押しされドル全面高。
ドル指数は6月2日以来の高値圏という展開に。
中国が香港に対する国家安全法を成立させたことに対する警戒感が、ドルへの資金集中を誘った格好に。

 ドル円は107円台後半推移が続いた。

【NY市場】108円手前まで

 ドル円の上昇がさらに強まり、108円手前まで。大台手前の売りを崩せずもしっかり。
半期末ということもありロンドンフィックスにかけて実需買いの動きが広がった。
さらにコンファレンスボード消費者信頼感指数の強さも支えとなりドル買いに安心感が広がっている。

 ロンドン市場からNY序盤にかけて1.11台を見せたユーロドルはユーロ円の買い戻しもあり1.12台半ばを付ける動き。
ポンドも1.24手前まで買い戻されるなど、クロス円の買いなどをきっかけに調整の動きが広がった

 ポンドに関してはジョンソン英首相が英国版ニューディール戦略と呼ぶ、50億ポンド規模のインフラ投資加速を発表したことも
ポンド買いに寄与した形。

【本日の見通し】ドル買い円売りの流れも、明日にかけての米指標に警戒感

 ドル買い円売りの流れが継続。
世界的なリスク警戒の動きがドルへの資金集中を誘っていることや
米経済自体はしっかりで株高の動きもあり円売りが入っていることなどが背景に。

 ただ、今晩のADP雇用統計、ISM製造業
明日の米雇用統計を前に警戒感も。
ただ、昨日の議会証言でパウエル議長は
雇用や消費が上向き、経済は想定よりも早く新たな局面にと発言しており
雇用の回復傾向は継続という見方が強い。
指標も事前予想通り景況感の回復や雇用の回復が継続しているようだと
ドル買いにもう一段の安心感につながる。

【本日の戦略】ドル円上値期待

 ドル円は108円台トライを期待
夜の米指標の警戒感などから下がったところを丁寧に拾いたい。
ただ、指標がかなり不安定で波乱含み。
リスクを意識してのポジション管理が重要

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《6/30 火曜日》
    ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  107.58  1.1242  120.94
高値  107.98  1.1262  121.43
安値  107.52  1.1191  120.59
終値  107.93  1.1234  121.24
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《6/30 火曜日の主要株式指数》
日経  22288.14 +293.10
DOW   25812.88 +217.08
S&P    3100.29 +47.05
Nasdaq  10058.77 +184.62
FTSE   6169.74 -56.03
DAX   12310.93 +78.81
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《6/30 火曜日の商品市場》
NY原油先物8月限(WTI)(終値)
1バレル=39.27(-0.43 -1.08%)
NY金先物8 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1800.50(+19.30 +1.08%)
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《6/30 火曜日に発表された主な経済指標》

【韓国】
鉱工業生産(5月)8:00
結果 -6.7%
予想 -2.5% 前回 -6.0%(前月比)

【日本】
失業率(5月)8:30
結果 1.20
予想 1.22 前回 1.32

失業率(5月)8:30
結果 2.9%
予想 2.8% 前回 前回 2.6%

鉱工業生産・速報値(5月)8:50
結果 -8.4%
予想 -5.9% 前回 -9.8%(前月比)
結果 -25.9%
予想 -23.1% 前回 -15.0%(前年比)

【中国】
製造業PMI(6月)10:00
結果 50.9
予想 50.5 前回 50.6

【英国】
実質GDP(確報値)(2020年第1四半期)15:00
結果 -2.2%
予想 -2.0% 前回 -2.0%(前期比)
結果 -1.7%
予想 -1.6% 前回 -1.6%(前年比)

経常収支(2020年第1四半期)15:00
結果 -211億ポンド
予想 -150億ポンド 前回 -92億ポンド(-56億ポンドから修正)

【スイス】
小売売上高(5月)15:30
結果 6.6%
予想 N/A 前回 -18.8%(-19.9%から修正)(前年比)

KOF先行指数(6月)16:00
結果 59.4
予想 77.0 前回 49.6(53.2から修正)

【香港】
小売売上高(5月)17:30
結果 -32.8%
予想 -31.8% 前回 -36.1%(価額ベース)
結果 -33.9%
予想 -33.7% 前回 -37.5%(数量ベース)

【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者物価指数・速報値(6月)18:00
結果 0.3%
予想 0.2% 前回 -0.1%(前月比)
結果 0.3%
予想 0.2% 前回 0.1%(前年比)
結果 0.8%
予想 0.8% 前回 0.9%(コア・前年比)

【南アフリカ】
GDP(第1四半期)18:30
結果 -2.0%
予想 -4.0% 前回 -1.4%(前期比年率)
結果 -0.1%
予想 -0.9% 前回 -0.5%(前年比)

貿易収支(5月)21:00
結果 159億ランド
予想 -98億ランド 前回 -350億ランド

【ブラジル】
雇用統計(5月)21:00
結果 12.9%
予想 13.1% 前回 12.6%(失業率)

【カナダ】
実質GDP(前月比)(4月)21:30
結果 -11.6%
予想 -12.2% 前回 -7.5%(-7.2%から修正)

【米国】
S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(4月)22:00
結果 3.98%
予想 3.80% 前回 3.91%(3.92%から修正)(前年比)

シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(6月)22:45
結果 36.6
予想 45.0 前回 32.3

