ドル円は１５５円台後半に高値伸ばす、その後は米ＧＤＰ控えてやや調整＝ロンドン為替概況

ドル円は１５５円台後半に高値伸ばす、その後は米ＧＤＰ控えてやや調整＝ロンドン為替概況

　ロンドン市場は、円安とドル安の動きが併存している。ロンドン早朝にドル円は155.74近辺まで買われ、３４年来の高値水準を再び更新した。その後は、買い一服となり高止まり。足元では155円台半ばへとやや調整の動き。ロンドン時間に入るとドルストレートでのドル安とともにクロス円が一段と上昇している。ユーロドルが1.0730付近に上昇する動きにユーロ円は167円台に一時上昇。ポンドドルが1.2520台まで買われると、ポンド円も195円目前まで買われた。その後は、ドル円の上昇一服とともにやや反落しているが、値幅は限定的。全般に円安水準での取引が続いている。昨日のロンドン市場でドル円があっさりと155円台に乗せたあとも特段の介入の動きはみられず、足元まで155円台を維持している。ポンドは対ユーロで堅調な動きが継続している。週明けまでは英中銀の早期利下げ観測が市場に広がっていたが、英ＰＭＩ速報値の改善や前日のピル英中銀チーフエコノミストが３月時点からインフレ状況などに大きな変化はみられない、などとしたことでポンド買いが再燃してきている。このあとは日本時間午後９時３０分に第１四半期の米ＧＤＰ速報値が発表される。相場が再び動意付くことが期待されよう。

　ドル円は155円台半ばでの取引。東京朝方の155.20近辺を安値に買われ、ロンドン早朝には155.74近辺まで高値を伸ばした。３４年来の高値水準を連日更新している。ロンドン時間に入ると高止まり状態からやや調整が入り、155.50付近に小反落している。欧州株や米株先物・時間外取引は売りに押されている。米１０年債利回りは４．６４％付近と前日終値水準で揉み合っている。

　ユーロドルは1.07台前半での取引。東京朝方の1.0694近辺を安値に買われ続けている。ロンドン早朝に1.07台に乗せたあと、ロンドン時間には1.0730近辺に高値を更新し、高止まりしている。ユーロ円も堅調。東京朝方の166.00近辺を安値に買われ、ロンドン時間には高値を167.02近辺に伸ばした。対ポンドではユーロは売られている。シュナーベルＥＣＢ理事は、ディスインフレのラスト・ワンマイルは険しい道のりだ、と述べて根強いインフレ圧力を警戒していた。ミューラー・エストニア中銀総裁は、６月に見込まれる初回利下げに続いて、２会合連続で利下げすること支持せず、と７月利下げについて否定的な見解を示した。

　ポンドドルは1.25台前半での取引。東京午前の1.2455近辺を安値に、ロンドン朝方から買われ、高値を1.2523近辺に伸ばした。その後も1.25台を維持している。ポンド円はドル円やユーロ円と同様に買いが続いており、193.35近辺から194.95近辺まで上伸した。足元では194円台半ばで推移している。ユーロポンドは0.8590付近から0.8565付近まで下落。総じてポンド買いが優勢になっている。今週に入ってからは英ＰＭＩ速報値の改善や、ピル英中銀チーフエコノミストの早期利下げに対する慎重発言でポンド買いが優勢になっている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明