コンファレンスボード消費者信頼感指数(6月)23:00
結果 98.1
予想 91.5 前回 85.9(86.6から修正)
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《6/30 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【カナダ】
*トルドー首相
国内の新型コロナウイルス感染状況は最悪期を脱した。
米国などで再び感染拡大していることから、経済を再開するにあたり引き続き警戒する必要。
年内に国内で感染の第2波が起きれば、対策を講じる財政的な余裕がある。

【豪州】
*デベル豪中銀副総裁
新型コロナウイルスの影響がおそらく長期化する見通し。
豪経済は継続的な支援を必要とする可能英が高い。
支援の多くは財政面となるが、豪中銀としては借り入れコストを低く抑え、
信用を維持するために、現状の緩和政策を継続し、より多くのことを実行する用意がある。
豪経済、依然に警戒していたよりも良い状態であることを最新のデータが示している。
経済鈍化と家計や企業への影響について歴史的に見ても大きいものであることに留意する必要。
先行きについては不確実性がある。
この不確実性が企業や家計の行動にも影響を与える。

【中国】
*中国全人代常務委員会、香港版国家安全法を可決
可決成立後、翌7月1日に香港返還記念日に合わせ施行。

*香港行政長官
我々は米国の制裁を恐れていない。

【新型コロナウイルス関連】
*米アリゾナ州
州内のバー、スポーツジム、劇場を30日間閉鎖するよう命じる。

*英政府
イングランド中部レスターで再び封鎖を行う。

*ドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン州のラシェット首相
食肉工場で集団感染が確認されたドイツ西部のギュータースロー郡のロックダウンを1週間延長。
感染拡大は落ち着きつつあるものの、予防措置として映画館やスポーツジム、バーの閉鎖を継続。

【英国】
*ホールデン英中銀チーフエコノミスト
英経済は新型ウイルスの影響受けて形成される。
英国や世界経済は現在、回復局面にある。
GDPの初期段階での落ち込みは前代未聞の規模だった。
経済をめぐる諸リスクは相当なもので、二面性を有する。
引き続き金融政策に依存せざるを得ないこと懸念。
見通しはより均衡してきているが、リスクは引き続き下向き。
今年下半期にマイナス金利について精査する。
個人的には追加策が必要かどうかについて「オープン・マインド」

*ジョンソン英首相
景気浮揚のために必要な追加措置行う用意。
税負担は適切なものに。
香港における国家安全法を強く懸念。
中国の法律を精査する。
インフラと安全保障についてバランスを保つべき。
財政環境は諸国と比較してより競争に優位であるべき。
失業についてまさしく危機に直面している。

*スナック英財務相
7月8日に最新の経済情勢を公表。

*カンリフ英中銀副総裁
多くの信用事由とデフォルトが起こる可能性が高い。
マイナス金利について、独断的な線を描いてはならない。

【ユーロ圏】
*シュナーベルECB理事
我々は極めて不透明な局面にある。
回復は多くの人が望むような素早いものにはならないだろう。
回復は緩やかになる公算が極めて高い。
(オンライン・イベントで)

【米国】
*パウエルFRB議長
財政問題については財務長官に委任。
地方債購入ファシリティにおける信用基準を見直している。
その見直しは一部地域を含めることができるかが目的。
銀行システムは強固。
銀行の資本基準の強化は見込んでいない。
小規模企業の困難は大きな経済的影響をもたらす可能性。
感染第2波は信頼感を低下させる可能性。
コマーシャルペーパー(CP)市場は実質的に回復。
メインストリート融資の上限の引き下げは検討していない。
雇用や消費が上向き、経済は想定よりも早く新たな局面に

*ファウチ所長
米国の感染は1日に10万人増える可能性も。
管理しなければ、感染は2倍超に拡大する可能性。
米国はすべて管理下に置いていない。
パンデミックで米国は間違った方向に行っている。
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《本日予定されている主な経済指標》

【日本】
日銀短観(第2四半期)8:50
予想 -31 前回 -8(大企業製造業・業況判断)
予想 -24 前回 -11(大企業製造業・先行き)
予想 -20 前回 8(大企業非製造業・業況判断)
予想 -15 前回 -1(大企業非製造業・先行き)
予想 1.3% 前回 1.8%(大企業全産業・設備投資)

【英国】
ネーションワイド住宅価格(6月)15:00
予想 -0.6% 前回 -1.7%(前月比)
予想 0.9% 前回 1.8%(前年比)

CIPS製造業PMI・確報値(6月)17:30
予想 50.1 前回 50.1

【ユーロ圏】
ドイツ小売売上高(5月)15:00
予想 3.5% 前回 -6.5%(-5.3%から修正)(前月比)
予想 -3.2% 前回 -6.4%(-6.5%から修正)(前年比)

ドイツ失業者数(6月)16:55
予想 12.0万人 前回 23.8万人

ドイツ失業率(6月)16:55
予想 6.5% 前回 6.3%

ドイツ製造業PMI・確報値(6月)16:55
予想 44.6 前回 44.6

ユーロ圏製造業PMI・確報値(6月)17:00
予想 46.9 前回 46.9

【スイス】
SVME購買担当者景況指数(6月)16:30
予想 48.0 前回 42.1

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(26日までの週)20:00
予想 N/A 前回 -8.7%(前週比)

ADP雇用者数(6月)21:15
予想 295.0万人 前回 -276.0万人

ISM製造業景気指数(6月)23:00
予想 49.5 前回 43.1

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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